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51 日本で二大政党政治は可能か?(都知事選で思うこと)
先日、東京都知事選が行われた。
今回はその政治について思うことを語ってみたい。
<都知事選>
私は引っ越したため東京都民ではなくなったから選挙権がない。
それにもともと政治には一切期待していないから誰が選ばれようとどうでもよかった。
私はそんなノンポリということもあり、いささか不謹慎だが今回の都知事選はスポーツ同様一種のエンターテインメントとしてとらえていた。
前回4年前の都知事選は開票速報開始と同時に小池氏の当選確実が報じられたが、今回は史上最多数の候補者がいて前より混戦になると聞いていた。
そんなわけで開票速報はビールでも飲みながらゆっくり観ようと思い、放送開始に合わせて缶を開けてジョッキに注ぎ始めた。
ところが私は注いだビールを一口も飲まないうちに、今回も放送開始と同時に小池氏の当選確実が報じられた。
小池氏が圧倒的な強さで当選したことについては違和感もないし異論も不満もない。
組織票を別にすれば、おそらく都民は他に魅力的な候補者がいないため、消去法により小池氏を選ぶしかなかったのだろう。
ただ自民党の裏金とか統一教会との癒着等の暴走を阻止するには、自民党だけに政権を維持させるよりは米国のような二大政党の方が互いに牽制が効きやすく望ましいと思う。
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そこで私なりに野党が政権を取れるようにするにはどうすればよいのか、何をすれば野党に一票を投じようという気になれるか考えてみた。
<投票者のグルーピング>
私は脳内で投票者を以下のようにグルーピングしている。
(右から左の順で)
1. 極右団体
(街宣車による活動、銃刀法違反、恐喝等)
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2. 右派系市民グループ
(反中韓、外国人や社会的弱者へのヘイト)
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3. 組織票ー右派系岩盤支持層
(宗教団体及び農協等の業界団体系)
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4. 声なき良識派ーサイレントマジョリティ
(個人の判断で国家、国民のために投票)
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5. 無党派層ノンポリー浮動票
(投票しない又は立候補者のイメージで投票)
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6. 組織票ー左派系岩盤支持層(労働組合系)
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7. 左派系市民グループーノイジーマイノリティ (反日、反政府デモ、政府へのヘイト)
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8. 極左団体
(革命のために暴力を肯定する犯罪集団)
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<野党が政権奪取するために>
1〜4のグループは自民党・公明の与党に投票、6〜8のグループは野党に投票するであろうことは容易に想像できる。
1の極右と8の極左は犯罪集団かコンプライアンス上の問題ある団体、2と7もそれらと紙一重のグレーゾーンであり、思想を転向させることはまず無理で、やめるよう説得でもしようものなら激しく罵られ愚民扱いされるか執拗に絡まれるリスクが高い。
従って関わるのは時間と労力の無駄であり、無視するのが望ましい。
3と6は既に団体の利害、自己の生活の利益、損得にとらわれており、こちらもまず説得は無駄であろう。
ただ何も思想がない分、組織の指導者に従っているふりをして好き勝手に違う候補者に入れる、いわゆる5のノンポリと同等の人も少なくないはずだ。
そこで、上記の3、6は組織に忠実な岩盤支持層のみとし、組織に従っているふりをしている人々は5の浮動票層として扱うことにする。
左派グループは小池氏が当選したのは自民公明の組織票を使ったからだ、だから投票率を上げよう、選挙に行こうと訴えかける。
だが、上記のように左派も労働組合という岩盤の組織票があるわけだから右派の組織票だけを批判するのはフェアでない。
(表向きは小池氏、蓮舫氏どちらも無所属ということで組織票などないことになっているが、実際にはそれぞれ自民公明、共産の支持を受けているわけだ。つまりタテマエとホンネの使い分けがあからさま。選挙は茶番であると改めて思う)
だが実際に選挙の投票率を上げれば、普段選挙に行かない浮動票の獲得も期待できるのは事実である。
つまり、野党の目標として米国のような二大政党政治を実現するには、選挙結果を左右するノンポリ浮動票を味方につけることであり、さらに望ましいのは、良き公約を掲げてサイレントマジョリティの票も与党からもぎとることである。
