ファン感謝囲碁まつりに参加した感想
9/24にファン感謝囲碁まつりが行われ、私も参加させていただきました。休憩時間に2階大ホールでいろいろな企画が行われていたのですが、私個人として色々思うところがありましたので、軽くまとめようと思います(とか言いながら絶対長くなると思います。自分の悪い癖です)
X(旧Twitter)では140字の厳しい字数制限が設けられているので、字数無制限のnoteを使おうと思った次第であります。ちなみにX(旧Twitter)って表現はいつまで続くのでしょうか。今年の流行語大賞にノミネートされると思っています。
なおこの記事は、今回の囲碁まつりについて称賛することもなく批判することもなく、単なるメモのつもりで書いてます。いわゆる感想文ですね。なので、こちらから宣伝することはありません。
次回の囲碁まつりの開催日がいつになるかわかりませんが、その時にこのメモを見返せば何か得られるものがあるのではないかと思って、今書いてます。リマインダーもしませんので、忘れてたらドンマイです(絶対忘れます)
長々としゃべってもどうしようもないのでさっそく本題に行きましょう。
名刺
ファン感謝のオリジナル名刺を作成したという点は非常に良いものだったと思う。棋士としては、ファンと交流する機会、そして自分の名前を知ってもらう機会が増えるので嬉しいし、ファンにとっても棋士の名刺を1日で沢山貰う機会はあまりないので、お互いwinwinだったのではないだろうか。
大ホールのイベント
午前の指導碁を終えた後、2階の囲碁教室の部屋(大ホールの隣の部屋)で昼食休憩を取っていたのだが、大ホールのイベントの内容が気になりすぎて食事どころではなくなった。
目数計算企画
私は指導碁中だったので直接見ることはできなかったが、一番最初に目数計算の企画があったらしい。ほんの少しだけ画像を見せてもらったが、視聴者にとっては難しいものだったのではないだろうか。と思うが、直接見ていないのにあーだこーだ言ってもどうしようもないのでここは割愛。
(運営のミスで1問失題があったという情報だけ聞きました。まあたまにはそんなのも良いでしょう)
対局者名と棋戦名を当てる企画
まず、対局者名と棋戦名を当てる企画があった(これが2つ目の企画なのかな?)。これは、囲碁の棋譜が初手から再生され、対局者名と棋戦名が分かった段階で早押しするという企画。私は途中から一緒に考えてみることにしたが、正直ほとんどの問題が分からなかった。むしろ答えた先生方がすごいな、と感心したのである。
だがこれらの問題、視聴者の方々は分かったのだろうか・・・。私が棋譜を知らなすぎる、勉強不足と言われればおしまいではあるのだが、特別最近の棋譜を集めたというわけでもなく、特に柳先生と羽根先生の天元戦の碁なんて2001年の碁であり、私が生まれた年だ。正解した孫先生が異次元であると捉えた方が良いレベルなのではないか。
すなわち、あくまで視聴者サイドからすれば10人のプロの記憶、知識を鑑賞する企画になっていたと考えた方が良い。
次の一手企画
次のコーナーは、次の一手企画というものであった。これは、ある有名な局面が出され、次の一手がどこに打たれたかを当てるというもの。結論から言うとこれも観賞用だったと思う。
ちなみにこちらの方が、私は分かる問題が多かった。特に、例題として出された耳赤の一手などは有名な一手であり、囲碁ファンなら知っている方もいたであろう。参加者も、QRを読み取ることで棋士と一緒に問題を解くことができるという企画だったので、観賞用ではなく参加型ではないかという意見も理解できる。
だが、これもあまり囲碁を知らない人からすれば観賞用である。悪い言い方をすれば歴史クイズだ。日本史や世界史マニアが集まって、歴史のクイズの早押しをしているのと本質はあまり変わらないように思える。歴史の授業が小学生の頃から大嫌いだった私からすれば、この企画は見るに堪えない。
(この記事を書いてる途中で気づいたが、棋士名と棋戦名を当てる企画も歴史クイズであった)
逆に、私が毎年TVにかじりついて見ているプロ野球の話に置き換えると、「2009年のwbc決勝で、延長10回に決勝タイムリーを打ったのは誰?」みたいなものであろうか。あるいは、「2017年にDenaが三者連続ホームランでサヨナラ勝ちしたときの打者3人は誰?」「2015年の阪神vs広島戦で、打球がフェンスを超えたにもかかわらず超えていないと判定され、本塁打を打ったはずが3塁打となり、幻のホームランと呼ばれた試合で、3塁打を打った打者は誰?」みたいな。
