電話、磯部 華東裕子編
深夜に掛かって来た電話依頼はこうだ。
もうすぐ引退するスマホゲームがあるので、名場面を余す所なく激写して欲しい、とのこと。
しかし、磯部にはゲームの知識も無ければ、名場面を切り取るセンスも無い。
とりあえず出来ることと言えば、正確で美麗な現像を依頼出来る写真館を割り出すことくらいか。
依頼者と会合することは難しいが、今回は拍子抜けするほど簡単に、了承が取れた。
依頼者の華東裕子(HIROKO HANAHIGASHI)さんは、ジモティーの十代。
ジャンプチヒーローズをヒロアカやハイキュー、ワンピ目当てで遊戯開始したそうだ。
飽きた訳じゃないけど、GB(ギガバイト)整理の候補に当アプリケーションの削除が検討されていると言う。磯部は純粋に思った。そのゲームデータを有償で譲って貰えないだろうか、と。磯部の万事屋は儲け主義では無いので、基本的に交通費は彼が払った。目的のイオンモールにタクシーが到着。試し現像をするために、映像のシルク前田町店の敷居をまたいだ。
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