地域の人々との関わりで元気をもらえる仕事【まつのや】
こんにちは、西ノ島町特定地域づくり事業協同組合です。
今回は、まつのやで働く田中さん(54歳・女性)にお話を伺いました。
まつのやは、明治25年創業の老舗小売店です。
店舗は別府港のすぐ近く。
食料品を中心に、生活雑貨、酒類、お土産など幅広く取り扱っており、地元の人から観光客、子どもからお年寄りまで様々な人が訪れます。
島の人々の生活を支え、島の人々から愛される商店です。
●応募したきっかけ
人と関わる仕事がしたい!
結婚して、出産して、娘が結婚するまでは、安定した収入を求めて工場で働いていました。いろんな工場で、派遣社員や正社員として働きましたが、あまり雰囲気が合わず、人間関係で疲れることが多かったです。
その後、娘が結婚したのを皮切りに「自分がやりたい仕事をしよう」とスーパーなどの接客業をするようになりました。本当は昔から人と関わる仕事がしたかったんです。そういった経緯もあり、西ノ島でも小売店で働いています。
離島に行きたい!!
「離島に行きたい!」という想いは、実は結婚する前からありました。
せかせかしているのが嫌いで、島ののんびりとしたイメージに憧れがあったからです。あとはなんとなく、直感ですね。笑
ただ、私は一人娘なので親を置いていくことが出来ず、移住をなかなか踏み出せずにいました。そんな理由もあり、ずっと生まれ育った地元で暮らしていましたが、今年親が亡くなり、離島への移住を本格的に考え始めたんです。
自分と娘の成長のため
西ノ島に移住した理由は、娘と距離を置くためでもあります。娘には3人の子どもがいるんですが、離婚して生活が厳しくなり、仕事を掛け持ちして一生懸命働いています。
娘とは、親子というより友達のような関係で、なんでも話していました。
そのため、私が近くにいるとどうしても甘えてしまうようで。
私も娘に甘えてしまうところがありますし、お互いの成長のために距離を取ろうと決めました。私が離島に移住することで、気軽には会えない状況を作ったというわけです。
西ノ島に決めたのは「直感」
実はここに来るまで、島根県に離島があることすら知りませんでした。
「離島に住みたい」という漠然な希望だけで、ネットで仕事を探していたら、偶然見つけたのが西ノ島でした。あとはもう、直感です。
「年齢的に厳しいだろうな」と思いながらもダメ元ですぐに応募しました。
決めたらすぐに動かないと気が済まない性格なんです。笑
●職場の雰囲気
元気をもらえる職場
従業員の方もお客さんも、他県から1人で移住してきた私のことを気遣って、よく声をかけてくださいます。本当に優しい方ばかりです。
挨拶をしたら必ず返ってきますし、働いていてとっても気持ちがいいです。
何かで落ち込んでいても、仕事をしているうちに立ち直っています。地域のいろんな方とお話ししていると、なんだか元気をもらえるんですよね。
忙しさの中に生まれる達成感
仕事は、曜日や時間帯にもよりますが、結構忙しいです。
補充や掃除をしながら、お店が混んできたらレジに回るなど臨機応変に動いています。
週1回ほどのペースで「肉の日」「お菓子の日」といったイベントデーがあるのですが、その日はなんだかいつもと雰囲気が違って面白いです。
特に「肉の日」は大人気で、ふたつの買い物カゴいっぱいにお肉を入れてレジに持ってくるお客さんもいます!!補充が追いつかなくて大変なんですよ。笑
そんな忙しい日を終えた後にはやはり達成感があります。
温かい人々に囲まれて
まつのやさんでは、レジ、品出し、掃除のほかにも、値札貼りや野菜の商品化作業など、様々な仕事を覚えなくてはなりません。従業員がたくさんいるわけではないので、1人がいろんなことをできるようになる必要があるんです。
それに、教えてもらえる時間も限られているので、どうしてもいっぺんに多くのことを教わることになります。
覚えるのはもちろん大変ですし、まだまだ失敗も多いです。
ですが、そんな時も従業員の方は嫌な顔ひとつせずに対応してくださいますし、レジが遅かったりしても、お客さんも「ゆっくりでいいよ〜。」と優しく見守ってくださる、とっても温かみのある職場ですね。
●暮らしの様子
休日には必ず由良比女神社へ
お休みの日は必ず由良比女神社へお参りをすることにしています。
元々神社に行く習慣があったわけではないのですが、ここにくると決めた時に観光地などを調べていて、最初に目に入ったのが由良比女神社だったんですよね。
そしたら偶然、近所に住むことになって。運命を感じました。
なんとなくですが、必ず14時までにお参りに行く。と決めています。
もっと地域の人と交流したい!
神社にお参りする以外は、ほとんど家事だけで休日が終わってしまいます。
本当はもっと地域のイベントなどに参加したいんですけどね。
基本的に平日休みになってしまうのもあってなかなか行けてなくて。
それに、今私が住んでいるところは町営住宅で、Iターン者がほとんどなんです。だから想像していたよりもご近所での交流がなく、すれ違ったら挨拶をする程度になってしまっています。そこは理想と違って少し残念なところです。
今後はもっと地域の人と交流できるようなところに出向いていきたいと思っています。
決意を曲げずに頑張れる環境
今ちょうど暮らしに慣れてきたところなのですが、実はホームシック気味なんです。地元に帰りたい、というより人に会いたいんですよね。家族とか、友達とか。
やはり1人で来たこともあり、寂しさを感じることはあります。
休みの日は特に寂しくなるので、仕事してた方がいい!と思うこともありました。
でも自分で決断したことですし、簡単に曲げたくなくて。
離島は、本土に帰るとなると海を渡らなくてはならないため、気軽には帰れないという利点がありますね。何かを頑張りたい、逃げたくない、という人にはいい環境かもしれません。
自分がどんな仕事に向いているのか模索中だという田中さん。
まつのやの次は介護関係の仕事に挑戦するそうです。
娘さんの頑張りを応援するためにも、自分の成長につなげるためにも、逃げずに頑張っていこう、という覚悟が伝わってきました。
まつのやは、やりがいと人々の温かみに満ち、生き生きとした雰囲気の職場です。接客業に興味がある人、人と関わることが好きな人にはもちろん、逆に人見知りを克服したい人にもぴったりだと思います、と田中さんもおっしゃっていました。
ご興味のある方は、お気軽にホームページまでお問合せください。
西ノ島町特定地域づくり事業協同組合
ホームページ:https://www.nishinoshima-kumiai.com
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