チュー!臣蔵・企画書/週刊少年マガジン原作大賞 企画書部門
チュー!臣蔵
・キャッチコピー
200年後も、立場も、姿を変えても、この狂った愛を続けていくのか
・あらすじ
元禄15年、1年前の松の廊下事件で改易となった赤穂藩、浅野内匠頭の家臣たちが、事件の被害者である吉良上野介を殺した。雪の中、死へ向かう上野介は、「来世があるのなら平凡に過ごしたい」と願った。上野介の最期の願いは哀れんだ神の手によって叶えられ、上野介は、現代日本の平凡な家庭で女の子へ転生する。前世の育ちの良さもあり、周りから愛されて、育った。しかし、高校生になったある日、転校生がやってきた。彼女の名は、浅野かね。まさに、浅野内匠頭の生まれ変わりの子だ。吉良の平凡な日は、浅野がやってきても守りきれるのか。
・第1話あらすじ
時は元禄15年、12月14日、去年江戸城本丸御殿松の廊下で赤穂の大名・浅野内匠頭長矩に襲われた高家旗本の吉良上野介義央は、大石内蔵助ら内匠頭の四十七士の旧臣によって、敵討ちの襲撃を受ける。上野介は台所の隅で隠れるも、四十七士に見つかり、雪が降り積もる庭の中で斬られて意識が段々と遠くなっていく。自身が横たわる雪の冷たさも段々感じなくなる中、自分が今度生まれ変わった時は、もっと平和で和やかな、理不尽な運命を繰り返すことのない世界で幸せに過ごすことを願って絶命した。上野介の悲壮な運命に、神は哀れんだのだろうか、現代日本のごく普通な家庭の女の子として上野介は転生することなった。
“東条さこの”として名前をつけられた上野介の生まれ変わりの女の子は、元々の人生で幕府の儀式を取り扱う高家旗本の立場にあったこともあり、周りの子よりも遥かに利口で真面目で、礼儀正しい子供としてすくすくと育つ。あまりの出来の良さは、親を驚かせ、戸惑わせるものだった。しかし、さこのにとって、元禄の前世の最期の夜のことは未だにトラウマになっており、台所と雪は大きくなってからも苦手を克服することができずにいた。また、浅野内匠頭から傷つけられた額の傷は前世から引き継がれていた。
そんな中においてでも、さこのは無事高校へ進学し、周りからは優等生として慕われるようになる。学級委員長になりと、かつての善政をしいた領主としての器量を発揮し、学級をうまくまとめあげて、順調な高校生活を送っていた。部活選びでは、前世から嗜んでいた茶道を行いたいと思い茶道部に行こうとするが、前世で茶会のあとに四十七士の襲撃を受けた前世のトラウマが蘇り、茶道部は諦める。しかし、同様に、前世で極めた文化・芸術の道への思いが強く、美術部に入部した。
前世のトラウマに苦しみながらも、順風満帆な高校生活の日々を送ってきているさこのだが、ある日それがガラッと変わる。
その日、転校生がやってきた。彼女の名は浅野かね。浅野内匠頭長矩の生まれ変わりである。
・2話以降のあらすじ
浅野内匠頭は幼くして両親を亡くし、寂しい少年時代を送っていた。そんな中、出会ったのが大名の饗宴準備の指導をする吉良上野介であった。浅野は親切に指導してくれた吉良に対して、並々ならない思いを持っていた。しかし、外様大名と高家の間では、内匠頭の気持ちを叶えることができずにいた。親類の大名の刃傷沙汰が起きたとき、気持ちの限界に達していた浅野は、自分自身と吉良が死んで、別の世界で共に転生することをたくらむ。
こうして、赤穂事件が起きて二人は死に、吉良は東条さこの、浅野内匠頭は浅野かねとして転生したのであった。
とはいえ、浅野は吉良が東条となっていることに加えて、容姿も性別もまったくもって違うので、気がつかないでいた。一方の東條は、名字や雰囲気・直感から浅野が転生した内匠頭であることに気がついていた。そんな東條は、浅野にばれずに高校生生活を過ごすことを試みる。逆に、浅野は吉良を血眼になって探す。そんな感じで、まやかしの駆け引きが繰り広げていた。
そんな中のある日、浅野を追って転校してきた浅野の親友・大石が、東條にせまってきた。そして、前世から唯一外面で受け継いでいた額の傷を大石に見つけられる。浅野にばれることを恐れ、恐怖を感じるなか、大石から取引を持ちかけられる。
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