B@CK HΦME S3:15
Written by:PARMA&PARCO
Ghost Late? Go Straight!
ゴースト・レイト? ゴー・ストレート!
主「彩原六花 Rikka Saibara」
従「黄泉一労 Ichirou Yomi」
作品名「結晶華」
作品登場人物
女子「蕾美 咲良 Sara Tsubomi」
男子「枝野志那莉 Shinari Edano」
彩原六花所属のアイドルグループ「Intelli Angel」
Intelli Angelデビュー曲「Mist Water」
出版社「安土桃山文庫」
四流編集者「亀井騒子 Souko Kamei」
一流編集者「三井治虫 Osamu Mitsui」
『Ghost Late』
本文:羞恥など、微塵も感じない。幽霊作家は、生きる為の仮の姿だ。
書くことに執着すれば、俺は必ず、月明かりの暗室から、
太陽の光を呼び込む革命の朝を、堂々と受け容れることができるはず!
前へ進め! 決して振り返るな! 後ろには描く夢など無いのだから……。
『Ghost Late』
本文:彩原六花の実力は本物だ。
三井治虫さんの編集力も後押しして、メキメキと表現を開花させている。
俺は赤で明確なAfterを刺さないと、
亀井騒子さんから歩合を上乗せして貰えないだろう。
気持ちばかりが焦る。褪せた両足が歩みを鈍らせる……。
『結晶華』
作中本文:捜している「結晶華」はお前だよ、お前自身だ。
お前の心に咲き誇る、気高く、清らかで、美しい華が、
人々を魅了して止まないんだ。
誰よりも一番傍で、一握の水に成りたい。
そのしなやかな茎を潤す、希望の水に!
『結晶華』
作中本文:信じるんじゃない! 疑わないこと……。
その真意が今、心に沁み渡った気がする。
ハートマークで具現化される「ココロ」という私の核が、
より赤く、鮮明に、丸みを帯びて希望を脈打つ。
ポケットにある右手を、すぐ傍にあるその左手と、
仲睦まじく結びたくなる、
愛おしい感情に支配される。
36.7℃の手の平が、意を決した様に、
紺のダッフルコートの穴蔵からゆっくりと、その顔を覗かせた。
『結晶華』
作中本文:「結晶華」は眩い虹色で充足してくれていたらいい!
場合によっては、絶対的な黄金だったり、抱く感情によっては、紺碧?
深紅の日もあるかもしれない。瞳のレンズで捉える花弁は美しい。
心のレンズで捉える花弁も同じことがいえるだろう。
胸の中心で手の平を重ね、瞳を閉じて、深呼吸。
……ああ、咲いている。
この花弁の美しさを隣人に伝えるには、千の言葉で足りるのか?
瞼を開き、天井を見遣り、長い長い夜の静寂の中に溶けた。
晴子「粗削りではあるけど、異彩を放つ原稿だよね?」
春馬「劇中劇に苦労しそうな作品だ。完全版は遥か彼方に思えるよ」
晴子「凡庸な幽霊作家の気持ちに浸れるかしら?」
春馬「理由があって肩書背負ってるんだろうけど、魂は燻るよな」
晴子「アタシたちは基本的に二馬力。枯渇することは考えてない」
春馬「アイデアは貪欲に可視化していこうぜ。未来にきっと役立つから」
晴子「黄泉一労と彩原六花の、真剣な執筆談義を編み込みたいね」
春馬「アマチュアは不本意だけど、時間だけはどこまでも無限だ」
晴子「制約が少ない今の環境で自由に羽ばたいていこうよ?」
春馬「不自由と嘆いている、自由があるこの国の中で、か」