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なぜ統失 第6部 【長期入院編@3回目】⑪開放病棟の紹介✨「足腰の弱った患者さんばかりの病棟」&「ここでも自由にテレビは見られない?」
前回のお話⬇️
入院3ヶ月目、
開放病棟へ移る事になりました。
ここでは閉鎖病棟には無かったポットが置かれており、
自由にコーヒーやお茶を入れたり、
カップラーメンを作って食べる事が出来ます。
許可さえ頂ければ、
ベッドの前の床頭台の上に、
自分専用の、デジタル変換器を取り付けた「アナログテレビ」を設置して貰う事が出来ます。
しかし、
そのテレビを見る為には、
昔の旅館のテレビの様に、
病棟内で販売されている「テレビカード」という物を自費で買い、
テレビの横に備え付けられた機械に差し込まないと見れない仕組みになっています。
カードは一枚1000円で、数時間しか見る事が出来ません。
ある入院患者さんは、
「わしはもうテレビが買えるくらいテレビカードにつぎ込んだ」
と、嘆いていました。
※まだテレビがそれほど安くない時代(2013〜14年頃)
大広間にもテレビが設置されています。
閉鎖病棟では、
患者さんに壊されない様に、
手の届かない、
高い所に付けられていましたが、
ここでは普通に、
テレビ台の上に設置されていました。
ベッドにテレビを設置している患者さんが多いので、
閉鎖病棟で頻繁に目にしたチャンネル争いも、
開放病棟では目にした事がありません。
暇つぶしに大広間のテレビを見たいと思っていたのですが、
一日中、毎日、
ヌシの様にテレビの前に居座って占領している患者さんがおり、
相撲や演歌番組、時代劇など、
つまらないお年寄り番組ばかり、
好きにチャンネルを回すので、
いつしか大広間のテレビを見るのは完全に諦めてしまいました。
このお年寄りの患者さんに口を挟むと、
言い争いへと発展する事はみんな分かっているので、
テレビの占領については、
あきらめモード、
誰もこの患者さんに口を出さない様になっていました。
いざこざを起こしてしまうと、
すぐに牢屋(保護室)のある閉鎖病棟に戻されてしまう事をみんな分かっています。
だからみんなわざわざ、あんな高いカードを買って、
自分専用のテレビで見たい番組を見てるんだ😩
なので、
僕も自分専用のテレビが欲しかったのですが、
アタオカ先生に許可を求めても、
「テレビを見ると寝るから駄目っ!」
と、怒鳴られてしまのではないかと思い、
許可を求めようとも思いませんでした。
【音楽プレイヤーもゲームも寝るから禁止⬇️】
ここでもテレビは諦めて、
閉鎖病棟と同じく、
読書をして過ごす事にしました。
入院中の先生の診察が無いのは、
閉鎖病棟と同じですが、
開放病棟では、
先生が徘徊している姿を見かける事すら、
一度もありませんでした。
そういえば、
他の患者さん担当の医師も、
開放病棟に来ている姿を全然見かけませんでしたけど…
やっぱり、他の患者さんも入院中の診察は無いんだろうな😩
【開放病棟は足腰の弱った患者さん用】
開放病棟はこの病院の最上階(7階)にあります。
下の階と続く非常階段の扉は、
鍵が開かれており、
看護師さんにどこに行くのか報告し、
許可さえ頂ければ、
自力で下へ降りても良いという事になっています。
エレベーターは閉鎖病棟と同じく、
カギが掛かっているので、
患者さんが勝手に操作出来ない仕組みになっています。
閉鎖病棟の患者さんは、
元気の無い、車椅子、乳母車、又は、ほぼ寝たきりの、
足腰の弱った、
元気の無い、お年寄りの患者さんばかりです。
ここでは当時30前半の僕が、
ダントツで一番の若手でした。
お年寄りの患者さんが、
自力で非常階段で下へと降りて行くのはまず不可能でしょう。
仮に下まで降りられたとしても、
丘の上の病院なので、
急な坂を下って、
市街地まで歩いて行くのは、
足腰の弱っている患者さんは絶対無理だと思います。
閉鎖病棟とは違い、
騒ぐような患者さんもいませんが、
平均年齢が高いせいか、
病棟内に活気がありません。
許可を取れば外出出来るのに、
そんな気力も起こらない人ばかりって感じでした。
足腰のしっかりしている、勝手に外に出る恐れのある患者さんは閉鎖病棟。
足腰の弱った、勝手に外に出る恐れのない患者さんは開放病棟。
と、病院側の判断で分別しているのでしょう。
まだ自分の足でしっかりと歩ける、
30代前半の僕だけが、
なぜこの時、お年寄りばかりの開放病棟へと移されたのでしょうか?
これだけは今だに良く分かりません。
次回へ続く。