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葬送のフリーレン 名前に隠された由来  海外の反応

2021年のマンガ大賞や手塚治文化賞を
受賞し、話題沸騰となった漫画
『葬送のフリーレン』。
 
2023年には待望のアニメ化がされ、
瞬く間に海外にもその名が知れ渡りました。
 
「葬送のフリーレン」は
千年以上も生きるエルフ、フリーレンが、
 
勇者一行と魔王を倒し、旅を終えたところから
物語が始まります。
 
この、普通なら物語が終わるはずの所から
始まる、「終わりから始まる物語」
という少し変わった設定が、
 
惑いながらも続きが気になって
見てしまう人も多かったでしょう。
 
魔王討伐を目的とした長きにわたる旅路を
「人生のほんの一部」としか
考えていなかったフリーレンが、
 
勇者・ヒンメルの死をきっかけに
人間を知る旅に出ることを決意。
 
そんなフリーレンが行く先々で
様々な人々と出会い、
 
かつての仲間を看取りながら、
長い長い人生を歩んでいく、
というストーリーです。
 
その独特の世界観や時間の流れ方に、
すっかり虜になってしまいます。
 
 
そんな「葬送のフリーレン」は
もちろん海外でも大人気なのですが、
ある時海外の掲示板に
 
「葬送のフリーレンのキャラの名前や
地名にネタバレが多すぎてヒドい」
というスレッドが立ちました。
 
一体どういうことでしょうか?
投稿主の話を見てみましょう。
 
 
俺はドイツ出身で主にドイツ語を話すんだが、
フリーレンはドイツ語による
ネタバレが多すぎると思うんだ。
 
ドイツ語が分かる人なら、
地名やキャラクター名を見たら、
 
大体のストーリーや
キャラの名前に隠された背景が
分かってしまうはず。
 
なんたって全てがドイツ語なんだ。
 
勘違いしないでほしい、
批判しているわけじゃない。
 
むしろ作者がドイツを
愛しているのが伝わってくるので、
とても嬉しいことなんだ。
 
あとは、キャラや地名が簡単に
頭に入ってくるのでそこも嬉しい。
 
でも、名前や地名にネタバレがあるので、
俺はあんまり作品に入り込めないんだ。
 
それが凄く残念というか…。
 
しかも、ドイツ人から見ると
変だなと思う名前も多いんだよ。
 
「考える」って意味のデンケンに始まって、
「炎(フランメ)」「強い(シュタルク)」
「空(ヒンメル)」。
 
どれもただの単語だから、
キャラや地名が登場するたびに違和感があって、
ストーリーに入り込めないんだ。
 
確かに空とかならまだしも、
名前が「考える」さん、「強い」さんって、
想像するとちょっと違和感があるだろ?
 
ちなみに「フリーレン」は
「凍える」だよ。
 
つまり、主要キャラをまとめると
フリーレンは「凍える」、
 
ヒンメルは「空・天国」アイゼンは「鉄」、
ハイターは「陽気な・公正な」
 
フェルンは「遠距離」、
ザインは「将来的に~になる」
っていう意味だ。
 
もちろん、これは俺がドイツ語話者だから
違和感があるだけであって、
 
日本人から見たら、
むしろ名前の隠された背景が
 
キャラにピッタリ合って、
カッコよく感じるだろう。
 
俺もそれを共感したかったな…
っていうのは贅沢な悩みかな?
 
でも、名前をキャラクターのイメージだと
考えると、これほど
イケてるネーミングもないよね。
 
ヒンメルの天国とか、
彼は天国でフリーレンたちを
見守っているだろうから相応しいし、
 
アイゼンも彼のタフさを
よく表した良い名前だ。
 
ハイターは確かに一行を明るくさせる
陽気な存在だった。
 
全体的にキャラの背景に合ってて、
なんだかドラマチックだよね。
 
思い返せば、
ネーミングからのネタバレは
敵に多いかもしれない。
 
俺が一番印象に残っているのは、
アニメの七話で出てきた
魔族の「リュグナー」。
 
これはドイツ語で
「嘘つき」って意味なんだけど、
 
フリーレンたちが到着した国で
奴が名乗った時点で、
 
人間を騙そうとしていることが
分かっちゃったよ。
 
なんたって名前が「嘘つき」だからね。
 
人間と平和的にやっていくための
話し合いに来てるとか言ってたが、
 
あの国の王がドイツ語を知っていたら、
騙されずに済んだかもね。
 
ちなみに、フリーレンと一番初めに戦った
アウラの部下で、
 
魔力の糸でフリーレンを
倒そうとした魔族の「ドラード」は、
ドイツ語で「ワイヤー」って意味になる。
 
魔力の糸は
ワイヤ-そのものだっただろ?
 
