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浅草公会堂の一日が、私の人生を変えた話

演歌の大物歌手との出会い

大学生の頃のお話です。

友人に誘われ、とある大物演歌歌手のコンサートでアルバイトをすることになりました。
役割は「チケットもぎり」と「コンサート中、後ろのドアを見張る」という簡単なものでした。
当時20歳の私は、タダで有名人が見られることに興奮しつつも、「嵐やSMAPの方が良かったな〜」なんて軽い気持ちで臨んでいました。

会場は浅草公会堂。
当日、たくさんのシニア層のお客様が訪れ、少し緊張しながらもチケットもぎりをこなしました。
空き時間には、気楽な気持ちでプラプラしていました。ところが、このコンサートが私の人生観を大きく変える出来事になるとは、その時は想像もしていませんでした。

思い出深い場所。浅草公会堂



大物歌手の魅力に圧倒される

その大物演歌歌手は、当時20歳の私でも名前を知っているほどの著名な方でした。
彼の歌唱力や観客を盛り上げる力、そしてトーク力の素晴らしさには本当に驚きました!

しかし、それ以上に感動したのは、お客様や周囲への配慮と気遣いの深さでした。

コンサートでは、彼のお弟子さんたちがまずステージで歌を披露しました。その時、お客様の多くはお弟子さんたちにあまり興味がなさそうでした。

しかし、大物歌手がその都度ステージに登場し、「この子は本当に努力家で素晴らしい歌い手なんです!どうか応援してあげてください!」と熱心に紹介されると、会場の空気が一変しました。

最初は静かだった観客たちが、次第にお弟子さんたちに声援を送り始めたのです。

そして、コンサート終了後のロビーでは、そのお弟子さんに長蛇の列ができていました。
「応援しているよ!」というお客様の声が飛び交い、見ている私まで胸が熱くなりました。

数年後、そのお弟子さんの一人が紅白歌合戦に出場する姿をテレビで見た時は、感動のあまり泣いてしまいました。

いつの間にか私も応援していたという



心に残る「感謝」の教え

もう一つ、心に深く刻まれたのは、その大物歌手がコンサート中に何度も繰り返した「感謝」の言葉です。

「ありがとうございます!感謝です!」と、どんな場面でも真摯に口にされていました。

そして、「人生とは何かを考えた時、最終的には感謝に行き着く」と語られたのです。

当時20歳の私には、「そうなんだ〜」と軽く受け止めるしかできませんでしたが、今振り返ると、その言葉の意味が痛いほど分かります。特に社会人になり、さまざまな人に支えられて生きていることを実感するたび、その言葉の重みを感じています。

フィナーレで舞台後方に大きな電飾看板が現れ、そこに「感謝」の文字が浮かび上がった時、私は思わず涙。それまでのコンサート全体を通じて感じていた温かさが、この一つの文字に集約されたように感じたのです。



フグ料理の打ち上げと忘れられない思い出

コンサートの後、浅草の老舗フグ料理屋で打ち上げが行われました。
驚いたことに、ただの下っ端アルバイトである私も招待していただきました。

それだけでなく、大物歌手と写真を撮らせていただき、サインまでいただくことができました。その際に直接いただいた「今日は手伝ってくれてありがとう」という感謝の言葉を、私は一生忘れることができません。

そしてその時食べた、フグの味も一生忘れることができない



あの日の学びが今の糧に

あれから20年。
その日の記憶は今でも鮮明で、そこで学んだことは私の人生の重要な指針となっています。

40歳になった今、人生は周りの方々のおかげで成り立っていることを強く実感しています。

私たちは皆、感謝の気持ちで繋がっているのだと、心から感じています。


【料理教室を続けられていることに感謝!】



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管理栄養士 えみこ先生 | 時短作り置き料理教室
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