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巡礼の旅-日本橋七福神巡り つづき
日本橋七福神巡りをしている。
このあたりで一休みしようか。
日本橋七福神が祀られているのは、日本橋人形町と呼ばれているエリア。江戸時代から続く老舗店や伝統工芸店が数多く広がっている。
その中で選んだお店は、甘味処 初音。
創業は江戸時代の天保8年…つまり、徳川12代将軍に家慶が就任し、大塩平八郎の乱が起きた年に創業したというわけ。
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被災中心地だった関東大震災や東京大空襲、
そして日比谷線開通の一時立ち退き等を
乗り越えて、今も同じ場所で創業されている。
これってすごいことよ‼︎
いただいたのはあんみつ。
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つやっつやでしっかりとした甘さのこし餡の下には、これまたつやっつやの寒天とほどよい塩味の赤えんどう豆がかくれている。
やわやわな求肥と対をなしているのがぷるもちの白玉。
とにかくいろいろな食感が口の中を楽しませてくれ、しっかりとした甘さが心を緩ませてくれる。幸せすぎるー。
人形町ではお土産も購入。
とうふの双葉にて。
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明治40年創業。
もともとは深川で店を構えたが、
戦後昭和23年に人形町に移転した。
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焼いて煮てとどんな料理にしてもおいしい。
鶏肉専門店 鳥忠にて。
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明治44年鶏肉卸専門店として創業。
人形町は鶏肉専門店がひしめき合っている。
鶏肉好きとしてはたまらない町だ。
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わたしは焼鳥を必ず買う。
寄り道しすぎた。
七福神巡りを続けよう。
●末廣神社(毘沙門天)
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倉稲魂命(ウガノミタマノミコト)
武甕槌命(タケミカヅチノミコ)
鎮座は今から400年以上前の1596年と伝えられている。吉原遊郭が浅草寺裏に移る以前の元吉原の総鎮守社として篤く信仰されてきたという。
小さい境内ながらもたくさんの御利益をいただける場所となっている。
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女性と子供の守り神として、
また徳を高める神として崇敬されている。
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お盆の上に金銭を置き、
「いや、すえひろがり」と唱え財を使えば
徳運が広がり貯まるという。
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江戸時代このあたりには火消屋敷があり防災を
担っていた火消し達の信仰が厚かったという。
火消しの「いろは組」の石碑が神社に奉納され
現存しているのは珍しいとのこと。
七福神 毘沙門天は御開帳されていた。
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勝運向上が有名だが、疫病鎮めの信仰も
集めたことから病気平癒はもちろん、
厄除け、財運向上、福徳繁栄など
様々な御神徳がある。
かわいい親しみのある毘沙門天の姿だった。
厳しさの中にも愛ある姿に手を合わせる。
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●笠間稲荷神社(寿老人)
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倉稲魂命(ウガノミタマノミコト)
日本三大稲荷のひとつ茨城県・笠間稲荷神社から御分霊を笠間藩主牧野家の江戸下屋敷に奉斎したのが始まり。
日本橋魚河岸の守り神として、五穀・水産・殖産興業の守護神として商人庶民問わず広く信仰を集めたという。
ここでも寿老人の姿は拝めず。
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●椙森神社(恵比寿神)
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五社稲荷大神
(倉稲魂尊、素戔嗚尊、神大市比売、
大巳貴大神、四大神)
平安時代、平将門の乱を鎮定するため下野国(栃木県)の土豪 藤原秀郷が戦勝祈願をしたところだったのがはじまり。
室町中期には、江戸城の太田道灌が雨乞い祈願のために京都 伏見稲荷の伍社の神を勧請して厚く信仰し、その後江戸三森(烏森・柳森・椙森)の神社のひとつに数えられ、江戸庶民の信仰を集めたという。
七福神 恵比寿神は光に照らされて鎮座されていた。
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金運、商売繁盛、出世、福徳繁栄
を授けてくださる。
手を合わせたあと、ふと左側に目を向けると富塚があった。
宝くじの元祖と言われている江戸庶民の楽しみであった富くじが興行されていた場所だったことを記した碑である。
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日本唯一の碑だという。
一獲千金を夢見る宝くじ購入者が祈願をしていく。
ここは訪れただけで豊かになれたような気持ちにさせてくれる場所だった。そう気持ちをもっていかせることで夢に近づけるようになるのかもしれないね。
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ここで日本橋七福神巡りが満願。
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今年は混雑緩和のため、色紙は七社押印済みの揃いの色紙を1社から授与していただくかたちだった。なんだかさみしいが仕方ない。巡って手を合わせることが大事だからね。
かつては武家屋敷が立ち並び、その屋敷内で祀られていた神社を江戸庶民たちに参拝を許していた情の深さが、現在の日本橋七福神巡りをつくったかと思うと優しさに包まれているなーと心が温かくなる。庶民の信仰が厚かっただけあり、日頃の生活に感謝し豊かな日々が送れるよう皆の思いが詰まっているのもよかった。
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寄り道 ●出世稲荷
日本橋七福神巡りが終わったあと必ず立ち寄る神社がある。
そのうちのひとつが出世稲荷。マンションの自転車置き場の奥にひっそり佇む神社。
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倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)
江戸時代の歌舞伎役者 初代市川團十郎が、日参して祈願し名を上げたことから、出世稲荷と呼ばれている。
そうか。毎年参拝をしているから、年々仕事がハードになってくるのか。御利益だと思い、前向きに仕事に取り組むか。
寄り道 ●宝田恵比寿神社
かつては椙森神社の恵比寿神とともに日本橋七福神巡りにも含まれていた神社。いつのまにか外れてしまっていたが、八社巡りとして必ず立ち寄ることにしている。
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事代主神(コトシロヌシ)
少彦名命(スクナビコナ)
大己貴命(オオナムチ)
素盞鳴尊(スサノオ)
倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)
東京名産 べったら漬けの由来となっているべったら市がひらかれる神社として有名。
徳川家康江戸入府以前は宝田村(東京駅付近)の鎮守社だったが、江戸城拡張により村の移転を命ぜられ現大伝馬町へ遷座。その後金銀為替、駅伝、水陸運輸と重要な役割を担い場所となり大変賑わうようになったという。
御神体の恵比寿神は運慶作と伝えられ、徳川家康から下賜されたもだというから興味深い。
これでわたしの日本橋御利益巡りはおしまい。
無事満願したのでいつも気になっていたお店で乾杯を。
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ピッツェリア イル タンブレッロ
薪窯でピザを焼く。
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本格ナポリピザをいただく。
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寒空のもとで冷え切ってしまった体にあつあつのピザは幸せを運んでくれた。
あーー。心も体もおなかもぬっくぬくだよ。
さて。次はどこへ向かおうか。
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