見出し画像

西ノ島ってどんなところ?基本情報からリアルな暮らしの様子まで紹介!

日本海に浮かぶ隠岐諸島。

大小180余りの島々から成り立つ群島型離島で、人が住んでいるのは西ノ島、中ノ島、知夫里島、島後の4つ。

西ノ島、中ノ島、知夫里島の3島は、島後に対して島前と呼ばれます。

西ノ島宇賀地区の林道から見た景色。島前カルデラの様子が伺える。

島前諸島の地形は火山活動に由来するもので、大規模な火山噴火により、火山の中央部分が陥没したことでできました。このような地形はカルデラと呼ばれ、日本では阿蘇山が有名です。

隠岐の島前カルデラは、およそ500万年前までに形成されたもので、国内有数の古さを持つことから、日本地質百選にも選ばれています。

独特な大地の成り立ちを持つ島前諸島。西ノ島はその中のひとつです。

そんな西ノ島の雄大な自然や、太古の昔から続く文化、温かい人々に囲まれた暮らしを紹介します。


西ノ島の基本情報

●歴史

昭和32年2月に、浦郷町と黒木村が合併して誕生した西ノ島町。美しい景観や恵まれた海洋資源を活用し、発展してきました。

史跡も数多く残されており、後醍醐天皇行在所とされている黒木御所をはじめ、海上交通安全の神として信仰の厚い焼火神社などがあります。昭和38年に大山隠岐国立公園に指定、平成29年には隠岐ユネスコ世界ジオパークに認定されました。

●人口・気候

人口は2652人。そのうち15歳以下の人口は258人で、高齢化率は48.2%にものぼります。(令和4年2月末時点)

気候は比較的温暖で、年間平均気温は16.2度。
対馬暖流と海洋性の気候の関係で日間気温差も少ないです。

冬場は北西の季節風が吹き、海が時化る(荒れる)日が多くなるため、フェリーが欠航することも多々。冬は少し不便かもしれません。

●文化

精霊船(シャーラ船)流しの様子

西ノ島では太古から受け継がれてきた文化が現在も根強く残っています。

西ノ島のお祭りの中で最も大きな「由良比女神社例大祭」や、送り盆行事として行われる「精霊船(シャーラ船)流し」、全国的に見ても屈指の芸能と評される「美田八幡宮の田楽」や「日吉神社の庭の舞」など、様々な伝統行事が行われます。島内に子どもや若者が少ないため、数年に一回など回数が減ってしまっているお祭りもありますが、それでも地域の人々は、伝統を守り、受け継ごうとする努力を絶やしません。

伝統行事だけでなく、マラソン大会や地元特産品を活用した食のイベント、そのほかにも地域の人が主導となって開催する様々なイベントが1年を通して開催されており、子どもからお年寄りまで、多くの人が積極的に参加しています。

西ノ島ハーフマラソンの前夜祭の様子

食文化に関しては、やはり魚介類がメイン。年間を通して近海でとれた新鮮な魚を楽しむことができます。郷土料理も多く、島に古くから伝わる万能食品「なめ味噌」や、赤ノ江地区の漁師が発祥の「しゃくね巻き」など様々なものが地域の人に親しまれています。

最近では、郷土料理の継承と特産品の地元流通を目的とした郷土料理のレシピ本を発行するなど、古くからの食文化を大切にする動きも出てきています。

なめ味噌。家庭によって少しずつ味が違うのも魅力です。

西ノ島の産業

主な産業は漁業、畜産業、観光業です。
西ノ島の自然環境を存分に生かした産業が盛んに行われています。

●県内有数の漁獲高を誇る漁業

一番の産業はもちろん漁業。まき網漁や一本釣り、カナギ漁、岩牡蠣の養殖などが盛んで、Iターンの方も多く従事しています。中でもまき網漁の漁獲高は島根県でも有数で、島を支える大事な産業となっています。

実は岩牡蠣の養殖が初めて成功したのも西ノ島。浦郷地区が発祥で、ここから全国に広がって行きました。

●放牧がメインの畜産業

西ノ島の山の方の道路を走っていると、よく牛に遭遇します。西ノ島では公共牧野を活用した放牧が行われているのです。広大な大地で放牧することで、本土に比べるとコストも低く抑えられているそう。

新規就農者の方には国や県の助成に加えて町独自の支援制度も用意しています。地元の畜産農家に体験研修することもでき、初心者の方でも安心です。

●雄大な自然環境を背景とした観光業

赤尾展望所から見た国賀海岸

西ノ島は国賀海岸に代表される景勝地を有しており、大山隠岐国立公園やユネスコ隠岐世界ジオパークにも認定されています。

観光船や観光バスの運行はもちろん、ガイドマップ等も数多く発行。レンタカー・レンタサイクル事業も行っています。日本国内では珍しいトゥクトゥクのレンタルも!!

