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なぜ統失 第4部「2度目の強制入院」⑥人殺しの本✨苫米地博士の本はおかしな本?

前回のお話🔽

iPhoneを没収されてしまってからは、

やることが何も無い。

でも寝てしまうと看護師さんに叩き起こされる。

退屈で退屈で気が狂いそうになりました。

この病棟では多くの患者さんが、

携帯型音楽プレイヤーを持ち込んで、

イヤホンで音楽を聞いて過ごしています。

僕も音楽プレイヤーを持ち込んで良いかどうか看護師さんに尋ねて居ました。

すると、主治医のアタオカ先生の許可が必要だと言われました。

アタオカ先生の診察は入院してからまだ一度もありません。

この病院では入院患者の診察をしないのです。

仕方がないので、病棟内を、

乳母車を押しながら徘徊していたアタオカ先生を見かけた際に、

プレイヤーを持ち込んでも良いか尋ねてみました。

アタオカ先生は、

「音楽を聞くと寝るから駄目だ!」


鬼のような目つきで威嚇してきました。

ゲームも音楽も寝るから駄目なんだそうです。

暇で暇で何もやることが無いから眠たくなるのに…

やっぱりこの先生、

ボケて頭がおかしくなってるんだ…

僕は悔しくて泣きそうになりました。

仕方がないので、

家から持って来て貰った文庫本を読んで過ごす事にしました。

しかし、頭がぼぉ〜としてるので中々内容が頭に入って来ません。

しかも病棟内は患者さん同士のおしゃべりや、

奇声をあげる人、

イヤホンをしないで音楽を聞く人もいるので、

うるさくて読書に集中することが困難です。

それでも他にやる事が何もないので頑張って本を読みました。

やはり眠気に負けてうたた寝をしてしまいます。

(薬の量が多いから)

時折、母がお見舞いに来るので、

その際、僕の本棚にある本を少しずつ持ってきて貰っていました。

ある日、母がお見舞いに来ている時に、

偶然、アタオカ先生が病棟を徘徊していたので、

母が先生に声をかけました。

「お世話になっております。ありがとうございます。」

的な感じの挨拶から始まり、

「息子が本を持ってきてくれと頼むんですよ。」

本の話になりました。

アタオカ先生が、

「どんな本を読むんですか」

と、僕に尋ねて来ました。

「東野圭吾とか、宮部みゆきとか…」

「どんな本なんですか?」

「ミステリーとかサスペンスの本です」

・・・

「人殺しの本を読むんですかっ!」


鬼のような顔で僕を威嚇して来ました。

病棟の小さな本棚にはゴルゴ13も置いてあるのに…

東野圭吾の本も、ここの本棚の中にあったものなんですけど…

すると、母親が嫌な事を言い始めました。

「この子、変な本を読むんですよ。え〜と、ほら、あれ、オセロを洗脳した人の本!」

苫米地博士の本の事を言いたいみたいです。

本のタイトルに洗脳の文字が入っているので、

当時話題になっていたオセロの洗脳と結びつけたのでしょう。

(うちの母は想像で物を言います)

アタオカ先生はオセロの洗脳事件自体知らないみたいで、ポカーンとしていましたが、

(とっくにボケてる)

母に、まだ酷い妄想がある事にされてしまうのではないかと思い、

「わー!!」

と叫んで母親を制止しました。

母親は止まりません。

家でおかしな本を読んでいたと報告されてしまいました。

博士の本はおかしくありません。

ちなみに博士は洗脳をした人では無く、

脱洗脳の人です!


次の日から看護師さんに、

「どんな本を読んでるの?」

と毎日チェックされる様になってしまいました。

ちょっと恥ずかしいタイトルのラノベとかもあったので凄く嫌でした!

次回へ続く🔽











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