殺戮幸子VS四天王編:08
ReN VSヴォルフガング
「愉快愉快、実に愉快」「何がそんなに楽しんだよ?」
巻き髪を揺らして、ヴォルフガングが笑う。
「君たちは一蓮托生だ。しかし、一人ひとりだとどうだい?」
「俺は単騎でも、お前を打倒する!」
「血気盛んだねえ!」それでは行ってみようか。
アイネクライネナハトムジーク!
空間支配……ヴォルフガングに有利な空間が拡がる。
「ここでは、没した将の能力が使いたい放題なんだよ?」
(……と、言うことは、まさか……)
「そう、まさかの傀儡人形NeR攻撃の始まり!」
ヒマラヤ、カラコルム、ヒンドゥークシュ、連撃阻止!
ヒマラヤ、カラコルム、ヒンドゥークシュ、連撃阻止!
ヒマラヤ、カラコルム、ヒンドゥークシュ、連撃阻止!
ヒマラヤ、カラコルム、ヒンドゥークシュ、連撃阻止!
連撃の阻止は、身体が勝手に反応した。
必要最低限の体力消耗で、傀儡人形NeRの動きを止める。
「フフフ。将は、ひとりじゃなかったよお?」
はしゃぐように火球を作り上げるヴォルフガング。
火の鳥攻撃も電撃大帝ピョートルも交えながら、
次々と火球を放って来る敵将ヴォルフガング。
ストラヴィンスキーの三大バレエ攻撃だ。
連撃阻止の構えから、ピョートルの羽交い絞めを阻止するReN.
感電は辛うじて阻止できても、被弾は避けられなかった。
体力の消耗が加速する。
春の祭典攻撃が始まった辺りから、本当に自分は単騎だと悟る。
(クソッ、何てチート能力なんだ)。
(一瞬の隙もねえ。まさか二将の再現なんて……)。
格闘モノで自己の能力のコピーもあなどれないが
猛者たちの能力のコピーもそれ以上に危険だ。
こんな時、サチコは一体、どこで何を?
まさか、敵の大将と、一騎討ちじゃないだろうな?