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24 私の長期投資 事例紹介3


久しぶりに投資の話をしよう。

今回はTESLAである。

ご存知の通り、TESLAは既に大型株で、分析数値上、株価は割高であり、イーロンマスクの奔放な言動の影響もあり、現在、投資対象としては賛否両論ある。

いずれにしろ話題性があり情報収集には困ることがない企業だが、私が投資するに至った経緯についても皆さんの参考になるかもしれないので以下、記してみたい。

TESLAがまだTESLA MOTERS と呼ばれていた2014年に、TOYOTAがMIRAIというFCV(燃料電池車)の発表をした。

そのMIRAIは発表したと同時に予約が殺到し、注文しても納車は一年以上待たされるほどの人気であった。

当時の経済誌には、TOYOTAが進めるFCV(燃料電池自動車)とTESLAのEV(電気自動車)を比較してその違いを解説している記事がいくつもあったので、その詳細を読んだ。

私はその頃、米国株投資を行ってきた結果、米ドル建の海外資産が日本円の国内資産の数倍になり比率としてはアンバランスだったので、もう米国株投資は卒業かなと思っていた。

そこで、若い頃から保持しているAmazon (記事12)やApple (記事16)、Google のようなグロース株はまだ成長が見込まれたのでそのままキープし、それ以外のCoca-colaなどの成熟企業の銘柄を少しづつ売却して配当利回りの高い日本企業の株に切り替え、円資産の比率を高めると同時にその配当収入だけで生活できる体制にシフトしつつあった。

だが、このFCVとEVの比較記事が気になった。

記事自体は両者を平等に扱っているようにみえたが、私の周辺の人々は、やはり日本人というか愛国心、国策支援というか、FCVのTOYOTA MIRAI推しが多かった。

TESLAもその時点で無名というわけではなく、様々な経済誌でEVの特集の記事が見られたし、投資家や自動車が好きな人なら誰もが知っていた。

ただし、TESLAは決算では毎年巨額な赤字を出し続けていたし、まだ日本でEVを販売する気配もなかった。

それゆえに日本人にとってはユーザーとしてもそのEVの魅力を経験できないし投資対象としても不安を感じるのは仕方がなかったとは思う。

だが、私が気になったのはTOYOTA MIRAIよりTESLAのEVの方だった。
(どうして私はいつも周囲と違うこと考えたり違う行動とるかねえ)

当時の私は、FCVは部品点数も多く製造工程が複雑でかつ、水素燃料を圧縮して使用するので爆発とか火事のリスクを感じた。

どの解説記事も問題ない、影響ないと書いてあったが

専門家が「問題ない」「影響ない」と繰り返し発言する場合は、後に問題を起こしたり影響があったりする場合が少なくない。

なのでFCV推しの記事も話半分に聞いておく必要があると感じた。

実際にTOYOTAは日本国内トップの超大企業でマスコミにも影響が強く、MIRAIを華やかに発表して売り出していたので、自社に有利な提灯記事を書かせている可能性が高いと思った。

一方のTESLAは、当時まだ日本市場に参入する予定も立っていなかったので、イーロンマスクが日経に自社に有利な記事を書かせるような裏工作の可能性はないと判断した。

私の体感、直観から言えば、人類の95%はエゴでできている(記事7)。

企業やマスコミに対しては常に監視して懐疑心をもって記事の内容(コンテンツ)を読む必要がある。

さらにそれが書かれた状況、背景、記事の対象になっている企業と記事を書いたマスコミとの関係(コンテクスト)をよく見据えて直観を働かせて判断すべきだ。

真実、利害関係者の思惑、記事を出す仕掛け人の狙いは、目に見えるところにはなく、目に見えないところに隠されているからだ。

EVは FCVと違って、ざっくり言えば、電池を車体に搭載して完成というシンプルな構造だ。

プラモデルを作って遊んだ経験から、私はそのイメージを容易に想像できた。

従ってEVはFCVより製造コストも低く、設計変更や改善も容易なので問題が発生しても臨機応変、柔軟に対応できると思った。

以上の理由から、将来普及するのはEVだと判断した。

上述したように私はもう米株投資はリタイヤしたつもりだったが、100年以上前に馬車がT型フォードに駆逐されたような歴史的転換が、ガソリン車とEVでも見られると思った。

