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INSANE2 EPISODE:33

INSANE2 超重度の強迫神経症患者

ブロック問題もいつか書きたいとは思っているが
人生で初めて電話番号を変えて来たのは
懇意にしていた後輩患者だった。
後輩というのは年功序列で
仕事の上では彼のほうが先輩だった。

成人後に夜間学校に通っていたので、
無償で家庭教師、勉強を教えていた時期もある。
英語は彼のほうが堪能だったので
俺は数学を担当して、夏休みは読書感想文に力を貸した。
そんな至れり尽くせりの先輩利用者(患者)を
彼は突然、切り離した。
黄金週間(GW)目前に勉強のスケジュール調整しようと思っても
電話に出なくなった。何度か試している内に
「……コノ電話番号ハ現在オ使イニナレマセン……」
電話番号が変更されたことが確定するアナウンスに切り替わった。

遺恨の意味で、超重度の強迫神経症エピソードを書こうかとも思ったが
もう彼とは言葉を交わすこともないのだ。
負け犬の遠吠えのような書き込みで自己満足に浸ってどうする?
彼が強迫神経症だと知ったのは
職業斡旋の合同面接会の時だった。
彼は、何部もコピーした履歴書に、力強く「強迫神経症」と。
俺はパニック症だったが、当時、余り認知されていなかったので
広義の統合失調症と記載した。
合同面接会は緊張するが、千載一遇の好機を得る場でもあった。
惜しまれつつ亡くなった、超売れっ子の漫画家の話も
面接の前のアイスブレイクのつもりで、彼に振ったことを覚えている。
俺たちは事業所の利用者として、精神科の患者として
様々な情報を共有して生きている。
広義の強迫神経症は、ガスの元栓がどうしたとか
玄関の鍵がどうしたみたいなことを気にすることから始まるらしい。
典型的な確認主義。悪いことじゃないが度が過ぎると病んでしまう。
病んでいるから強迫神経症なのか。修復されない電話番号に着火!

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