トッププロシリーズ 麻雀編 第5回/全12回 「勝ち組は、こう打つ」~だから、お前は負けるんだ~
今までの回で、様々な技を披露してきた。中にはこの「勝ち組はこう打つ」を参考に、大きく成長されている方もいらっしゃるだろう。ぜひ、あなたも勝ち組になってほしい。そのためにも、新たな技を紹介する。
◎自分が飛びそうなオーラスで1着争いをしている人への囁き戦術
例えば、自分が5000点しかなく、2着が35000点、トップが42000点、3着が18000点だったとする。ラスの私が跳満ツモで3着になれるとき、当然トップを狙う2着から当たられたくない心理が働く。そういった場面では、2着目のリーチ後にこう発言しよう。
「向上心が試されますな」
2着目は、「ラスに直撃で2着終了でも良し」と思って、リーチをしたとする。
そこに「向上心が試されますな」と言われると
「ラスに直撃だと飛ばして、2着のままかもしれない。ツモれば、4000オールでまくれるかも?」と考えるかもしれない。そうやって2着目が向上心を全面に出し、見逃しすべき雰囲気を作り出してから、きっちり高い手でおっかけリーチを打つのである。そして、見逃してくれた、2着目から打ち取るトッププロの必殺技の一つである!
こんなことを書くと、「器の小ささ」を指摘する人がいるが、構わない。
大事なのは、「信頼より、点棒」である。
◎不調なときの回復方法 「3ない作戦」
どうやってもうまくいかないとき。この半荘を諦め、次の半荘で勝つために「3ない作戦」を使うと、同卓者に絶大な影響を与えることができる。
3ない作戦とは?
⓵「牌を前に出さない」
②「嶺上(リンシャン)牌を下さない」
③「10万点確認を言わない」→表示が出ない卓のみで有効
この3つをすると同卓者がイライラしてくる。そうやって同卓者の冷静な判断力を奪い、展開を有利に進めようとする巧みな心理戦である。
◎オーラスで、ダントツラス(3着すら見込めない)ときの打ち方
こういった場面では、残り3名のトップ争い、2着争いが熾烈である。一人蚊帳の外となったラスの打牌でトップが決まることを皆さんは、身に染みてよく知っていることだろう。こういったとき、残り3名を相手にラスの私は、こんな発言をする。
「トップは、実力で決まると思っているでしょう。違います。希望を失ったラスの暴牌がトップを決めるのです!このような自暴自棄になったラスこそ、卓上で最も最も恐ろしい存在であるということをお見せしましょう」
なんて会話をすると場が和む。
ラスの人の態度や発言、点棒の支払いは想像以上に周囲の人の心理に影響を与える。
ダントツラスの人が和やかであれば、周りの人も変に気を遣わなくて済むし、楽しい卓になるのである。
※もちろん、こういった場面では、打牌に気を付けるし、アガリの点も周囲の納得のいく打点まで仕上げていくようにしている。
◎ラスを引いたあとの次の半荘に入る前に
ラスを引いたあと気分のリフレッシュのため、同卓者にこんなことを言う。
「この雀荘は本気を出してもいいんですか?」
と聞いてみる。
すると周囲の人はだいたい笑ってくれる。
「本気でなかったんですね?」「お手柔らかに!」と言われる。
すると私は
「はい。皆さんに当たり牌を切ることで、皆さんの手牌を見て情報を集めていたのですよ。麻雀で最も危険な行為。それは、強者に情報を晒すこと。この半荘が楽しみだ」
という。するとさっきまでのラスの空気は一変し、新たな気持ちで卓に入ることができるのである。
もちろん、全力で考えて打っているし、全力で前に出てラスを引いている。しかし、大事なのは、気持ちのリセットであり、周囲の人に気を遣わせないことである。
第6回予告編
次回は、お楽しみの会である。
私が出会ったある女性雀士との話である。彼女とは年に1回お声がかかり、同卓することになっている。その思い出をここで披露することにする。
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