今例に出した3つは認知度が高い順に並べているが、野球をあまり見たことがない方からすれば1問目からわからない人も多いだろう。また、3問目はよほどプロ野球に詳しい人かカープファンのどちらかしか答えられない問題である。
このような問題は、野球ファン以外からすればなんじゃそりゃな話である。
※【囲碁まつりなんだから囲碁のファンが集まっているのを前提としてるのでは?という反論が出てくると思うので、これについてはまた後に書く】
お絵描き企画
最後はお絵描き企画だ。単純に2人がお題の絵を描き、よりお題に近い方が勝利という企画。運営サイドがどのような意図でこの企画を出したのかはわからないが、私はこの企画が最も面白く、最も良いものであると思った。
まず、囲碁の前提知識が全く必要でない。その為、囲碁を全く知らない人が見ても楽しめるものである。
次に、前2つと違って視聴者参加型だったのである。勝敗の決定方法は観客の拍手。つまり観客も絵に注目する。
最後に、普段囲碁ばっかりやっているイメージのある棋士が、ただ絵を描いているというその事実が何よりも面白かった。特に最後の高尾先生vs河野臨先生のお絵描き対決は非常に見ごたえのあるものであったし、私も「囲碁では全く歯が立たないけど絵なら・・・」と思ってしまった。
なんとなくだが、私は観客の盛り上がり度が最も大きかったのはお絵描きだったのではないかと思っている。そしてそれが本来そうであるべきなのかもしれない。ここからは囲碁の見せ方の話になってくる。もう既にかなり上から目線だが、ここから更に拍車がかかること間違いなしだ(とはいえ勿論気を付けます)
感謝祭とは?
私はオールスター感謝祭というTBSの番組を見たことがあるのだが、一番の目玉企画と言えるのはおそらくマラソンであろう。その他にも過去の放送回では、水谷・福原と芸能人の卓球対決、重圧アーチェリー、ディズニークイズ、演技している俳優を見抜くクイズ、一流芸人は女優を笑わせられるのか?など、色々な企画がある。もちろんこの中には、普段芸人や俳優などが披露しているスキルが試される企画もあるが、目玉企画である「マラソン」に関しては参加者の全員が素人である。素人が赤坂の周りをぐるぐる走り回ってるのが大人気なのである。ファンってそういうものなのではないか。「え、伊沢拓司走ってんじゃんおもろw」とか、推しの女優が頑張ってる姿をみてTVの前で応援するとか、そういうのが魅力的なのである。そしてそれが、1年に何回やるかわからないファン感謝祭という舞台であるからこそ面白く感じられるのだと思う。
もう1つの例で広島カープの感謝祭の例をあげると、昨年はパワプロ、ゲーム、お題クリア、トークなどであった。もはや野球全く関係ないものばっかりである。でもそういう企画だからこそ、野球選手の新たな一面を見ることができる。
また、ヤクルトスワローズのファン感謝デーがなければ、西浦直亨選手があんな歌唱力(笑)の持ち主だったことは知られなかったであろう。気になった方は是非Youtubeで【西浦直亨 歌】と検索してください。
『※【囲碁祭りなんだから囲碁のファンが集まっているのを前提としてるのでは?という反論が出てくると思うので、これについてはまた後に書く】』
そういえばこれの存在をすっかり忘れてたので補足しておくと、囲碁のファンが集まるのを前提としたまつりは、「新規のお客さんは入ってもあまり面白くないかもよ」って言ってるのとあまり変わらないような気がする。これから囲碁を広めていかなければならない時期なのに、身内だけが盛り上がるような企画を集めるのは普及の足枷になるように感じる。
来年個人的にあったら面白そうな企画
私が可能な限りファン目線に立ってみて色々企画を考えてみたが、これも単なる私の意見である。
なので他のファンの方々からすれば「そんなわけないだろ」という企画もあるかもしれないが、あくまでメモ用なのでご容赦いただきたい。
そもそもの大前提として、視聴者にもメリットがある企画であることが望ましいと考えている。今回のイベントで唯一物申すとすれば、視聴者プレゼントのようなものがあったのだろうか・・・というところである。もし私が知らない間にあったのだとしたらごめんなさい。
例としてまたまた悪い言い方をすると、なぜ馬が走ってるのを見るだけで人々があんなに熱狂するのかというと当てたらお金がもらえるからである。
すなわち、視聴者が予想を当てるとメリットがあるようなシステムにした方が盛り上がるのではないかと考えている。外したらお金を失う競馬と違ってデメリットなしでも良いのだから、やらない手はないだろう。
ではここから、いくつか企画の候補を挙げてみる。
囲碁クイズ
