ルネ・マグリット「人間嫌いたち」を観て 諸橋近代美術館にて
以前、NHKの日曜美術館で特集されていた
諸橋近代美術館で開催中の「生誕120周年 サルバドール
・ダリー天才の秘密ー」に行ってきた。
諸橋近代美術館自体初めて訪れたが、山の中の涼しいところにある。
周りには、高級そうなペンションやリゾートホテルが建っており、
軽井沢みたいな避暑地なんだろうか?
美術館も周りのホテルに合わせてなのか、ペンションや城のような
立派なつくりをしており、敷地には小川が流れ、池がある。
(別の方が撮ったものだが、イメージ写真に映っているのは
諸橋近代美術館である)
まるで絵の中にあるみたい。
今回一番観たかったのは、日曜美術館で映し出されていた
ルネ・マグリット「人間嫌いたち」。
黒い劇場用のカーテンが何本も草原に立っている、という
不思議な作品。
カーテンの後ろには何があるんだろう?
仮に人がいるとして、我々観客側には決して姿を見せてくれる
気配はない。
仮の話を続けるが、カーテン越しの人たちはなぜ観客の前に
カーテン越しで現れるのか。
それは観客側のことを知りたいからではないか、と思った。
知りたいけど正体は知られたくない。
そんな気持ちの表れではないか、と。
カーテンはカーテン同士でもお互いのことを知りたがっているん
だろうと私は思うが、カーテン同士もお互いに正体を見せたくない。
SNSでつながる人間関係のような、つながりたいけれど
匿名性も保持したい。
80年くらい前の作品のようだが、現代社会の一面が
見える気がした。