水無月の爆撃作戦:02
CASE:01 宝井光男の場合
「彼は、アイドル・プロデュースに長けた男だ」
「それは知ってる。サンセット・ガールズで有名だわ」
獅童の説明に同意するサチコ。
「主題歌を作って貰うのは君なんだよ、サチコ」
「それなんですけど……。要ります? 主題歌」
もしも自分の主題歌と言われたら辞退するつもりだった?
「君等の大先輩に当たる、吹雪姓の戦士たちも」
「ヴァクマツの英雄たちにも主題歌があった?」
衝撃の事実! 確かに彼等の物語は伝承されているけど。
「それで、ReNはどうした? アイツも無関係ではないと言うのに」
「主題歌うんぬんの話になると、ますます同席してくれない気が……」
取り敢えず、サチコは雇われの身分、BOSSの決定は絶対だ。
それにしても吹雪姓の戦士(吹雪座)も後年に
主題歌を作って貰えたとは何という光栄なんだろう。
そういう意味では、自分の人生に主題歌が寄り添うことは
この上なく意義があるように思えていた。
宝井光男は海外在住と聞いている。サマーバケーションも向こうで生活か?
一か八か、リモート通話を試みるも
秘書らしき女性が通話の応対に出て、
宝井光男らしい人物とアポイントメントが取れずにいた。
宝井の秘書との連絡をまとめると、
日本国の徳島県に暮らす
音楽家ELICOに連絡すれば話の進展があるかも? とのこと。
渦中のELICOと言えば、2005年11月23日から
Blind Touchの中心人物として活躍した女性。
彼女の拠点が国内に限定できるなら
生け捕り可能なパーセンテージは上がっていく。
「宝井光男」→「ELICO」標的のスライド現象。
宝井光男の楽曲はカラオケで歌うこともあるが
Blind Touchは未踏の領域だった。
音楽アプリケーションのBlind Touchの画面にして
TOP SONGから聴き倒して行く。し、沁みるう。