流れのままに ③
周囲に不妊治療を受けていることを言わないことは、わたしにとって「保険」だった。だって、今後どうなるかわからないから。このまま妊娠しないかもしれないし、妊娠したとして流産の可能性だってある。
そして何より、自分の身近な人が妊娠して、その報告を聞いた時に、心の底からおめでとうが言えない気がしていた。そんな自分の姿を見たくなかった。だから妊活をしているとは言わず、涼しい顔をして何事もなかったようにいたかった。
通院して、わたしの卵管造影検査や夫の精液検査などをしながら、エコーで卵胞の状態を確認してもらい、タイミング法を行った。
検査を通してわかったことは機能性不妊と、乏精子症ぎみということだった。