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結婚はハイリスク、恋愛も無理ゲー?――若者たちの本音
導入
「結婚したいけれどリスクが大きすぎる」「恋愛なんて無理」――増税や競争社会のプレッシャーに晒される若者の間で、こんな嘆きが当たり前に聞かれる時代になりました。周囲の「少子化が進むから、もっと子どもを産んでほしい」という声と、自分自身の不安との間で揺れ動く若者たちは、いったい何を思い、どんな生き方を選ぼうとしているのでしょうか。この記事では、結婚に踏み出せないリアルな理由や、そもそも出会い・恋愛すらままならない背景など、今どきの“結婚しづらさ”を若者の視点から紐解いてみます。(男性視点が強めです。)
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アイザック「皆さん、こんにちは。今日は『結婚や恋愛』をめぐる若者の不安や葛藤について、アルベルト先生と一緒に考えていきましょう。世間では『若者が結婚しないから少子化が…』なんて声も聞こえますが、それぞれの立場やリスクを踏まえると、そう簡単には踏み切れない理由がたくさんあるようです。」
はじめに
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アルベルト
「おいおい、“日本は税金が上がるばっかりで未来も暗い、こんな時代に結婚や子育てなんてしてられっか”って意見、よく聞くだろ? そりゃ若者だって、収入の安定も無いし、自分一人食ってくのも必死な状況だ。無理に『産んでほしい』なんて言われても困るよな。
一方で、“少子化ヤバいから若者たち頼むよ”とか、“過ちひとつでキャリア終わるリスクがある結婚なんておっかない”とか、両極端な声も飛び交ってる。ま、今日はそんなモヤモヤした問題を一緒に眺めてみようってわけさ。」
1. 結婚や子どもを持つことへの不安
1-1. 社会的・経済的なリスクの大きさ
アイザック
「まずは経済面ですね。若者は少子高齢化や増税、年金制度の不安など、将来的に“自分の収入だけじゃどうにもならないかも”と思っている人が多いですよね。非正規雇用も増えていて、“いつ正社員になれるの?”って人も少なくありません。
そうなると『いまの自分さえ不安なのに、配偶者や子どもまで面倒見られるわけない』と感じるのも、仕方ないことですよね。」
アルベルト
「そうだな。今の若者は氷河期世代を直に見てきているわけだ。しかも“レールを外れたら終わり”みたいな空気があるから、若者にとっちゃ『一度つまずいたら積み』って恐怖感がデカい。奨学金返済で四苦八苦してる学生なんか、『結婚どころじゃない』が本音だろうしな。」
1-2. 「一人前」になれないプレッシャー
アイザック
「次は“文明や技術が進みすぎて、自分はいったいいつになったら一人前になれるんだ?”という問題です。昔より要求される知識やスキルが増えて、常に勉強しないと不安がなくならない。
そんな状態で、『自分がまだふわふわ手探りなのに、子どもを持つなんて無理』と感じる人も多いようです。“完璧に備えなきゃ親になる資格なんてない”と自分でハードルを上げてしまうパターンですね。」
アルベルト
「『親は子どもと一緒に成長していくもんだ』なんて昔は言ったが、今は“中途半端な親”って見られたらネットで叩かれたりするかもしれんしな。そりゃ慎重になるのもわかるよ。ほんと、生きづらい時代だな。」
2. 少子化と若者の自由意思
「自由意思の尊重」と「少子化解決」は両立できるのか?
アルベルト
「日本政府的には『人口減ってんだから産んでくれ!』って本音はあるだろうが、それを強制するのも倫理的に問題だろ。“国のために産め”なんて押しつけられても、若者からすれば『はあ? 知らねーよ』って話だ。
結局、“自由に生きる権利”を尊重するしかないんだが、それじゃ出生率は上がんねぇ。だから政府としても手の打ちようがないっつうジレンマだな。」
アイザック
「『子どもは国の宝』とも言われますが、その育児や教育の負担を個々の家族に背負わせる現状では、どうしても若者にはハードルが高い。倫理面で強制できず、本人の自由意志を尊重するしかない。となれば少子化は進む一方……という構図ですね。」
3. 子どもを持つ意義が見えない令和社会
競争社会と反出生主義
アイザック
「次は“なぜ子どもを持つ意義が見えづらいのか”を考えてみましょう。社会全体が競争社会で、受験や就職活動など若者のプレッシャーも大きいですよね。すると『この競争社会にまた子どもを投げ込むの? しんどすぎない?』と感じても不思議じゃありません。」
アルベルト
「“自分が散々苦労してきたんだから、子どもにも同じ苦労を強いるのか”って疑問だろ? それに“反出生主義”なんて考え方もある。生まれてくる子どもが不幸になりそうなら、産まないほうがマシって話だ。
現代じゃ『子どもを産めばハッピー』なんて単純なもんじゃねぇし、『愛があればなんとかなる』って時代でもない。そりゃ意義を見いだせない人が増えるのも無理ないな。」
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4. そもそも付き合えない
4.1コミュニティ内恋愛はリスクの塊・マッチングアプリは劇薬
アルベルト
「さて、いよいよ若者の“付き合いづらさ”について本気で話す章だ。ここは俺が一番話したい部分なんだよ。もしかしたら熱量が違いすぎてビビるかもしれねえが、ぜひ耳を傾けてほしい。
結婚以前の問題として、“そもそも彼氏や彼女すら作れない”奴が多い現実、みんなもなんとなく感じてるだろ?