こんな風に、かなりストレートな
ネーミングになってるんだ。
 
この魔族たち一行は
「断頭台のアウラ」とその部下たちで、
 
他の名前も見てみると、
リーニエは「線」や「軌跡」、
アウラは「オーラ」だ。
 
魔法の特徴を名前にしてるだけで、
そんな重大なネタバレ
というほどでもないかもしれない。
 
でも、全部がドイツ語だから
何となく想像が出来てしまう部分もあって、
 
色々な言語が混ざっていればなぁ、
なんて思ってしまったのさ。
 
 
色々と言ってしまったが、
こんなものはこの作品を楽しむ上での
本当に小さな問題にすぎない。
 
違和感があるだけで、この作品の
キャラのネーミングが大好きだよ。
 
どれもキャラクターに合っていて、
この作品を楽しむ上での
スパイスになっていると思う。
 
たまに笑ってしまうこともあるけどね。
 
自分の使う言葉以外で
ネーミングすることなんて
誰にでもあることだし、
 
そんな作品は世の中に溢れているからね。
 
とにかく、ファンタジーストーリーを作る
伝統を、フリーレンの作者も
受け継いでいるというだけだ。
 
歴史に残るような有名な作品の
登場人物の名前とかも意外と
シンプルに名付けられていたりするし、
 
フリーレンでもそれと同じことだと思う。
 
むしろ、ドイツ人以外には
隠された意味みたいで、
いい意味でサプライズなんじゃない?
 
そもそも日本人が日本人に向けて
作っているんだし、割とメジャーな
英語を避けているのはナイスアイデアだ。
 
名前にも伏線があるなんて、
本当にいいアイデアだよね。
 
ドイツ人にとっては複雑だが、
いいアイデアだと感じる人の方が
圧倒的に多いはずだ。
 
何度も言うが、決して批判じゃない。
俺は葬送のフリーレンが大好きだ。
 
フリーレンは本当に素晴らしい作品だし、
今期一番のお気に入りだよ。
 
名前に必要以上にネタバレを含まず、
さりげなくキャラの特徴やバックボーンを
表すなんて素晴らしいアイデアだよ。
 
もしこの投稿を見てフリーレンの名前に
興味を持ったら、
是非ドイツ語を調べてみてほしい。
 
きっとこの作品をもっと
楽しむことができると思うよ。
 
ただ、俺が心配なのは
ドイツ語の吹き替え版だ。
 
俺は日本語が理解できるから
そのまま視聴しているんだが、
 
ドイツ語の吹き替えは
きっととても面白いものになるだろうな。
今度見てみることにしよう。
 
 
以上がドイツ人による投稿でした。
 
キャラクターに、そのキャラの
イメージに合うドイツ語が
使用されていたのですね。
 
確かに、ドイツ圏の人から見たら、
 
「凍える」、「遠い」、
「強い」、「鉄」といった単語が
人名として出てきたら、
 
違和感もさることながら、
セリフで「俺は怖いんだ、凍える」
という具合に話されては、
 
わかっていても混乱してしまうのは
仕方ないかもしれませんね。
 
ただ、投稿主も批判しているわけではなく、
それも含めて楽しんでいる様子でしたから、
 
別の視点の意見を聞くのも
面白いですね。
 
 
独特の名前を付けるのは、
日本漫画の常套手段とも言えます。
 
例えば鳥山明先生の「ドラゴンボール」の
キャラクターのネーミングは、
とても奇抜なことで有名ですよね。
 
野菜や中華料理、下着、楽器などから
名付けられており、
 
適当なのでは!?と思ってしまいますが、
不思議と違和感のないものとなっていて
作者のネーミングセンスを感じさせます。
 
久保 帯人(くぼ たいと)先生の
「ブリーチ」でも、
英語とスペイン語が多く使われています。
 
ブリーチの久保先生は
かつてアメリカ人に
 
「なぜリアルな名前を参考にせず、
奇妙な名前をつけるのですか?」
と聞かれた際、
 
「ブリーチはファンタジーなので、
リアルな名前をつけません。
存在しない世界の存在しないキャラに
 
どんな名前をつけるかが
作者の腕の見せ所なんです」
と答えていたそうです。
 
海外でも大ヒットした「ブリーチ」の
作者がそう言っているのですから、
 
「フリーレン」の作者も
とてつもない才能を持っていると言えますね。

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