シェアハウス暮らしと20代後半を振り返る
2021年から3年ちょっとの間、シェアハウスで暮らしていました。
シェアハウスは、共有スペースを持った1つの住居を複数人で共有して生活するスタイルです。友人でも恋人でも家族でもない、住人というカテゴリの人々と同じ建物の中で暮らしていました。
シェアハウスに住んだ3年間を振り返りつつ、暮らすことやこれからのことについて考えてみます。
僕について
僕についてもざっくりと。
2024年現在29歳、ITエンジニアの男性です。
西日本の新幹線の通ってない県で育ち、大学進学を機に上京しました。
大学前半は色々なことが上手くいってイキり、後半は逆にダメダメで講義に行く気が起きず一留。5年生の11月にどうにか内定を獲得してやっとこさ社会人になり、そこから立て直して企業勤めを続けてます。望んでない割には浮き沈みのある人生です。
シェアハウスに入ったのは26歳で社会人3年目のころです。新卒で入った会社を退職し、WEB開発部門のある事業会社に転職したばかりでした。
好きなことはゲームと歌と文章を読むこと。特にカードゲームとかボードゲームとか、ターン制の対人ゲームが大好きです。
シェアハウスに住もうとした理由
インフルエンサー・作家たちからの影響
シェアハウスに入居した理由として、人生がだめだったころから追っていたインフルエンサー・作家たちの影響があります。
phaさん、借金玉さん、えらいてんちょうさん。twitterを中心に活動をしていて、社会で上手くやっていけないことについて考え、文章にしていた方々です。
いわゆるだめな人に対する解像度の高さがあり、社会が上手くやれなくてもこんな楽しみがころがってるよ、だめでも工夫していこうよ、とか。そういったメッセージを発信していました。
彼らに惹かれていた大学生のころは将来に対して悲観的だったんですよね。
文系で食えるスキルも語学力もない。コミュニケーションはイマイチで事務作業は壊滅的、熱意を向けていたサークル運営では大失敗という体たらくです。こんななんで30代なんてあんのかな、生きてはいるけど死んでないだけじゃないかな?とか嘯いていました。
自力で食っていきたいという気持ちばかりが先走るも、社会をやれる気がしませんでした。そのころに彼らの発信するテキストを読むことが、後ろ向きであることをいったん肯定したうえで、人生を進めていく後押しになりました。そんな彼らはシェアハウスを運営したり住んだりしたことがあるため、シェアハウスについてのポジティブな発信も目にすることが多くありました。
とにかく生活コストが安く済むらしい。当然のごとく敷礼なしで個室でも家賃は5万をきるところがあるらしい。
毎日が変化があって飽きないらしい。リビングに行けば話せる相手がころがってるらしい。
社会が向いてなくても挨拶ができれば最低限どうにかなるらしい。そんなにウェイウェイできなくても大丈夫らしい。
もしかしたら独身者の老後の孤立問題を解決の糸口になるかもしれない。
そんな発信を目にするうちに、いつかシェアハウスにポジティブなイメージを抱くようになりました。できれば20代のうちに一回ぐらいはやっておくのもいいかも、といった具合です。
転職の経緯について
シェアハウス入居の2つめの理由は転職です。
まずは転職に至るまでの経緯をざっくりと説明します。
社会をやれる気がしないなか、周囲の助けがあって新卒未経験でITエンジニアとして働くことになりました。苦手な事務と対人折衝を避けて食えそうな仕事を選んだら消去法でITエンジニアが候補に挙がってきたのです。
自分で思っていたよりもITエンジニアの仕事は向いてたのか、なんとなく1年目のときにやっていけそうな気がしてきました。しかし、やっていけそうになれば欲も出てきます。会社の居心地は良かったのですが、給料の安さと扱う技術の古さに強い不安がありました。結局2年目の12月に転職活動を始め、3月に内定を獲得して会社を辞めることにしました。
次に転職先の状態。
転職を決めた会社は、新卒で入った会社とは全く違う環境であることが分かっていました。
前職は落ち着いた雰囲気の会社ですが、転職先はイケイケな雰囲気です。新卒のときは入れる見込みのない会社だったため、他の社員も優秀なことが予想されます。激務との噂が流れており、実際にみなし残業は45時間分ついていました。
おまけに前職で利用していた技術が古く、流用が利くのは基礎部分のみです。前職の実務経験が業務に直結しないことから内定のときはポテンシャル採用であることが伝えられており、入社したから必死こいてキャッチアップしないとついていけないことが予想されます。優秀な人間がゴリゴリ激務するのが普通な会社で追いつくことが期待されるって怖くないですか?僕は怖かったです。
転職のリスクを保有できる体制をつくりたかった
