私の最後の先生 十三話
十三話 「故障」
sex offender side
ふはは・・・・・・。やってやった!やってやったぞ!ああ、本当にここまで長かった!初めて彼女を見たのは2年前、俺が顧問をしている陸上部にやってきた彼女。華奢な見た目に反してふんわりとした胸。しっかりしているが女特有の柔い太もも。水やガラスも比にならないような透き通る声。本当に愛らしい。
美味しそうだ。と思った。同時に俺だけが食いたいとも思った。
俺の愛は、そうじゃないと表せないから。だからここまで、どれだけの時間をかけたか。少し計画は狂ったが支障はない。
ああ・・・・・・。思い出すだけで震える。水がどんどんどんどん濁って重くなって異物が混じっていくような気分。声が段々と俺好みに加工されていく。乱れ、歪んで美しくなっていく顔。
・・・・・・今まで喰ってきたどの娘よりも一番美しい・・・・・・俺の神田栞。ふふ、あはは・・・・・・あははははっははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!
class committee side
「ねえ、戸部さん。」
「・・・・・・何。」
私は「ある計画」を立てた。この計画には少なからず戸部さんの協力が必要だった。
「単刀直入に言うと、佐野先生にされたこと、ここで全部さらけ出して。」
「・・・・・・・・・・あんた、気は確かなの?」
「確かに気になってる。貴女が今までされたこと。」
「いや、皮肉なんだけど・・・・・・・。」
「言えないの?」
「い、言えるわけない。少なからず、あんたも被害者なんでしょ。同じ痛みが理解っているんだから配慮してよ。」
「知ってる。でもどうしても知る必要があるの。」
「はあ!?なんでよ。」
「なんでって言われても・・・。」
すると、戸部さんは怒りをあらわにしたように見えた。
「おかしいんじゃないのあんた!人のトラウマ掘り起こして、何がしたい訳!?もういい加減にしろよ!」
私は静かに荒波を立てるように言った。
「・・・佐野先生を教師で居られないように私が教えるつもり。って言ったら・・・・・・・どうするの?」
「・・・・・・あんた、本当はクレイジーな化け物なんじゃないの。」
「・・・・・・・・・視る目があるんだね。」
その後、戸部さんは話してくれた。時々ゲロをぶちまけながら。
最初は彼女もいじめに乗り気だったが、段々と過激ないじめにエスカレートしていく様を見て違和感と恐怖感を覚えたらしい。
「良かったね。手遅れになる前で。」
「病人みたいに思われてる?私。」
「いじめの加害者なんてみんな病人だよ。誰かを陥れるしか脳のない人間。下手したら私よりクレイジーな化け物なんじゃない?」
これでピースは揃った。あとは行動に移すだけ。
「あ、夕焼け放送。」
「私、これから塾じゃん。またね、神田さん。」
「うん。」
――――――――――――さて。先生に殺されに行くか。