トッププロシリーズ 麻雀編 第3回/全12回 「勝ち組は、こう打つ」 ~だから、お前は負けるんだ~
前回に引き続き、今回は、相手のリーチに前に出たいときの考え方を紹介する。
積極的に前に出たいとき、私が「これは、通る!」と考える根拠をまとめてみた。私は、お店で「最も前に出る人」と言われている。親リーチに最高で5枚無スジを切って、上がりきった。6枚切ったときは、テンパイ止まりだった。「親リーチへの3シャンテン押し」が私の基本であり、その土台となっている打牌選択の考え方を紹介しよう。
◎相手のリーチに対して、攻めたいとき
1.2枚切れは、ワンチャンスと考える。※かなりおすすめ!
これは、かなり有効な考え方であるため、1番目に紹介する。よく3枚見えればワンチャンスというが、そもそも2枚見えれば、あと1枚は山にあるか他家が持っている可能性のいずれかである。
「もし、リーチ者が持っていたら?」
と言う人がいるが、そんなことを考えていたら、麻雀にならないのである。仮に持っていたとしても、そこが待ちに絡んでいるとは限らないのである。かなりの確率で安牌になるので、ぜひ試してほしい。
私が、親リーチに1打目から無スジを切っているときは、「2枚切れは、ワンチャンス」を信じているときである。
3枚切れていたら、もはや現物である(笑)
2.字牌は安牌である。
この考え方で、どれだけ積極的になれただろうか。
早い2巡目リーチに遭遇しても字牌が4枚もあれば、4枚とも現物だと思って打っている。
当然、字牌で当たるときもあるが、実際は安牌で、リーチに通る可能性の方がずっと高い。
今まで何度も生牌を通してきた。
字牌でもし、当たられたら
「字牌ですよ?」
とあたかもマナー違反であるかのように語りかけよう。すると次回から、字牌待ちにするのを遠慮がちになるだろう。そうなれば、こちらのペースである。
3.キー牌を度々伝える。
キー牌を伝えると相手は、そこに意識を取られ、普段の麻雀が打ちにくくなる。
私は、千葉ロッテマリーンズファンなので、八索(マリーンズのMが2つあるというしょうもない理由から)が好きだと公言している。実際に58ソー待ちをしたり、8ソー単騎で上がったり、テンパイとして見せたりすると周りもそこを意識するので、ワンチャンスや筋で通りそうでも8ソーを切りにくくなる。そういった暗示が勝負所で効いてきて、通りそうな8ソーで他家がオりることが多くなり、こちらのペースに持ってこられる。
4.自分が染め手をしているときは、相手も同じ色だと考える。
染め手をしているときは、相手にその色が入りにくいので、同じ色の待ちになりやすい。しかも、守備型の人は、索子の染め手の相手に索子で打ちたくないから、無理に止め、悪い索子待ちになりやすい。
だから、
索子をやっているときは、萬子、ピンズは現物だというぐらいに決めつけて牌を切れば、周囲がびっくりしてオりるだろう。ただし、いちいちびびって牌を切るのはダメである。周りが安いか待ちが悪いと思い、前に出てくる。
5.リーチ者はフリテンリーチであると考える。
フリテンリーチに危険牌は存在しない。フリテンなのだから、もはや何も気にする必要はないのである。(ただし、2軒リーチにさすがに二人ともフリテンはないので、その際は、気を付けて前に出よう。)→結局前に出る。
また、他家から早めのリーチがかかり、自分はオりたいとき、「あれはフリテンリーチだ」と言うと仲の良い知り合いが同卓しているとき、「そうですよね。あれはフリテンリーチですよね」と言って危険牌を切り始める人がいる。
そうやって他家を危険に晒すのである。もし、その人がアガることができれば、「さすがトッププロの言う通りだ」となるし、振り込めば、自分の失点を防げるので一石二鳥である。
6.リーチ後にあと筋ひっかけになったとき、他家に
「ゆっくり考えていいですよ」と言う。※かなりおすすめ!!
もし、自分がリーチをかけていたり、鳴いていたりして、待ちが後筋ひっかけや、ワンチャンスになっていたときに、他家が長考に入ったら、ぜひこう言おう。
「ゆっくり考えていいですよ」
悪魔の囁きである。長考したい人は、当然場の捨て牌をじっくりと見るので、捨て牌を見れば見るほど、筋やワンチャンスを頼りに当たり牌を選択するのである!私は、今までこの本を書く前にこの発言をして、3回中2回も即当たり牌が出た!
しかも、この技の素晴らしい点は、人としての評価も上がるところにある。
周囲の人に気を配れる「器の大きい人だ」「いい人だ」と自分の株が上がりつつ、点棒を手にするのである!
親切なふりして、相手を打ち取る作戦である!
しかも、振り込み者から「ありがとうございます」と御礼を言われながら、点棒を受け取れるのだ。人としての評判も上がり、点棒も手にする。最強のテクニックなのである!
最近、読者が増えたせいか、この「ゆっくり考えていいですよ」と言うと同卓者がざわつく。「筋、ワンチャンスが危ない。いやでも、無筋も切りにくい」となり、判断基準を失い、この本の読者が、次々とパニックに陥るのである。私と読者2名、全く初めての人が1名いると私のこの「ゆっくり考えていいですよ」と言った瞬間、読者たちが、「あー可哀そうに。トッププロの当たり牌を選ばされる」と同情の顔で見られるのである。
第4回の予告編
次回は、食べ物や飲み物、他人からの同情を利用した卓外戦術を中心に紹介する。もはや、打牌選択のみならず、相手の心理を揺さぶるこの技の数々を知れば知る程、人間的な小ささを感じざるを得ない。ぜひ楽しみにしていてほしい。
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