宇多田ヒカルまで障害物がなかった 8/27

知らなかったのだが、宇多田ヒカルはデビューしてからライブをした回数が非常に少ない。

全国を回る規模のものはなんとこれまでに6回だけ。
今回6年ぶりに7回目が開催されるとの事だった。

半年くらい前、職場の音楽好きの先輩が、宇多田ヒカル応募してないの??俺の周りはみんなしてるぜ??と言うので、とりあえず応募したら案の定外れた。
恐ろしい競争率になるだろうと言われていたのでまあそうだよな、という感じだった。

俺自身、宇多田ヒカルについてはファンというほどでもない。
ただ、小学生の頃から追いかけているキングダムハーツというゲームシリーズの主題歌を担当し続けている事もあり、なんとなく特別感のあるアーティストだ。
アルバムを追いかけたりインタビュー記事を読むほどではないにせよ、いくつかの曲はしょっちゅう聴いていた。

というわけでリセールにも応募した。
これもあえなく外れた。
まあしょうがない、そもそもが大ファン達のアルバム先行やらキャンペーンやらの残り枠なのだから。

そうこうしていたら直前抽選の案内があった。
これがとんでもないスケジュールになっていた。
当選発表が公演の前日21時という県外のファンをゆさぶる枠である。

結果から言えばこれがなんと当たった。
そして翌日仕事を早上がりにしてこれに向かったのである。

時間を勘違いしていてやたらに早く着きすぎた。
今回俺が当たったのは、座席のない立ち見のチケットだった。そんな枠があったことにも驚く。
席はないが価格はたっぷり13000円だ。

アリにたかられながら入場時間を待った。
なんでこんなにアリが多いんだ大阪城ホールまわり。

入場方法も一癖ある。

まずホールの裏口に開場時間の10分前に集められる。
そこでチケットの管理番号を整理番号に見立てて並ばされる。

次に何グループかに分けて係員に連れられてホールの通路へ入り、しばらく通路でも並ばされる。

しばらく待っているとまた係員に連れられて座席エリアへ入る。ステージと真反対の位置から入り、2階スタンド最後尾席の後ろの通路まで連れられていき、そこからは早いもの勝ちで位置を確保してくれと伝えられる。

俺は管理番号が割合若くて、そこそこ自由に場所を選ぶことが出来た。
とはいえ正解がいまいちわからなかったので、ステージと真反対の位置、真正面の位置を取った。
結果からいえばこれは悪くない選択だったと思う。

始まるまで約1時間たっぷり。座席はないがみんな座り込んでいた。

開演直前に全編の撮影可能がアナウンスされ会場がかなりざわついていた。
えーーーーーー!の大合唱。人間は驚いた時結構ちゃんとえーーーーー!と言う。

あとで調べて分かったがこれまでの会場でも撮影は可だった。
それだけ前情報を入れてないファンが多いということだ。

正面に位置して何が良かったかといえば、照明の演出が存分に楽しめた事だ。

このステージの縁の照明はすごいな、one last kissの演出なんかはこの光に日の出や日の入の直前のようなエモさがずっとあった。
そこに背景の水中のような映像と、上からバラバラと差し込む光の柱が足され立体感を増し、客席の光る腕輪が眼下に広がる星空のようになって、ステージを浮遊させていた(何を言ってるかわからねーと思)

とにかくステージ演出がとんでもなかった。

宇多田ヒカル自身はライブ経験が会場規模に対して少なめなのもあってか、なんとなくちょっと心許ない感じがあるのだが、本人が楽しんでいるように見えて、みていて楽しく、MCも伸びやかで自由な語り口であり、やはりカリスマがある。歌詞が飛ぶなど多少の失敗をみてもあの場でなんだあいつちゃんとやれと思ってる人はかなり少数派じゃないかと思う。彼女は非常に謙虚で終わりの際も全方向へしっかり深々と頭を下げて帰っていった。

惜しむらくは、双眼鏡を持っていかなかった事だ。
もはや完全なおっさんになってしまった俺が小学生の頃から曲を聴いてきた大カリスマが、俺の目玉からなんの障害物にも遮られずそこに居るという事に感慨があった。こんなに長い間これまで一度も見た事がなかったのに。

スクリーンで実在する事はほとんど100%に近く認識できるのだが、やはり実感は下がる。双眼鏡はかなりそこの壁を薄くしてくれるんだよな。

なにはともあれ、貴重な思い出が出来た。
そのうち、今は他支店に居る音楽好きの先輩にも報告しようと思う。

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