私の最期の先生 特別編

「先生。今日はエイプリルフールですね。」「ああ、そうだな。というか、時期的にいま春休みなんじゃ・・・・・・?」「それは言わない約束です。」「・・・・・・。で?何か嘘ついてきたか?」「いいえ?」「・・・・・・じゃあ、俺が小さい頃についた嘘教えてやる。」「はあ・・・・・・・」

◇ 確か、俺が小学生くらいのときだったか。俺その時髪が顎下まであったからよく女性に間違えられてたんだよ。だから、エイプリルフールに女性の格好をして街を歩こうと思って、それで「かわいい」って言われたら成功っていう計画を立てたんだよ。
そして来たエイプリルフールの日、俺は姉ちゃんの服を借りて近くのコンビニまで行ったんだ。だけど、道中で大雨が降ってきて服がびしょびしょになって、その後すぐでかい水たまりにダイブするみたいにコケたんだよ。家に帰ったら姉ちゃんにこっぴどく叱られた。

◇「っていう話だ。あのときの姉ちゃん、顔面が仁王像レベルで怖かったな・・・・・・。」「・・・・・・えっ?」「なんだよ?」「先生、お姉さんがいたんですか?」「・・・・・・・・・・・・いや、この話全部嘘だから。」「・・・・・・はい?」「いや、姉ちゃんがいるのはマジだけど、それ以外は全部嘘。」「・・・・・・。」「・・・騙されてやんの。」

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