HOT LUCKY DIE EARLY:13
第13話 自己感情を殺さないで
タムらタムこさんは、ウォーキングが好きな……
と、言うか自己節制が出来る女の子だった。
女の子と言っても、彼女の方が5歳年上。
既婚者で、必ず旦那さんから一報あった。
厳しい家庭に生まれ、精神疾患は其処に端を発する。
感情ARAWAに感動してくれたが
感情を殺せと躾けられて来たと言う。
何故、そんな躾が必要だったのか?
家族が勝手に動物を飼うことを嫌がった。
動物自体は好きだが
世話を押し付け合うさまが醜いと唾を吐く。
彼女は幽閉されていて、世話をすることが出来ない。
確か塗り絵が好きだった。
淡色好みで、動物のイラストに淡く着色。
彼女が持ち得た才能の一つだ。
楽曲披露の代わりに作品を譲り受けた。
食事は別々に食べた。吾輩はCANさまと一緒だった。
年末年始は煙草を吸わない者同士で集い
三十一文字(五・七・五・七・七)を詠んで遊んだ。
紅白歌合戦も一緒に観た。印象深い年の瀬の記憶。
節制していたので、売店使用は消極的で
小銭は電話代に使用しているようだった。
吾輩は結構な頻度で売店を利用。
0kcalの寒天各種販売は、神様の賜物か?
タムタムさんは吾輩より遅く入院して
早くに退院が決まったので長期入院者では無い。
楽しい思い出しか残っていない関係性だが
もう、二度と逢うことは無いだろう。