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ちびたの本棚 読書記録「なぜエヴァンズに頼まなかったのか?」アガサ・クリスティー
ミステリーファンでなくとも、手に取らずにはいられない斬新なタイトル。これは、ある男性が死の間際に残した謎のメッセージだ。
事故か自殺か殺人か?それにエヴァンズとは誰?幼なじみのボビイとフランキーが謎解きに突っ走る。本職の探偵ではないけれど、時間と予算に制限がないせいか、思いついたら即実行する。痛い目に遭っても危険を省みることなど全くない。ちょっと待って落ち着いて!と言いたくなるほどの行動力だ。
真相を求めてウロウロする二人は、犯人にとって目障りなことこの上ない。彼らを始末したくなる犯人の気持ちがよく分かるが、ある人物の方をさっさと葬った方が手っ取り早いのではないのかな。
それはさておき、ラストは気持ちよくまとまり、まるで駆け足の後に飲んだサイダーのような清涼感あふれるミステリーだ。