イントラ検定における種目名と着眼点
【テクニックブック Vol.9】
カービングは『削ること』で『曲がる』ではない。
前回、前々回で解説させて頂きました。
では一般的に「カービングは削る」ということが周知されているか?
これには疑問があります。
冬のオリンピックのスキーモーグル種目。
アナウンサーは「カービングでコブをクリアーしていく」と解説していました。
モーグル種目であれば、このカービングは『削る』意味合いで使われているのはわかります。
では、スノーボードで圧雪バーンを気持ちよくカービングしているときに。『削る』と『曲がる』どちらが連想しやすいか?
これは『曲がる』という意見も多くなりそうです。
雪面を削ってスピード調整したいからカービングをするわけじゃなくて。
曲がっていく遠心力を楽しみたいからカービングをする。という方がほとんど。
そうなるとカービングを曲がると考えても違和感がありません。
「カービングは削るですよ」とどんなにアナウンスしても、周知していかないのはこういった理由。
意味は『削る』かも知れないけど、楽しさが『曲がる』にあるから、「カービングは曲がる事でしょ」となっているわけです。
どうしましょう。
こうなったらスノーボーダーの言う『カービング』は『曲がる』にしちゃいましょう。
そして『削る』には『エッジング』という言葉を使いましょう。
こうすれば一般的なイメージにマッチしながら、知ってほしい『削る』も発信出来ます。
今のインストラクター検定の種目の一部を紹介。
[ベーシックカーブショート]
着眼点:確実な雪面グリップ(*他にもありますが省略)
『グリップ』って聞くと『止まる』ことを連想しませんか?
この着眼点が種目名の『カーブ』と反する位置にあるのが理解を不足させます。カーブには推進力が必要で、滑っていかないとカーブしないのに、グリップという『停止』を連想させてしまう着眼点がある。なので混在してしまう。
『カーブ』も『グリップ』もなくして、種目を構築するのが良いと考えています。
[ショートターンベーシック]
着眼点:スピードと斜度にあったエッジング
というように、種目の名前からカービングを外し、着眼点にエッジングを明記。
ショートターンとカービングが結びつかないようにしておく事が大切だと考えました。
最後の言っておきますが、私はJSBAが大好きです。JSBAに育ててもらいました。そんなJSBAをみんなにも好きになって欲しいです。
だから、否定したいのではなく、より良くしたいと今回の内容を受け取っていただけたら幸いです。