結局囲碁やんけ!となったかもしれないが、まあ1つくらいはガッツリ囲碁のコーナーがあっても良いかも。なるべく前提知識では解けないクイズにした方が良い。そしてこれは一気に視聴者参加型に持っていける。例えば「芝野虎丸名人は日本棋院、関西棋院の全棋士の中で、あいうえお順にすると何番目?」とか、「2023年1-12月の公式手合のうち、半目勝ちの碁は全体の何%?」などは、囲碁の知識がいくらあったとしても解けないが、なんとなくの予想はできる問題である。
会場内にいる方全員が参加し(もちろん棋士も)、一番解答に近い方にプレゼント。
ここからは囲碁がほんの少ししか入っていない企画である。
囲碁大喜利
囲碁大喜利は是非見たいものである。これは囲碁ほんの少しでも知っている人であれば楽しめるくらいのお題があると良いだろう。例えば、「(負けました)の後にひと言添えて、相手をムカつかせてください」とか、「立会人が思わず勝ちにしてしまった、名人の超絶ファインプレーとは?」とか、「隣に座ってる人、実は囲碁棋士なのでは?なぜそう思った?」などなど。囲碁の前提知識は(一切とまではいかないものの)ほとんど要らないので、視聴者も楽しめるであろう。
そして、例えば3チームに分けて、2チーム同士で大喜利対決、1本を決める審判は残った1チーム。これを3回やって総獲得本数の多いチームの勝ち。勝利チーム予想を視聴者がやる。
借り物競争
マラソンのように大がかりな企画は当然できないが、借り物競争くらいならできるのではないか。30分間だけ一般の方の階段を使用禁止にして(移動はEVのみ)、2つ階段があるので2チームに分かれて1階から8階まで登り、8階で借り物して2階の大ホールに戻ってくるくらいならできるはず。
これも3チームに分け、チームの中から代表者2名が参加。全部で3回戦するので、勝ちチームの予想クイズを視聴者がやる。3すくみになる可能性もあるので、それも予想の候補にもちろん入れる。
お絵描き
続けてほしい。個人的に棋士が描いた絵を見るのはすごい好きである。普段絵に全く興味がないし、美術館に全く行こうとも思わないくせに、である。
理由は言語化できないが、意外とそういうものなのかなと思う。
3チームの代表者1名ずつが絵を描いて、観客の拍手で1番を決め、ポイントを争い、一番多いチームの勝ち。勝ちチーム予想クイズを視聴者がやる。
早食い
代表者1名ずつ計3名が早食いするだけ。は?と思うかもしれないが、なんか見てみたくなる。しかも、この企画は代表者以外は完全に応援団となるはずなので、1人食べてるところに向かって複数名がゲキ飛ばしたりヤジ飛ばしたりしているのが想像するだけで面白い。(大変かもしれないが、弁当が囲碁のイラスト入っていたり碁盤と碁石の形の食べ物があったりすると、囲碁っぽい)
それか、チーム全員の早食いリレーでも良いかもしれない。さっきまで応援してた人が急に食べる側になったり、食べ終わった瞬間応援団になったりするところとか、すごく見てみたい。
3チームの代表者1名ずつで早食い。早く食べた人(チーム)の勝ち。勝ちチーム予想クイズを視聴者がやる。
他にもあるかもしれないが、ざっと考えた結果こんな感じになった。
3チームに分けることによって、残った1チームを審判役や回し役に持っていけるので、それなりにメリットはあると思う。
そして、視聴者の方の中で全問正解or1ミスされた方には豪華特典が用意されているようなシステムにすれば、前のめりになって盛り上がるのではないかと思う。
何より大事なのは、囲碁を全く知らない人でも楽しめるくらいの企画があると良い。
借り物競争、お絵描き、早食いとかなら、囲碁や囲碁棋士全く知らない人からしても、「あの人早食いできそう」とか「絵下手そう」とかの予測ができるので少しは前のめりに楽しんでいただけるような気がする。最後の企画に囲碁大喜利を持ってきて、少しだけ囲碁の知識や囲碁あるあるを手に入れて帰っていただければ満点なのではないか。
ファン感謝囲碁まつりなのだから囲碁しかやってはいけない、というものではないと私は考えており、こういう祭りだからこそ、棋士の魅力を別角度から伝える格好の舞台でもあると考えている。
最後に
長文をお読みいただきありがとうございました。繰り返しますがあくまでメモ用なので、書き言葉として相応しくない表現もあったかもしれませんがお許しください。とても楽しかったので、次回のファン感謝囲碁まつりも参加しようと思います。
なお、大ホールのイベントは途中からしか観れていないので、私の知らない間に他にもイベントがあったかもしれませんが、それは割愛させていただきます。