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小沢健二一曲レビューVol.2「暗闇から手を伸ばせ」
ほげきょうです。
後追い世代なりにソロデビュー〜98年のNYに飛び立つまでに小沢健二がリリースした名曲群を一曲ずつレビューしていこうと思います。
第二回目は前回レビューした1stシングル「天気読み」のB面である「暗闇から手を伸ばせ」を個人的レビューしていこうと思います。
暗闇から手を伸ばせ
この曲、1stシングルでは「天気読み」のB面だったけれどそこから5ヶ月後に出た2ndシングル「暗闇から手を伸ばせ」ではタイトル通りA面を飾っている。(B面には渡辺満里奈に提供した「夜と日時計」)
しかしこの2ndシングルはどうやら彼のシングルの中で過去最低のセールスだったらしい。
メロディは他の曲に比べてフリッパーズ時代を彷彿とさせるようなメロディでビートやテンポが気持ちよく疾走感がたまらない。夜の高速道路というよりも昼間の晴天の高速道路を飛ばして走ってる時に聴くと気持ちの良いようなイメージの曲。「ボクたちはみんな大人になれなかった」を観たせいかも知れないけれど。
そんな明るいイメージのある一方で孤独でブルーな時に聴いてもとても刺さる曲。この曲を10代で知れてどれほど良かったか。どれほど救われたか。そんな曲。
歌詞にある「友達は家へ帰ってしまった 夜通しのリズムも止まってしまった」とあるのだがここの「友達」とは勝手に小山田の事だと自分の中で決定付けてる。
自分の中で「小沢健二の曲全曲涙が出るような天才的な歌詞が入ってる説」を提唱していてこの曲の中では個人的にこの歌詞がとても好き。
「夢を見る力をなくしていたんだろう?それでも誰かを信じたかったんだろう?」
素晴らしい!本当に素晴らしい。
上手く言葉にはできないのだけれどこの一節こそがタイトルにもあるように「暗闇から手を伸ばせ」の本質を書いてある気がする。
2020年のコロナからどこか退廃的な雰囲気の漂う現在の世の中にこそこういう一曲が必要になってくるのだと思う。
次回は「夜と日時計」