激務と環境変化のリスクがあり、ストレスがつらい場合は近いうちにもう一回転職せざるを得ないと考えていました。次の転職活動には、資金の準備は必須です。
新卒で入った会社では借り上げ社宅に住んでいたため、普通の物件に住む場合は引っ越しと家電の準備が必要です。資金は心許なく、どうにか普通の物件に引っ越しても、次の転職資金をためるには苦しい生活を続けざるを得ません。もしも新しい会社に適応できない場合、ストレスに晒されながら苦しい生活をし、資金をためるのは並大抵の苦労ではないでしょう。
僕にとっては仕事で病んでしまうってのは何としても避けたいんですよね。自分で自分の生活を工面していくのは自由だし、誇らしいものだとも思ってます。できれば実家の厄介にならず、首都圏で過ごした方が心身の健康にもいいのですが、収入を得る手段が限られている状態で首都圏で生活し続けるには限界があります。本当に働けなくなる前に環境を変えるだけの精神力と資金力は常時確保しておきたいのです。うっかり実家の厄介になると何もない田舎でドン詰まりになりうるぞ。
そんなこともあって、資金を確保する案としてシェアハウス生活が挙がりました。
シェアハウスに住めば生活コストを抑えられて、家電も共有のものを使えて、さらに敷金礼金も存在しません。そのため、一人暮らしの初期費用に投下するお金をそのまま転職資金にすることが可能です。さらに、敷礼がなく重い家電もないため、シェアハウスからシェアハウスへの引っ越しは極めて低コストです。そのため、転職先の会社の近くに住み、もしも転職をする場合は次の会社のシェアハウスに住めば、転職しつつ職場の近くに住み続けられると考えました。
あんまり器用に生きられず金もない26歳が、自力でラクに生き延びたい。そんな願いをかなえるのがシェアハウスでした。
物件選び
物件について調べる
転職先の会社の内定を承諾してすぐに物件選びを始めました。
シェアハウスの物件は大手の紹介・検索サイトには乗っておらず、シェアハウスに特化した検索サイトのみに乗っています。まずはいろいろな物件を見て回り、そもそもシェアハウスにどんな物件があるのか調べました。
そこそこに物件のページを見て回りました。シェアハウス、多様とは聞いていましたが本当に多様です。
入居者の性別、国籍、職業等の属性をを限定しているところ。
個室があるところ、二段ベッドを共用で使うところ。
月一で自治会のあるところ。
共用部の掃除を外部委託しているところ、住人の当番制にしているところ。
入居者の属性による条件はめちゃくちゃ多様です。性別や国籍だけではなく、職業や趣味やペットについての条件があるシェアハウスもあります。事業を持っている人のみのシェアハウス、ハンドメイドDIYができる人限定、ペットを飼うためのシェアハウスなんてものもありました。
個室のないところはビックリするほど安い。4万切ります。僕は図太いほうだとは思いますが、さすがに相部屋には耐えられないです。
条件を設定
もろもろの条件を見て回り、次の条件を設定しました。
職場までおよそ40分以内、家賃共益費等総額9万円以内
求めるものが多いため、比較的家賃には余裕を持たせました。シェアハウスは共益費に水道光熱費ネット料金がふくまれるケースが多く、通常の賃貸物件の感覚で言えば7万5千程度の家賃になります。
個室ありでベッドとモニター二枚が置ける
たまに発生するリモートワークと趣味のゲームをやるにはベッドとモニターが必須なため、ベッドとデスクが置ける程度には広い部屋が必要です。
社会人が多い
サラリーマンの生活を送るには社会人が多い環境がいいでしょう。学生の頃は自由度の高さに耐えかねて生活リズムを破綻させたこともあるので、学生が多い環境は危険だと判断しました。サラリーマンとしてやってくためのシェアハウスです。
定例集会とか自治会みたいな、強制的な会合が存在しない
親子や夫婦ですら意見が合わないことがあるのに、赤の他人の住人同士で合意をとるのは困難で、合意形成のために自治会が存在しても良いものにすることは難しいだろうと考えてました。牢名主みたいなのがいるシェアハウス、あんまり住みたいものではないです。
共用部の掃除は外部委託
自治会に近い理由ですが、掃除当番制はまあまあ面倒そうです。クォリティに期待するとどうしても住民間の強制力や政治が発生してしまう。できるならオーナーの所に掃除代を支払って解決したいものだと考えました。
このような条件で調べ、4件ほど内見し入居先を決めました。
いい物件が無ければ普通の単身向け物件を考えていたのですが、思いの他たくさんの物件が見つかりました。
入居先について、そこに決めた理由
入居を決めたのは駒場東大前にある総額8万5千円の物件です。家賃はシェアハウスの割に高めですが、他の条件がすこぶる良いものでした。
IT企業、もしくは個人事業主の男女を入居対象としたシェアハウスで、合わせて15名が住めるところです。