まず、前提条件として、日本じゃ同じコミュニティに偶然いた男女が偶然引かれあって恋愛関係になることが基本だ。ところが、これはめちゃくちゃリスクが大きい。コミュニティの和を大事にする日本では、男がそこで女性にアプローチして、うまくいかなかったら男は居場所を失う危険がある。
もし正攻法で攻めるなら、たとえば複数のコミュニティに参加して、それぞれで一人の女性にアプローチしていく、みたいな“複数同時作戦”が必要だろう。でも娯楽にあふれる今の若者に、そこまでバイタリティがあるケースは多くない。結果として、自分が一番大事にしているコミュニティで気になる異性にアプローチをかける。失敗でもしたらどうなるか。コミュニティで居心地が悪くなるだろ。それがトラウマとなって、今後一切のアプローチをする勇気が失われる――たとえば職場恋愛も、失敗して相手を不快にさせたら、下手すりゃキャリアすらなくなる。そりゃ萎縮するし黙りこむやつも増えるわな。
それで“じゃあマッチングアプリ”って流れがあるんだけど、ここにも落とし穴があるんだよ。」
アイザック
「そうですね。所属するコミュニティ(学校や職場など)でアプローチすると、相手が嫌がった場合、もう取り返しがつかなくなるリスクが大きい。しかも、それを“別の気軽なコミュニティ(緩やかな趣味サークルや行きつけのカフェなど)でやる”と言えるほどの意欲や余裕を持つ若者も、娯楽にあふれて恋愛の優先順位が低い令和には、少ないですよね。
そこで『マッチングアプリなら安全に出会える!』と期待する男性も多いわけですが、実際はかなり過酷な競争の場です。ごく一部の魅力的な男性が女性の大半を“総取り”しているような構図もあり、遊び目的で誠実さに欠ける行為が横行しています。
さらに、普通の男性がマッチングアプリであまりにもマッチしない・うまくいかない現状に耐えかねて、“マッチングアプリ攻略”系の商材を閲覧すると、そこでは“女性をどう騙すか”といった怪しいテクニックを推奨している場合が少なくありません。真面目な男性なら、そんなものを読めばむしろ良心が痛むし、“こんな非道徳的なやり方は無理だ”と人間不信に陥ってしまう可能性もありますね。」
アルベルト
「そうだ。“マッチングアプリは劇薬”とも言われるけど、実際そんな感じでさ、モテる男は誠実さを失いがちだし、普通の男は“女をモノ扱いしろ”みたいな極端な攻略論に触れて『そこまではできねえ…』とますます恋愛から引いてしまう。真面目に生きてる奴からすりゃ“倫理観に反してる”って思うのも当然だ。で、結果『ああ、もういいや…』って、出会いを探すこと自体やめる奴が増えてしまうわけ。」
アイザック
「ええ。そういった“コミュニティ内恋愛が難しく、マッチングアプリは劇薬”という状況で、気軽に恋愛できるルートがほとんどなくなっているんです。これでは男性が恋愛をあきらめるのも仕方ない。『こんなに障害だらけなら、もう彼女なしでいいや』と思ってしまうわけですね。そうやって“付き合えない”“結婚しない”層が増え、さらに少子化が進む……。なかなか根深い問題ですよ。」
4.2 モテない男は透明
アルベルト
「極端な言い方だが、『モテる男は寄ってくる女が多いから結婚のチャンスも豊富、モテない男はそもそも出会いがないままスルーされる』って構図が成り立っちまってる。要するに“二極化”ってやつだ。
本来なら中間層の男たち(そこそこ魅力はあるけど自信がないタイプ)にもチャンスがあって然るべきなんだが、SNSやマッチングアプリを通じて“魅力全開のイケメン”と比較されると、一気に目立たなくなる。下手すると“空気”扱いされるんだよ。」
アイザック
「“恋愛格差”が広がり、“生涯彼女いない歴”を更新している若者が増えているというデータもありますよね。もちろん、それだけが少子化の原因じゃないけれど、『自分はどうせ誰にも相手にされない』という感覚が強くなると、そもそも恋愛に挑戦しなくなる。
すると“結婚なんて自分には無理”と思い込んでしまい、結果的に“少子化の流れ”にも拍車がかかる可能性があるわけです。」
アルベルト
「それに恋愛市場で“弱い立場”の男は、“努力しろよ”って言われても、何をどう努力していいかわかんねぇ。見た目を磨こうにも限界があるし、コミュ力だって急に身につかないだろ。」
アイザック
「そして不思議なことに、少子化問題の議論で“独身男性”や“モテない男性”をどう救うかという視点が弱いのも事実ですよね。あまり言及されないというか、“女と違って男にはいろいろチャンスあるでしょ”と誤解されがち。でも、実際には社会や恋愛市場で“透明”扱いされている男性は多数いるんです。
