アドバンスケアプランニング講演聴講
昨日12月3日は、より良く生きる緩和ケア事業を協働して下さっている田上恵太先生が基調講演された、仙台市医師会と仙台市主催の講座「終末期医療を考える講演会」を聴講してきました。
田上恵太先生は、東北大学緩和ケア科にいらした時に、母が最期までお世話になった先生です。先生の事をFBで探し、私からDMを送ってこの活動のアドバイスが欲しいと連絡しました。その日のうちに返信を下さり、ご快諾くださって今に至っておりますが、母の他界から6年経って今こうして田上先生を一緒に活動が出来るなんて、当時は考えもしなかった・・。人生とは不思議なものです。突然DMした見ず知らずの私に返信下さった先生に感謝。そして「人生の扉」は不安だし怖いけど、自分で開けないと未来は開けてこないのだと痛感します。
話は戻りますが、田上先生の昨日のお話は、“住み慣れた地域で最期まで良く生きるために必要な医療のことを学びませんか?”というもの。
・少ない生産年齢世代で経済や医療、介護を支えられるのか?
(社会保障に関する2040年問題)
・平均寿命を延びている中、今後、希望しても入院できない療養難民が出る
かも?
・では、そんな状況の中で、最期まで安心して生きていくにはには?
その準備は?
このような問題提起があり、「最善を望みながら、最悪に備える」事の大切さをお話され、世界基準である「アドバンスケアプランニング(人生会議)」について説明頂きました。ACPでは、万が一の時はどうしてほしいか、延命措置はどうするか、人生の最終段階で大事にしたいこと、尊重してほしい事を記載し、倒れて自分で判断できない場合などに家族や救急隊員が判断できるよう準備しておくもので、仙台市では独自に先生方が監修され「もしもの時の意思表示シート」というのを制作中との事。これをお薬手帳や保険証と一緒にしておくと、救急隊員や家族がみつけやすいというお話でした。そしてまた、終末期は病院や施設の他に、在宅で医療を受ける事も出来るお話も伺いました。
私の経験でも、母の病状が悪化していき、心臓が止まるかもしれない段階で、主治医より延命措置の書面を書くように説明を受けました。サインの有無に関係なく、心臓マッサージ位はやってくれるのだろうと思っていましたら、それも「延命措置」に入ると言われ、サインをしたらあとは見守るしかないんだ・・という絶望感と、母の意識がほぼない中で私が決めていいのだろうかという思いで一晩先生に時間を頂いた記憶があります。
このような時に「もしもの時の意思表示シート」があれば、本人の
意思だからという事で家族も罪悪感なくサインが出来るのだと思います。
うちには80歳の父がおりますが、こういった書類は「俺は縁起でもないものは書かない!」といって頑なに拒否されます。でも、今回の仙台市のシートであれば、「救急車を呼ぶ事態になった時に」という切り口なので、それは高齢者に限らず必要な事になってくるので、記入を促しやすいなと思いました。
昨日も200席あるという会場はほぼ埋まっており、感度の高い方が集まっていらっしゃいましたが、アンテナを張られている方はいいのですが、うちの父のような人もまだまだ多いと予想します。我々現役世代も、もっとこういった課題に目を向けて、みんなでより良く安心して生きていく事を考えていかねばなぁと、また一つ学びを頂いた一日でした。
今週も皆様が笑顔でお過ごしになられますように。