上記の条件をすべて満たしていたこと、共用の家電がバルミューダやらドラム式洗濯機やら、やたらめったらいいものが揃っていた点が好印象でした。内装もコンクリート打ちっぱなしでモダンな雰囲気です。
さらに、ゴミ出しすらも当番制ではなく、家賃を減額する代わりにゴミ出し等の管理業務を行う制度がありました。ゴミ出し当番で揉めたり放置されたりするリスクがあるとは聞いていたので、決まった人にやってもらえるならそれが最良だと考えました。
住人は20~35歳の男女で、半分がサラリーマン、もう半分が自営業といった具合です。IT企業、もしくは個人事業主が入居対象なだけあって、スーツを着て仕事に行く人は退去するまで見ることがありませんでした。
入居中のはなし
住人との交流
ここからは入居してからのはなしです。
住人からは料理ができる人として認知されたのは幸運でした。
当時はコロナで飲食店の営業規制が敷かれており、仕事の終わる時間によっては外食できる店が無くなっていることもざらにありました。店も開いてないので夕食を作っていると、自然と住人がやってきて会話が生まれます。そんなに口が立つわけでも多種多様なコンテンツに明るいわけでもないけれど、人がいるとこでおいしそうな匂いを出したりしてるとそれだけでコンテンツの提供者になっているような気がするのです。
住人と料理を振る舞いあったり、料理中に話しかけてきた人に一口味見を勧めたり。コロナで皆がシェアハウスにいることが多かったが幸いして、料理を通じて住人たちと交流をふかめる機会が持てました。
仕事をしていると家と会社の往復ばかりになるって話はありますが、シェアハウス生活にはそんなものはありません。ご飯を作っている人がいたら「なに作ってるの?おいしそう!」とか話かけてみたり。金曜ロードショーを見てる人がいたら混じって見てみたり。会社から帰ると何かしらの人がリビングにいて、何かをしてるっていうランダム性が日常に変化をもたらしてくれます。
住人たちと生活を共にするうちに、住人の機微もわかるようになりつつありました。住人達の服装や雰囲気から、外でどんなことがあるか思いをめぐせて、失礼じゃなかったら何があったか聞いてみたり。生活を共にするというだけで、かなりの情報交換が起きてるんだなって気がします。
たとえば、夜中に部屋着で出かけるひとはだいたいコンビニに行くだけだけど、夜中に身だしなみを整えて出かける人に対しては詮索を避けたり。
よそいきの格好でバッチリおしゃれして楽しげに帰ってきた人に話しかけてみたら婚活帰りだったり。
大きい段ボールを受け取った翌日にキメキメのファッションで出てきた人を見て、新調した服のお披露目がしたがってる気がしたのでホメまくったり。
これまで人の変化に気付いても弱気一辺倒で見送るだけだったのが、状況をみてホメたりするようになれた気がします。
シェアハウスのイベント
コロナの影響で外に出ても遊び場がなかった分、入居したころはシェアハウスで週末ごとにイベントがありました。屋上でバーベキューをやったり、刺身と酢飯とお酒を用意して手巻き寿司パーティーを主催したり。住人が釣ってきた魚をさばいたり。
鍋二郎なんていうイベントもありました。ラーメン二郎に鍋を持ちこみ、麺やスープ、野菜チャーシュー等もろもろをテイクアウトするのです。それらをシェアハウスのキッチンでゆでていただきます。3人前の量を僕含む男性3人、女性2人で分ける格好になりました。
二郎は中毒性があるほどウマいのは周知の事実ですが、僕と参加した女性2人は量などがネックで二郎に行ったことはありませんでした。そんな中、鍋二郎という抜け道でほどほどの量で試すことができました。おそらくこのイベントがないと二郎を食べることが無かった面々ですが、人がいることがで体験できることもあるのだと思います。
色々なイベントが開かれましたが、一番熱中したイベントはスマブラ大会です。
スマブラ大会が開かれていたころはでっかいテレビにswitchをつなぎ、夜な夜な対戦していました。
毎週末に一対一のリーグ戦なんかもやったりしてシェアハウス最強を決めたり。リーグ戦は大盛り上がりで、格上の相手に勝った時なんてサッカーのゴールパフォーマンスみたいな喜び方をしてました。オンラインだけの戦いだと負け続きだと腐りがちなんですが、リアルでワイワイやるのって負けても「やられたわガハハ」で済むので結構楽しいんですよ。負けが込んでる人が出てきたらチーム戦にしたり変則ルールにしたりとかもできますし。めちゃくちゃ楽しい時期でした。
凄く強いサムス使いがいたんだけど、最後まで勝てなかったなぁ。勝ちたかったです。
シェアハウスの恋愛
男女混合かつ25~35歳中心のシェアハウスだったので、住人同士での恋愛もちょくちょく起きていました。特に僕が入ったばっかりの頃は美男美女ぞろいだったこともあって、お互いがお互いを目当てにしてシェアハウスのイベントが開かれていた節もあります。前に書いたみたいに一緒に住んでるだけで住人がどんな人かわかってくるので、距離感が近づきやすかったのかもしれないです。
