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コロナが始まった頃の話 駐車券を取りにいっただけなのに

#この経験に学べ

 こんにちは、あるいはこんばんは。
部屋を片付けていたら2020年に描いた漫画が出てきました。
あまりにも印象的過ぎて描いたものです。
 では、お話していきます。
 時は、マスクやアルコール消毒を推奨されてあと少しで一年になる前の冬の季節だったと思います。
スーパーで母と一緒に買い物終らせて帰る直前、母が駐車券の割引きをもらうのをうっかり忘れていた。
母「あっいけない、駐車券押してもらうの忘れてた、ゴメン取りに行ってもらっていいい?」
私「んっ」
いつものことだと思いエレベータに乗ってサービスカウンターに向かった。
 サービスカウンターに着くとどうやらタイミングがまずかったらしい。
白髪で頭が坊主の爺さんがスタッフのお姉さんにガミガミと怒鳴っていた。
「絆創膏ちょうだい!こういう怪我したし危ないだろ!」
どうやら爺さんは手を怪我したらしい、見る限り小さい怪我だったけど。
お姉さんは「すみません!すみません!」と言って絆創膏を渡すものの爺さんの怒りはおさまらず、ずっと怒鳴りっぱなしだった。
さすがにお姉さんが可哀想になってきて、まだ続きそうだった。
私は内心『オイオイ、勘弁してくれよ、あんまり遅いと母が心配すんだよ、こうしている間にも時は流れていく、おまけにまだ長引きそうだよ』と途方にくれつつまるで重い腰を上げるようにやりたくないことやるしかないと思った。
こんなビビりでチキンな私にこんなことさせないでくれと思いつつ「すいません・・・まだっすか・・・?」と後ろからドスの利いた声で爺さんに声をかけて顔の用意までした。

駐車券を取りに行っただけなのに➀
作画/道成寺 夜香

 顔の用意した私は、実は怒るのがもの凄く苦手。
でも、それを敢えてしなければならない時があるのだと感じた。
周囲が見えていないこの爺さんには私の存在は後ろから鬼女が突然現れたように感じたんだろう。
でも、それ以上何か言うのは恐かったので心をこめて眼力で『はよせぇわっ!!大した怪我でもねぇのに何してんだよいい歳の爺さんがっ』と訴えた。
私の顔見た爺さんは目を丸くして声も出ないくらいびびっていて、カウンターにいたスタッフのお姉さんまでびっくりしていた。
ちなみに爺さんじゃなくておっさんでした。
おっさんは何も言うことなく絆創膏を受け取って避けた。
私「駐車券おねしゃーす」と駐車券を仏の笑みで渡した。
お姉さんは引いていて「あっはいっ、2時間です」と対応してくれた。
駐車券を持って駐車場に戻りこの一連の出来事を話すと・・・笑われた。
家に帰ってから家族三人で話すと母は「顔の用意」で受けていて「そのおじさん気の毒に、恐かったろうに・・・」、私は「まいったよ親父と歳が近そうで」と真顔で話した。
親父は心配していた。
「気をつけてね、今色んな人いるから、刺されなくて良かった」と言われた。

駐車券を取りに行っただけなのに②
作画/道成寺 夜香

 この経験で学んだのは、周囲が見えなくなる怒りは人に迷惑かけること、恐くても小さな行動することで変化し、意味がある時があること、そして、危ないことはなるべくしないことだった。
 そして、何より自分が恥ずかしい行動していないか見つめさせられる経験だった。
 コロナ渦で何もかも制限されていた中、ストレスがたまることは沢山あると思うけど、人に当たったからといって解決はしない。
 自分のことは自分で解決しないといけない。

【後日談】
 このことを友人二人に話したら、「本当に刺されなくて良かった」と言われ、人は何するかわからないからこそ恐ろしい時があると実感させられた。

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