伝えたいこと
思っていたより早くに、父を亡くした。
悲しいとか辛いとか、確かにあるんだけど、
こんなこと言うと誤解を受けそうだが、
思っていたより辛くはなかった。
歳を重ねて、自分でも気付かぬうちに覚悟みたいなものがどこかにあったのかもしれない。
でもそれ以上に、今の私には子ども達がいるということが間違いなく心の支えになっていたと思う。
急いで実家に帰った時、
対面した時、
通夜が終わった時、
出棺の時、
悲しい、辛い気持ちは確かにあったが、特に上の子が常に私を慰めてくれていた。
自分だって「(通夜に)行きたくない!じぃじとバイバイしたくない!!」と、通夜に出ることを拒絶するくらい苦しかったはずなのに、通夜の席ではずっと私の傍にいて、ほとんどの時間、抱っこをせがんでいた。
今思えば、あれは抱っこではなくて、私を抱きしめていてくれたのだろう。
…そんなことをふと思ったのは、亡くなってから初めて、父が夢に出てきたからだ。
泣きながら目が覚めることはこれまでにもあったけど、今までよりも息ができた。息を深く吸えていた。
色々あったものの、父にはいつも守ってもらってきたと思っている。
私も我が子達を守らなければと常々思っているけれど、それ以上に私は守られているのだ。
子ども達が大人になったら、
あなた達がどれだけ支えになってくれたのか、
どれほど心強い存在なのか、
いつかきっと、ちゃんと伝えたい。
そう思っている。