虫刺されのある夏
着替えるときに、太ももに手が触れると
少し腫れあがっている。
「あ、虫刺されだ」
右足に二か所。
昨年の夏は暑すぎたのか、蚊そのものが少なかったのか、
虫刺されができることなく終わったのだ。
今年の蚊は暑さへの耐久性が向上したのか、
うまく生き残っているようだ。
小さなころは蚊取り線香を焚いても、
毎朝新しい虫刺されを発見し続けながら
秋に向かっていたような気がする。
何度も何度もかゆくてひっかくので、
母から虫刺されに爪で×印をつけるように
言われたものだ。
×をつけた痛みでかゆみがとれるように。
今はそこまで頻繁に虫刺されができることも、
ひっかくほどかゆくなることもない。
これがおとなになったということか?
思えば、私がこどものころは夜中にクーラーをつけたまま
寝ること自体少なかった。
網戸を開けて扇風機があれば十分だった。
今は毎日熱帯夜なので、クーラーなしで寝ることなど
考えられない。
蚊に刺されるのが少なくなったわけである。
虫刺され。右足に二か所。
ほんの一ミリ程度、かゆみを伴うこの夏
の証拠がかわいく思える。
まあ、この夏長引き虫刺されも増えれば
かわいくもなくなるが。
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