俺は猫バスを見たんだ

皆さん。

自動車教習でよくある送迎バスってあるじゃないですか。


さすがに当時通ってたやつは載せらんないからフリー素材で勘弁して。まあこれっぽいものを免許取る当時は乗ってたのよ。

僕は教習に半年通い、いろいろあったけど免許を手に入れた。

しかし4か月後。僕は送迎バスをそれ以降見ることはなかった。


俺はあいつにいろいろお世話になった。初めて自動車教習を受けた帰り、家とは真反対の方向のバスに乗っちゃったことは今でも覚えてる。

元カノに振られた当日、教習があったから送迎バスの中でわんわん泣いたのを覚えてる。今にしてみれば運転手迷惑だっただろうなぁ。。。。。

送迎バスに乗ってるときあおり運転されたのは本当にビビった。しかも速度見たら100km超えてて普通に怖かった。あのときばかりは遺書を書く覚悟が芽生えた。

もうあの送迎バスを見なくなった今、そんな日々は、あのバスは幻だったのじゃないかと思えた。

見えなくなったあの日から見かけなさ過ぎて、もはやあれは妖精の類だったんじゃないかとすら思えた。免許を取ってない、まだ子どもの者にしか見えない妖精みたいな。だからあれは猫バスだと思ってる。



卒業をして、最後に乗った送迎バスを見てから4か月がたった。送迎バスの影はどこにも見えなかった。

2024年の秋のある日。僕は目を疑った。

あの色、あの形、あの馬鹿みたいに速く運転が荒い送迎バス。間違いない。教習の送迎バスだ。その瞬間、僕の頭には教習で過ごした半年間の記憶が一瞬にしてよみがえった。

泣きそうになった。でもここで泣いたら周りから変な目で見られるだろうから俺は何とか涙をこらえて大学に向かった。


その日以来、また送迎バスは見えなくなった。どこにもいなかった。探そうと思ったけど、送迎バスからすると俺のことは「数年間の乗客の一人」にしか過ぎないからやめた。

でも確かに見たんだ!俺は送迎バスを!あの日、送迎バスを見て俺は泣きそうになった感情をおぼえてるんだ!あれは送迎バスではなく猫バスだったのかも。

俺は何度でも言ってやる。俺は猫バスを見たんだ



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