軽やかでキレのある使い勝手のよい新茶。異常気象と向き合う。
かつては羽地と呼ばれていた、沖縄県名護から、今年も無事に新茶が届きました。数年前に試飲と作り手からの話を通して、異常気象の影響を如実に感じ始めたのは沖縄からでした。猛烈な勢力の台風や大雨、暖冬による虫の大量発生など。その抗えない状況に対処することは、私たちの想像以上に大変なはずです。
大変な中でも、たくましく育つ茶葉から丁寧に製茶された紅茶。
今年は当店では
4種ブレンド
をご提供いたします。
4種ブレンドは、べにふうき・べにほまれ・ゆたかみどり・やぶきたの4種類の品種の春摘みと夏摘みを、作り手自らがブレンドした紅茶です。この作り手の紅茶は、すっきりさらりとした口あたりで、香ばしく甘い香りに適度な渋味を伴うキレのある後味が特徴的ですが、ブレンドされた茶葉にはその特徴がぎゅっと凝縮されています。日本茶用品種の香ばしい茶飴のような甘やかな香りと味わいに、紅茶用品種の華やかな林檎の花香や深みのある味わい。それらが渾然一体となり、火香と蜜香の甘香も加わり風味に花を添えています。出しゃばることのない香りと軽やかながらキレのある味わいは、お食事やおやつを選ばず何にでも合わせやすく、日常的に使い勝手のよい紅茶です。今後もう少し寝かせることで、ますます香味が馴染んで甘い香りが高くなりそうです。
思い通りにはいかない困難な条件の中で、農薬を使用せずに茶樹を育み、環境と折り合いをつけながら挑み続けることは、技術だけでなく相当な忍耐を要し、時には葛藤を伴うことは想像に難くありません。それでもお茶作りが心底好きな作り手の様子に安堵もします。置かれた条件の中でベストを尽くそうと、努力や工夫を怠らない作り手。その努力や工夫を茶葉の風味を通して垣間見る飲み手の能動性。そして、作り手が目指す品質を飲み手が作り手の作品を飲み続けて支える好循環こそが、良いお茶が生まれる条件なのではないかと考えています。
当店で是非、お食事やおやつとともに、すっきりきりりした輪郭に甘い風味を纏った作り手オリジナルのブレンド茶をお楽しみください。
茶葉は通販サイトからもご購入いただけます。