彼らが『付き合う段階にも行けないのに、どうやって結婚するんだよ』と嘆くのも無理はない状況が、今の日本にはあるということです。」
アルベルト
「なあ、ここまで聞いたら“そりゃ未婚率も上がるわ”って思うだろ? モテるやつばかりが光を浴び、モテないやつは空気扱い。『それでいいのか?』って問われたら、誰も答えを持ってねぇ。とにかく、この現状が次世代を担う若者をますますしんどくさせてるってことさ。」
5. 不倫・浮気へのバッシング
「過ちへの風当たりが強すぎて結婚がこわい」
アイザック
「モテる男性も実は結婚を躊躇しています。近頃は芸能人の不倫で大騒ぎになりますし、“浮気=人生終了”くらいのイメージも広がっているようですね。もちろん不倫や浮気は良くない行為ですが、ここまで過熱してバッシングする風潮があると、むしろ結婚自体をリスキーに感じる若者が増えるのも頷けます。」
アルベルト
「とにかく“モラル違反”しようものなら世間からフルボッコ。芸能人ならCMとかスポンサーごと失うリスクもあるわな。普通のサラリーマンだって、SNSで拡散されたら会社に居場所ないかもしれない。
一歩間違えたらバッシングで社会的に死ぬ──そう思ったら、『もう結婚とかめんどくさ』って考えるやつも多いってことだろ。」
6. 結婚しないという選択
6-1. 「自分は結婚しない」と決める自由
アルベルト
「こうして挙げてみると、経済リスク、恋愛ハードル、バッシングへの恐怖、周囲の期待との温度差……まあ“じゃあ結婚しなくていいや”ってなるのも自然じゃね? 家事代行やフードデリバリーもあるし、一人で快適に暮らす術はいくらでもある。
『結婚して一人前』なんて昔の常識は、若者には通用しなくなってきてるわな。」
アイザック
「実際、データでも生涯未婚率は上昇していますし、『とりあえず独身を続けたい』という考え方は確実に珍しくありません。経済的にも精神的にも、独身生活を楽しむ人々を、もはや“変わり者”と扱う時代じゃないんですよね。」
6-2. 心変わりの可能性はある
アイザック
「とはいえ、若い頃は『結婚なんてゴメンだ』と思っていても、ライフステージが変われば気持ちが変わる人もいます。逆に結婚してから『やっぱ合わない』と離婚するケースもあって、その後はもう二度と結婚に向かわないという人もいる。
つまり、時期や状況によって考えが変わる柔軟性はあるんです。絶対に結婚しないと決めていても、将来の経験や出会い次第で揺らぐことだってある。」
アルベルト
「結局、選択肢のひとつとして『結婚しない』が普通に認められるようになったってことだな。強要もされないし、周りの目も昔ほど厳しくない。そりゃあ、無理にリスク追うより“独身貫くか”って若者が増えるのは必然かもしれねぇ。」
7. 多様な生き方をメディアやSNSで見られる時代
情報過多の影響
アルベルト
「最後に、今はネットやSNSでいろんな人生パターンを簡単に見られるよな。『独身でもめっちゃ充実してる』人もいりゃ、『結婚したけど地獄みたいな家庭』の話も無数に転がってる。どれを選んでもメリット・デメリットあるぞ、と。
そうなると、若者は余計“どれを選んでも不安なんじゃね?”って考えるわけだよ。」
アイザック
「情報過多がどんどん不安を増幅するんですね。結果的に“行動しないほうが安全だ”と現状維持に落ち着く。独身の現状なら『今と変わらないから、まだマシ』と思えてしまう。そうして結婚への動機がますます薄れるわけです。」
終わりにーどんな生き方にも不安がある今ー
アルベルト
「結局、『どれを選んでもリスクがある』なら、いまの安定を崩すのが怖いってのは普通の心理だろう。
だから少子化はさらに進むし、若者は結婚に踏み切らない。多様な生き方が認められるようになったのはいいことでも、同時に“どんな生き方にも不安がある”っていう現実を突きつけられちゃってる。
ま、今日はここまで。解決策? 悪いな、それはあえて提示しねぇ。皆さん自身で今の状況をどう見るか、考えてみてくれ。」
アイザック
「ええ。今回もあくまで問題提起として、今の若者が置かれている“結婚しづらい社会”の断面をお伝えしました。判断はご自身にお任せしますが、“なぜこうなってるか”を掘り下げるきっかけになれば幸いです。それでは、また次の授業でお会いしましょう。
参考文献
↑なぜマッチングアプリは劇薬なのか・自由恋愛が地獄化するのかは、「ベーシックインカムちゃんねる」のこちらの動画でよくわかります。
文字起こしのnoteもあります。このお話が私は大好きなので、皆さんもぜひご一読ください。
P.S. しっきーさん、大ファンです。いつも鋭い視点をありがとうございます。