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請求書を出して初めて収入になる

 自営業の方々はよくお分かりと思いますが、請求書を依頼した旅行社に提出しないと収入にはなりません。
 請求書にはガイド料と経費の両方を載せます。つまり経費は立て替え分を記入し、領収書も添えます。
 この経費が高額になる場合は「ファンド」と言われる準備金がツアー前に振り込まれます。
請求書にはファンドと差し引きした金額を請求金額として載せます。

グループツアーの場合
 グループツアーは大抵長期ですから、立て替えも大きくなります。何を立て替え払いするかというと、美術館や寺社城郭の入場料、食事代などで、現金払いが基本です。
 14日間のツアーで参加者が40人ならばその金額は相当な額になります。最近はクレジットカードで払える店や美術館は多いですが、寺社城郭は現金のみです。寺社の入場料はせいぜい1000円止まりですが、体験もの(料理教室、アウトドア、伝統工芸など)の場合、一人3000円前後の平均値なので、結構な金額になります。
 旅行社はそれを計算した上でおよその金額を事前に振り込んでくれます。旅行社によっては会社発行のクレジットカードを持たせて使わせてくれる場合もありますが、まだ少数です。
 ご想像の通り、100万に軽く達してしまう金額を旅行社から渡される訳です。それゆえに旅行社はロングツアーでは、信頼できるガイドを使います。ツアー前に100万円持ち逃げされてしまう、という場合もないとはいえませんから。
 旅行社によっては、これを振込みでなく現金で渡すところもあります。私の友人は毎日180万円前後のファンドをカバンにいれて持ち歩いていました。15年前の話で、今は多分こういう旅行社さんはないと思いますが。
 
 大切なのは、領収書をもらい、無くさない事です。私はまだ無くしていないので、無くしたらどうなるかは正直わかりませんが、次のツアーのオファーはないだろうと想像します。厳しいエージェントさんは「無くした場合はガイドの負担になります」と契約書にうたっているところもありました。でもそれは、入場料の場合だと思います。レストランで40人で食事をする場合、領収書がないからと言って、ガイドが払わなかったと判断する旅行社はないはずです。きちんと支払いをしたか、また幾ら払ったかはレストランに問い合わせれば明らかです。
 ツアーが終わったあと、ツアー各日の領収書をまとめて、エクセルに入力し、経費のページを完成してから、次は別のフォーマットで自分のギャラの請求書を作り、メール添付して送ります。簡単な報告書も作成を求められる場合が多いです。
 この時、領収書が一枚でも足りないとパニックです。探す事にかなりの時間を割く場合もあります。とりあえず有ったとして、請求書、経費報告書、ツアー報告書の三種類を揃えて提出のクリックをした時、やっと私のツアーは終わります。大抵の旅行社は専用のフォーマットを持っているので、数字と説明をいれれば提出できます。
 それにしたところで、毎日かかった経費を入力して報告書も提出するには二日くらいかかります。後から思いだして、追加で計上する物もありますから、時間はかけたいです。旅行社によって、ガイドの昼食代、通信費、超過勤務代など手当も様々なので、契約書と付き合わせて記入します。でも、次のツアーが迫っている場合、かなり難しいです。旅行社は「ツアー終了後三日以内に提出すること」と契約書にうたっていますので、次のツアーに出る前にチャッチャと済ませてしまわなければいけないのですが、どうしても物理的に無理な場合があります。
 
 繁忙期にはツアーとツアーの間が1日しかなく、帰宅して洗濯をして次のツアーの荷造りをして翌日また出発という場合があります。そんな時には、提出日の目処を立て、旅行社に、遅れるがその日には提出する旨を知らせておきます。私の場合、一月以内ならば許してもらえました。ただし入力は日が経てば経つ程、思い出すのに時間がかかり、途中で投げ出したくなる事もあります。
 そんな時、私は小学生の頃の夏休みの宿題の絵日記の悪夢を思い出していました。ツアー中毎晩使った経費のまとめとその日のレポートをメモしておくと、帰宅してからが楽です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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