住人同士が両片思いになったときは、シェアハウスぐるみでおせっかいを焼く一幕もありました。
同性の住人に恋愛相談したり。両片思いの二人が一緒にいる場をつくるために飲み会が開かれたこともありました。や何もなくても二人が一緒にいるのをよく見るようになり、二人で出かけるようになり。最後には付き合い初めて、同棲するためにシェアハウスを退去していきました。物語みたいな退去の仕方でした。
ほかにも、深夜にトイレに起きたらリビングでガッツリキスしてる住人を見かけてしまったこともありました。同棲した二人ではないです。コッソリ息を殺して忍者のようにトイレに向かったのは今でも覚えています。翌日何食わぬ顔で挨拶したけど、僕の方が気まずい思いをしてるのは納得いかないです。自室でやれ。
ハプニング・トラブル
大人数かつ友人を呼んでよかったため、トラブルやハプニングも多くありました。
ざっくり箇条書きで行きます。最後2つ以外は笑い話ですみました。
一般家庭では想定してないペースで家電が使われるためハイペースで家電が壊れる。
ハイペースで詰まる排水溝。
住人の依頼でゴキブリを退治しに行く。
水栓が壊れて水が垂れ流しになる。元栓がめちゃくちゃ締めずらいとこにあった。
なぜか居室の壁から草が生えてくる。
誰かが冷蔵庫に腐った生肉を放置。仕方がないので捨てる。
シャワー室に拳大のカエルが出現。自然に返す。
シャワー室にナメクジが出現。流す。
トイレの使い方がすごく汚い住人が入居。
酔っ払いがシェアハウスの玄関を開けて勝手にリビングで寝てた。住人はほかの住人の友人だと思って放置してた。
住人が平日に夜明けまで飲んで騒ぐ大量の人類を呼び寄せ、挙句の果てに共用部にゲロを吐いていく。出禁のうえ住人に厳重注意。
突然家の外まで響く大音量のクラブミュージックが旅行中の住人の部屋から流れてきて、隣の住人の通報で警察がやってきて平謝り。音楽を止めようにも住人がカギをかけているため部屋に入れない。後から聞いたところでは、スマホと連携したスピーカーを持ってる友人が旅行先で自分のスマホから音楽をかけようとしたところ、シェアハウス内のスピーカーが起動したらしい。音が聞こえなかったのでボリュームをMAXにしたところ、家の外まで響く大音量になったようです。
退去のはなし
飽き
ここからは退去のはなし。
一番の理由はシェアハウス生活に飽きたことです。
2年も住めばシェアハウスで経験できる楽しいことを一通りやれてしまいました。さらに、入居したての頃は人間関係の構築に積極でしたが、入居者はどんどん入れ替わっていきます。
これは僕の良くなかったところですが、だんだん住人との人間関係の構築を怠けるようになってしまいました。ちょうどコロナによる自粛が明けて、シェアハウスの外の人々とも気兼ねなく遊べるようになったころと重なります。シェアハウスのイベントとかについても書いたんですが、これってシェアハウス生活の前半に集中してるんですよね。コロナ明けごろに住人との距離が遠ざかり、仲よくしていた住人も引っ越していきました。
結局3年半とか住んでしまったんですが、家賃が安くて引っ越しが面倒なのでとりあえず住んでるという状態です。シェアハウス生活終盤は住人との交流はびっくりするほど減ってた気がします。
文化
住人と同じ文化を共有できない感覚もありました。
文化っていうと大げさですが、共通の話題にできるメディアのことです。
けっこうアクティブな人が多いので、リビングのテレビでよく流れてたのはサッカーとか映画とか恋愛リアリティショーとかが多かったんですよね。住人との飲み会には出ていたけれど、一緒にテレビを囲んでたのはスマブラの時ぐらいなんですよね。
僕は普段ゲームやったり文章を読んだりばっかりしてるので、イマイチ同じ文化を共有しきれていない感覚がありました。
住人として一緒に過ごすことはしていても、自分の持ってない文化に触れることが無く、興味を広げる機会を失っていた気がします。映画とかサッカーとか食わず嫌いせずに見てみても良かったのかな?って思ったり。ちょっと後悔してます。
別れ
恋人と別れたことも退去の理由です。
シェアハウスの外で付き合ってた恋人とお別れすることにして、持ち上がっていた同棲の話が無くなりました。飽きてもシェアハウスに住み続けていた理由として、同棲の準備を整えていたって事情もありますが、その理由も無くなってしまった次第です。
しばらく誰かと一緒に住む予定はなく、シェアハウスを出たら自宅をこんな風にしたい!こんなことしたい!という願望もたまっています。そんな事情で、心機一転シェアハウスをでて一人暮らしをすることにしました。
彼女募集中です。首都圏にお住まいの方、大らかな男がフリーです!!!