政権を取ろうという政治家はやりたい政策がありすぎて身体中から溢れ出すくらいで、公約などは気がつけば出しているくらいが普通ではないかと思う。
ところが、これまでの国会の質疑・討論や今回の都知事選を振り返れば、野党出身の蓮舫氏は自民党に対する批判ばかりで、公約を出すのも遅い。
さんざん時間をかけて出された公約も抽象的で具体性がなく、既に二期の実績を誇る小池氏に敵う要素を見出せなかった。
さらに左派が敵の組織票にやられないよう浮動票を取り込もうとしたが、その浮動票も小池氏と2位の石丸氏に流れ、思惑が完全に外れた。
<一番の敵は身内にあり>
左派系市民グループは、蓮舫氏同様にまたはそれ以上に自民党の批判をしている。
今回の都知事選では小池氏の演説を妨害するひどいヤジを飛ばしたり、変なシールを貼ったまま剥がさないなど相変わらずコンプライアンス的に問題ある行動をとり、日本全国の良識ある国民から顰蹙を買った。
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この左派系市民グループはやることなすこと全てが野党の評判を下げ、良識派のサイレントマジョリティやノンポリ浮動票層を自民党支持へと向かわしている。
つまりこの左派系グループが野党の最大の敵と言っても過言ではない。
野党の立候補者を応援しているようで確実に足を引っ張っている。
一番の敵は身内にあり。
自民党が送り込んだ工作員ではないかと勘繰りたくなるくらいである。
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<自分を変えることで相手も変わり世界も変わる>
安倍元首相が暗殺された時も、この左派系はお悔やみを言うどころか、撃った犯人の山上を英雄視する始末であった。
国葬での野田元首相の追悼演説は政治理念の違いを超えて素晴らしい内容であったが、左派はその野田氏すら裏切者扱いし、野田氏以外の野党の議員、蓮舫氏、辻元氏らは安倍氏の国葬への出席を拒みさえした。
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スピリチュアルの視点で言えば、この思いやりの欠如は精神レベル、意識レベル、霊格の低さを表している。
(思いやりの重要性についてはPRCAを説明した記事50を参照)
日本が二大政党政治を行うには、まず野党側が意識を高めること、少なくとも人の心を取り戻すこと、その第一歩として選挙で敗れた原因を真摯に振り返る必要があるがそれができていない。
スピリチュアルなワークをしていくと、この内省、自己観察が霊的向上のために避けて通れないくらい非常に重要であることがわかってくる。
一般の人は自分が正しいと信じ、悪いのは相手で、相手の行動を変えさせることで世界を変えようとする。この考えは特に左派市民グループに顕著に表れている。
批判を続けることで世の中が変わると思っているのだろう。
スピリチュアルな視点では、
自分を変えることで相手も変わり世界が変わる
つまり、
自分の人生の不満を全て人のせいにしているなら一生、不満のままで幸せになれない。
ということだ。
小池氏や自民党は現職・与党の余裕のためか、批判は受けても批判するケースは少ない。
このことが、サイレントマジョリティの良識派が声に出さずとも密かに評価している点だと思う。
一方、極右、右派市民グループも在日韓国人や不法移民に対するヘイトがひどく、政治イデオロギーが正反対というだけで、左派市民グループと霊性、精神レベルの低さは変わらない。
従って本来は左派同様に非難の対象だが、彼らが叫べば叫ぶほど、良識派のひんしゅくを買い保守層、自民系への打撃となる。
だがその分、立憲民主などリベラルに票が移り二大政党政治の実現へと一歩進むので、ここではこの右派の問題は放置する。
(ひどい!)
国民、都民のうち賢明なサイレントマジョリティは、与党としての実績が豊富で政権担当能力が一番高く、左派と比べて「まともに見える」自民党を選び、都知事選では小池氏を選んだわけだ。
だが左派市民グループはこの現実を直視できず、自分たちこそが国民を代表していると信じて疑わない。それどころか、自民党に票を投じる大多数の国民を愚民と蔑むことすらある。
日本の主権が国民にある以上、組織票だろうがなんだろうが、自民党に政権を与えているのは日本国民の総意である。
つまり
自民党への批判は自民党に票を投じた大多数の国民を批判していることに他ならない。
本来なら逆に、
その国民の大多数に、野党の政策の素晴らしさと十分に政権担当能力を有すること(本当にそうかどうかは別として)を理解させ支持者になってもらう必要がある。
にもかかわらず大多数の国民は愚民呼ばわりされ、自分たちが支持する自民党に暴言を吐かれ演説さえ妨害されている。
これでは野党の支持などしたくてもできるわけがない。
これは政策や政治イデオロギーの違い以前の問題である。
実際、良識あるサイレントマジョリティは、左派系が叫べば叫ぶほど、彼らが憎む与党に入れよう、または左派系が薦める立候補者以外に入れとけば間違いない、とさえ思っている。
確かに自民党は裏鉄問題や統一教会との癒着でどうしようもないので野党支持派の言い分にも大いに理はあるが、上記理由から、立憲民主、社民、れいわ、共産等のリベラル左派の野党は自民公明への批判は政策への批判のみとし、ヤジ、人格攻撃の類いは即やめた方がいい。