宿泊施設は決して多くはないですが、それぞれの特色を生かしてお客様をおもてなししています。夏の時期はマリンスポーツなどのアクティビティも体験可能です。

西ノ島の暮らし

赤ノ江地区

離島に移住するとなった時に一番心配なのは生活をする上での利便性ですよね。西ノ島は公共施設、医療・福祉機関、商店など、生活を支える基盤は整っていますし、小さな町なので、暮らしに必要なものがコンパクトにまとまっています。

便利とまでは言えませんが、安心して快適に暮らせる環境です。少し手間を楽しむくらいの気持ちで生活ができる人にはぴったりだと思います。

●交通面

本土(七類港または境港)と隠岐4島間は、高速船1隻、フェリー3隻によって結ばれています。

島前3島(西ノ島・海士町・知夫里島)内の移動は内航船で、2隻の内航船を保有しており、だいたい1時間に2便ほどのペースで運航しています。

島内の移動は、路線バスやタクシーが利用可能です。路線バスは、本数は多くないものの、全区間200円均一でリーズナブル。

ですが、基本的には自家用車での移動が望ましいと思います。ちなみに西ノ島には信号が1箇所しかありません!

●買い物・飲食店

スーパーマーケット、食料品店、鮮魚店、精肉店、酒店、家電店、衣料店、お土産店など、離島なので物価はどうしても高いですが、基本的な生活に必要なものは島内で揃います。

スナックや喫茶店、レストランなどの飲食店もありますが、店数は少なく、1人で営業しているお店もあるので、電話予約が必要だったり、不定休が多かったり。

あまり気軽には外食できません。しかし、お店の規模が小さい分、アットホームな雰囲気でお店の人と仲良くなりやすいですし、どこのお店もとっても美味しいです!!

●その他施設

コミュニティ図書館 いかあ屋

【病院】
隠岐島前病院(内科・小児科・外科・耳鼻科・眼科・整形外科・精神科・産婦人科)のほか、民間の歯科医院があります。

【金融機関】
山陰合同銀行、漁業協同組合JFしまね、JAしまね島根県農業協同組合、郵便局があります。利用できる時間は金融機関で異なりますが、ATMも数箇所に設置。

【交流施設】
・西ノ島町コミュニティ図書館 いかあ屋
「コミュニティ図書館」ということで、会話OK。地域の人の交流の場や、イベントの会場としてもよく利用されています。

・総合公園
多目的広場(野球場)、テニスコート、グラウンドゴルフ場、町民体育館などが含まれており、スポーツでの交流や健康促進、子どもや親同士の交流など、様々な場面で地域の人々に活用されています。

・美田コミュニティセンター
廃校となった三田小学校のレトロな建物を施設として使っています。西ノ島町社会福祉協議会の事務局としても使われており、定期的に子育てサロンや子ども用品のリユース事業を行ったり、「わがとこ茶屋」という喫茶を開いて高齢者の交流の場を提供したりなど、子どもからお年寄りまで様々な人が集う場所です。

●島の雰囲気

基本情報の人口の部分でも触れたように、高齢化率が48.2%と、お年寄りがほとんどです。最近はIターンの方や、「大人の島留学」、「大人の島体験」という制度で島を訪れる若者が増えてきていますが、港から離れた地区などでは若者がいると珍しがられます。

島の人々は気さくで優しい方が多く、挨拶をしたら必ず返してくれますし、向こうから声をかけてくださることもあります。仲良くなれば、畑で採れた野菜や釣れた魚をお裾分けしてくださることもしばしば。

休日のイベントに積極的に参加して知り合いができれば、さらにその方の知り合いに紹介してもらえたり、努力次第ではすぐに馴染むことができます。
逆に休日のお誘いが多すぎてなかなかゆっくり休めず、断れない人だと疲れてしまうかもしれません。

町の風景や雰囲気は、地区によって違いがあります。
別府や浦郷といった港町は、お店が集まっていて賑やかな印象。
その他の民家が立ち並ぶ地区は、のんびりとした、静かで穏やかな時間が流れています。

地区によって違うとはいえ、どこにいても、すぐそこに海、見上げれば山があり、静かな空気の中で伸びやかな鳥の鳴き声が響く。自然が大好きな方にはたまらない場所です。

まとめ

西ノ島の様々な側面を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
もちろんいいところも、そうではないところもあるので、移住となると人によって向き不向きがあると思います。

それを踏まえて、島暮らしがしたい、チャレンジしてみたい、と思ってくださった方はぜひ、島に1度足を運んでみてください。

西ノ島町特定地域づくり事業協同組合では、仕事面のサポートはもちろん、引越しや住まいの面のサポートもさせていただきます。些細な疑問にもお答えいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

西ノ島町特定地域づくり事業協同組合
ホームページ:https://www.nishinoshima-kumiai.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?