殺戮幸子ＶＳ四天王編：０９

殺戮幸子ＶＳルートヴィヒ（回想戦）

聴こえずとも察しはつく、弱き者に問おう。
汝は……殺戮に飢えるか？

「私は、私は……これ以上殺めたくない！」
「あなただって、本当は壊したくないんだよ？」

聴こえずとも察しはつく、強き者に問おう。
汝は……慈愛に満ちるか？

「私は、私は……ＲｅＮの全てを愛してる」
「ＲｅＮのためなら、目の前のあなただって壊してみせる！」

月光　第一楽章
静かな殺気が辺りを支配する。殺戮のソナタだ。
ルートヴィヒが冥界のタクトで指揮し始めた。

（圧し潰されそうな音圧……。これが四天王ＴＯＰの音楽力）
（このままでは攻撃する前に屈してしまう……）
（ＲｅＮ、あなたは今、どこで何をしているの？）
（私の殺戮が、このままだと壊れちゃうよ……）

月光　第一楽章
聴覚を喪った音楽家の調べは、とても悲しく、とても冷静だった。
音圧を支配するルートヴィヒはタクトを振り
音楽を媒介にサチコを殺戮しようと目論む。
彼の音楽攻撃を形容するなら
美しく、悲しい調べ。形式はピアノソナタ。
鍵盤演奏者は誰なんだろう？　冥界の従者？

鼓膜を押さえて、武器を構えることが出来ない少女。
音圧にも押され、苦しい態勢が続く。
四天王ＴＯＰの、圧倒的な音楽力に屈する。
どこに正気の勝機を見出せば
殺戮を上回る殺戮を発揮することが？