なお、政治の役割とは、国家間でいえば国家防衛のための外交・軍事、経済面でいえば富の再分配、つまり各国、各地域、各組織のエゴとエゴのバランスとり、利害調整である。
そのうち国家防衛については左派は完全に軽んじているか問題を見ようとすらしていないように思える。
統一教会と癒着する自民党への投票は悪手かもしれないが、米国との親密な関係を維持して祖国防衛、国家維持に努めている。
国家防衛を軽んじる野党への投票は現時点で最悪手で、野党がその機能を果たせないのであれば、消去法により、中露の脅威に対して国防にも力を入れる自民党に入れるしかないとサイレントマジョリティは感じている。
私自身も、二大政党政治の実現を目指して野党に票を投じたいところだが、最悪の手を打つくらいなら次悪の手を打つのがましであるから、不本意ながら自民党に票を投じている。悔しい限りである。
<公金の行方>
政治の役割のうち富の再分配についていうと、富裕者から多額の、中間層からはそれなりの税金、保険料、年金を納めさせて、低所得者へ生活保護や、その民間の支援団体への補助金として分配するのが政治機能の一つである。
ところが現在、税金の使用先が非常に不明瞭なことである。
国民の福祉のために使われる公的支援や補助金も、使われるのはさんざん中抜きをした後に残ったお金だけではないか。
長く寄付活動を続けて税金もしっかり納めている身としては税金や寄付金をポケットに入れられたり公私混同の杜撰な会計処理でのために使われるのは溜まったものではないが、そのような疑惑がある。
だが野党はそれを追及しない。
都知事選において、そのような疑惑を追及してくれているのは、小池氏ではなく蓮舫氏でも石丸氏でもなく、ひまそら氏一人であった。
ひまそら氏は社団法人、NPO法人の杜撰で不適切な会計処理にメスを入れようとしている。
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ただ、ひまそら氏は選挙活動の場はネット上のみであったから、その影響力は限界があったし、当人の人間性、口の悪さも槍玉にあげられる例も多い。
だが言い方が悪ければ道理も引っ込めなければならないわけではない。
私は個人にはカンパも寄付もしない主義なので彼に対して何も応援できないが、いろいろ気づかせてもらった以上は、私自身、NPOや社団法人の会計の問題について、できるなら自ら調べて行動したいと思う。
ちなみに余談だが、ひまそら氏の応援をして不買運動をされた岩下の新生姜を買ってみたが非常に美味しかった。お勧めである。
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<おまけークローズドな環境の危険性について>
ひまそら氏に学んだことはもう一つある。
それはメールの開示である。
これを知ったのはひまそら氏が美容外科医の高須氏とのメールを開示し、それに高須氏が不快感を表明したことからである。
プライベート間のメールを第三者に開示するのはマナー違反である。
高須氏は常識人で、そう表明するのは尤もである。
だが、ハートではなくエゴをベースとしている相手なら自己防衛のためにメールを開示した方がよい場合がある。
たとえばスピリチュアルな業界ではよく見られるが、SNSなどで占います、悪霊お祓いします、あなたの運命改善しますといった記事が投稿される。
彼らは無料、善意によるものと見せかけて希望者を募るが、かなりの確率でメールやLINEでのやり取りへと導く。
誰もが閲覧できるオープンなFacebookやXに対して、二人きりになるクローズドなLINEやメールでは第三者の監視、警告が入らないから、洗脳、つまりマインドコントロールしやすい。
営業活動をする側からすれば、現状を変えたいと藁をもすがる応募者は大金を差し出すカモである。
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公開の場では言わないがクローズドな環境で高額の料金を提示して、受けないと運命はさらに悪化すると脅す。
似非スピリチュアリストの彼らからすれば、二人きりになれるクローズドな環境では、どこの誰からもカモさん逃げてー! ワナだよー! と叫ばれることもないわけで、マインドコントロールが捗るのである。
占いや悪霊のお祓い、不幸な運命改善します、など主張する自称スピリチュアリストのうち、このようなクローズドな環境に誘い込む者は、善意や愛でなく、金のために行動している。
どれだけパワーがあるかはともかくサイキック能力(霊能力)を欲望のために使おうとしているだけである
(私の分類でいうところの領域Bー記事42参照)
投資詐欺や霊感商法、悪質な営業の被害に遭わないようにする最大のコツは相手と二人きりにならないこと。
(ロマンス詐欺が効果的なのはそういうところ)
さて今回はここまでにしておくが、このNotesでは、他人の欲望、エゴからの防衛のために役立つことをこれからも書き、またそのために、愛や真理といったポジティブな面だけでなく、人間のエゴそれ自体の研究も続けて皆さんとも見解を共有していきたいと思う。
それではまた。
読んでくれてありがとう。