私はそういう歴史的転換点に関わってみたいと思い、人生最後のリスクテイクをすることにした。

世間がTOYOTA MIRAIに注目している間に、私はせっせとTESLAの株を買い集めた。

これが初めてTESLAを買った時の2015年1月の取引報告書。当時の購入単価は200ドルだが、その後2回の分割を経て株数は15倍になったので、現在の株価に対しては一株13ドル台で買ったことになる。


購入に当たっては投資仲間の知人に仁義を切る意味で、上述したようなテスラの買い推奨の説明をした。

だが、全員が冷たい態度でテスラ株を買う人は一人もいなかった。
(人望なさすぎ)

彼ら曰く、

「電気自動車なんて流行るわけがない」

「テスラはEVをつくればつくるほど赤字になってるってよ」

「ていうか、自動生産のオートメーションの機能が上手くいかなくて、イーロンマスクも自ら生産ラインに入り込んで毎日徹夜の手作業だってさ」

「資金繰りに窮していてテスラ倒産か、というニュースやってるぞ!」

「日本人だからトヨタ応援する」

私自身はテスラの回し者でもないし、彼らがテスラ株を買ってもバックマージンをもらえるわけではない。

つまり私はなんの見返りもない中で彼らに買い推奨の説明をしたわけで、それは彼らへの仁義だけでなく、無償の愛のつもりだった。

にも関わらず彼らはTOYOTA推しの記事を支持し、記事になっていない目に見えないところに真実があるなんて微塵も思わなかった、ということだ。

だが、もう私は彼らのためにできることは全てやった。これ以上言うと考えの押し付けになるので、彼ら一人一人の自由意志を尊重することにした。

そして一人孤独にTESLA株を買い続けて、持ち株は240株になった。
後はブレイクするのを待つだけだ。

テスラは2020年に入ってから株価が上昇して、二度の株式分割(5分割、3分割)を行ったので、私のテスラ株の保有株数は240 X 5 X 3 = 3,600株になり、現在に至っている。

こちらは米国証券会社FIRSTRADEの口座詳細(2023/3/12現在)。6回分けて購入し株式分割後で計3,150株保有していることがわかる。
こちらは日本国内のSBI証券のサイトの口座詳細より抜粋(2023/3/12現在)。450株保有し、FIRSTRADEの3,150株と合わせて3,600株になる。

テスラ株については売る予定は一切ないが、今後、どうなるかは神のみぞ知る。

だが、ガソリン車のレガシーを背負うその他の自動車メーカーは下請け企業への責任もあるし、簡単にはそれらを切れないのでEVへのシフトも一気にはできない。それらが負担となってEVの利益率は低いし値下げ競争になったら苦しい状況だ。

テスラは順調に生産工場を増やして生産能力を上げていけば時価総額だけでなく生産台数でもTOYOTAを抜く日が来るかもしれない。

まあライバルの既存の自動車メーカーもバカじゃないから死に物狂いでTESLAの後を追っているので、TESLAも生産、売り上げは毎年伸びてもシェアは落とすだろう。

それでも自動車メーカー同士で切磋琢磨しながらEV産業は発展していくはずだ。

TESLAの時価総額は現在、Appleの4分の1程度なので、現在の株価からテンバガーとまでは言わないけど(超長期ならあり得ますがね)、将来Apple並みに時価総額トップになるならば、株価は現在の4倍になる。

投資に対するスピリチュアル視点からのアドバイスは以前書いたので今回はもう繰り返さない。
(Amazonの記事12、Appleの記事16を参照願いたい)

まあ、私が推奨したら誰も買わないという謎の法則があるようなので、ヌートピアンに言われてまでお金を増やしたくないという人はTESLAの株なんて絶対買わないようにね!

それではまた。

読んでくれてありがとう。

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