最後に
シェアハウスに住んで分かったこと
友人でも恋人でも家族でない、住人達とシェアハウスに住み続けた3年間は、かつてイメージしていたように良いものにできました。比較的安いコストで生活できて、上手くかみ合えばすぐ近くに遊び仲間がいる環境をつくれますし、恋人をつくって同棲した人だっています。アクションを起こす元気があればとても楽しい場にできると思います。
前の文章では「人間関係の構築を怠けた」と言いましたが、逆に言うなら孤立する自由だってあるってことです。感じ悪くなったり迷惑かけたりしなきゃ、自室にこもっていても大丈夫なんです。
多人数ゆえのストレスを受け流す図太さと、他人の地雷を踏みぬかない程度のデリカシーと清潔感があれば問題なく住めるでしょう。
シェアハウスでの生活を新しい形の家族、のようにとらえる向きもありましたが、僕はそうは思いません。
とにかく住人の入れ替わりが多く、全く同じ住人がいる状態は1~2ヶ月ほどしか続きません。チェーン店の限定メニュー並みに入れ替わります。一緒に住んでいる人とは仲を深めやすいですが、シェアハウスの場ありきの関係となりがちです。シェアハウスを出ても友人として交流を持つのは、また違った関係を積み上げる必要があるでしょう。
住人同士の関係では、いつシェアハウスを出ていって関係が切れるか分かりません。「同じ屋根の下で暮らす仲間」というよりは「たまたま相部屋の宿に泊まった人」という感覚の方が近いです。たとえ同じ建物で暮らしていても、家族という言葉の重みには遠く及ばないでしょう。良くも悪くもゆるやかな関係です。
そして、そのゆるやかさからくる自由は心地いいものでした。だからシェアハウスに3年も住んでました。
なんだかんだで社会をやれた、やっていく
あんまり器用に生きられず金もない26歳が、自力でラクに生き延びたい。転職先もおっかない気がする。そんな思いでシェアハウス生活をはじめ、転職先の会社で働き続け、そのまま3年が経ちました。もう29歳、言い逃れようのないアラサーです。
社会人としての生活は、大学生のころや転職したての頃にイメージしていたほど厳しいものではありませんでした。自分で思っていたより、この5年間の社会は僕に優しかったです。おっかなびっくりで入社した今の会社ですが、上司と同僚に恵まれたおかげで3年の間勤め続けています。引っ越した一人暮らしの物件だって、今の会社をしばらく続ける前提で選んでいます。
自分が上手く社会を泳げるようになったとまでは思いません。専門職だから、多少不器用なことをしてもお目こぼししてもらっているケースはそこそこあるんじゃないかと思います。
それでも、自力で生き延びたいという気持ちが職能や環境の変化への耐性をもたらしてくれました。いつのまにか、多少の困難は乗り越えられる自信がつきつつあります。
最後に、これからの僕について。
これからは、生き延びるという目標に隠れていた自分の願いや欲望と向き合う時だと考えています。ここ数年生き延びることを目標としていたのは正解でしたが、その代償として近視眼的になっていた節があります。30代なんてあるのかな?なんて嘯いていた大学生の頃の自分に言いたいです。30代はある。すぐ先に待ってます。
もう生き伸びることばかり考えなくても大丈夫でしょう。
ちょっと欲張って、人生を動かしていきます。
やっていきます。