私の最期の先生 初期のままの場合

いわゆるifストーリーですね。名前も少し変わっています。もう自分の好み満載ですが、どうぞ最後まで読んで下さいね。↓↓↓↓



もう、もう耐えられない。私はそれしか考えれなかった。
「うわ、また八尺ぶりっ子女来た。」
うるせぇよ。
「身長高い癖に上目遣いすんな。」
してねぇし。
「反省したらどうなの~?人の男に色目使わないで?」
勘違いにも程があるだろ。
死んでくれ。頼むから、私の毎日から消えてくれ。いなくなれ。くたばれ。死ね、死ね死ね死ね死ね死ね!!!!!

まさかああいう風に私の願いが叶うとは思わなかった。

いじめられるきっかけは、あいつらの勘違いだ。あいつらの主張は、
「中島がユカリの彼氏にぶりっ子してる。」
本当に下らない。そもそも、色目使ったの向こうだし。
それから、あれよあれよといじめが始まった。
最初は机に
「中島まどかはずるい女」
「尻軽」
「くたばって死ね」
などの落書きから始まり、物を隠され鞄を盗まれ暴力を振るわれ。いじめのテンプレートだとずっと流していたが、ある時、
「おい中島。」
「…………!」
数人の男子学生に囲まれ、私は暴行された。センシティブな方で。
私はあの時を鮮明に覚えている。制服と鞄の中の教科書以外のものを殆ど奪われ、壊された。幸い性病には至らなかったが、一歩間違えれば人生が終わっていた。
何で?何でこうなるの?私はもう、生きていてなにが楽しいの?わからない……。
「……さん。」
「え?」
「中島まどかさん。」
「うわぁ!!!」
我に返ると、目の前にイケメンが居た。あれ、でも何でこの人、私の名前を知っているんだ?
「どうして私が、貴女の名前を知っているのか。答えましょうか?」
「……?はい。」
「簡単な話です。私は中島さんの通う高校のスクールカウンセラーですからね。生徒の名前と顔は覚えないといけませんから。」
「…………………………ざけんな。」
「どうしました?」
「ふざけんなっつってんだよ!この無能カウンセラー!仕事しろやぼけぇ!」
「……おや。私は私なりに仕事をしたつもりですが……?」
話が通じない。もう帰ろうとベンチを立った。

「中島まどかさん。私なら、貴女の力になれますよ。」

「……は?急に何。」
「もしお困りごとがあるなら、三階の第四教室に来てください。何でも解決致しますよ。」
「……いい人ぶってんじゃねーよ。今さら。」
きめーんだよ。バーカ。

でも、今あいつ『何でも』って言った?

「やっぱり来ましたか。中島さん。」
ほんの少しの期待を込めて、私は今、第四教室にいる。
「それで、ご用件は。」
「…………三島ゆかり、長谷川薫、田口紗耶を殺して欲しいです。」
「…………ほう。」
随分バカな頼み。さっきから、私の心臓と珈琲の匂いがうるさい。
「どうして?」
え……?聞いて、くれるの……?
「何で……。」
「?」
「どうしてこんなバカな頼み、聞こうと思うんですか?」
「え?何でって……、
何でもすると言ったからではないですか。」
今の言葉に冗談は微塵も感じなかった。感じたのは恐怖だけだった。

「速報です。○○地区の河川敷で、性別不明の死体が三体発見されました。警察は、行方不明になっていた三島ゆかりさん、長谷川薫さん、田口紗耶さんの死体と見て捜査を進めています。」
「○○市の河川敷にて性別不明死体。行方不明の女子高生か?」
信じられない。本当に、本当に死んでいる!
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ!!!!!!!!
そうだ、あの先生にお礼を言わないと。
浮かれた気持ちで三階の第四教室に向かった。
「あのっ、先生!!」
「…………。」
「あの、本当に本当にありがとうございます!言葉に出来ないくらい、嬉しいです……!」
「それは良かった。私も、貴女の笑顔が見れて良かった。」
私に向けられたその笑顔は、口は笑っていたがそれ以外は笑っていなかった。
「実は私からも、お願いがあるのです。」
「何ですか?」
「中島まどかさん。貴女を私に下さい。」

………………………………………………………………は?

「私の欲望が叶うなら、私は貴女を愛して、愛すあまり二人ともおかしくなって、貴女を乱して閉じ込めてぐっちゃぐちゃにしてまた愛したいんです。」

「……え……?」
「私は貴女のバカな頼みを聞きました。だから私のバカな頼みを聞くのは筋と言うものです。おや?どうしたのですか?」
「嫌……。いや、です。」
「嫌……ですか。折角殺したのに?残念ながら拒否権はありません。」
「先生と生徒なんて、許されませんよ!」
「……。」
怖い。私を見下ろす目が痛い。
「少し怖かったですか?ごめんなさい。痛いことをするつもりは最初からありません。ただ単純に、私のために生きる貴女を見たいだけです。」
「……お、大声を、出しますよ……!」
「大声を出す前に私がその口を塞ぎます。」
「どうやって?」
「こうやってです。」
刹那、私は先生に口を塞がれた。先生の口で。
いわゆるキスだが、今私がされているキスは恋人同士の甘くて優しいキスではない。一方的な支配だ。でもどこか官能的で抵抗が出来ない。
……?
「キスを期待していましたか?」
「……あれ?」
「私が今したことは、貴女に顔を近づけただけですよ。」
「!!??」
「ちなみに唇に触れたのは私の指です。」
「!!!???」
「ふふふ。だから貴女は本当に可愛い。それで、貴女は首を縦に振ってくれますか?」
「……………………。」
「ありがとうございます。」
こうして私は、半ば強制的に先生のものになった。

「お礼に、本当に口づけしましょうか?」
「け、結構です。」
「おや、私はそこにある珈琲のカップのことを言ったのですが……。」



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