【働く論考】仕事と労働 『仕事』の定義
前項において、
・『働く』という言葉を『仕事』と『労働』に分けて考えるということ
・『労働』とは『労働』とは生きるための活動であり、特に現代社会においては生きるために必要な金銭を稼ぐことを目的とした義務性を伴った活動であること
について記載した。
では翻って『仕事』という言葉も定義していく。
問:『仕事』とは何を意味する?
すでに結論が分かりそうな回答であるが、『仕事』という言葉には単純に収入を得る為であるというニュアンス以上に様々な意味を含む。
その中でも重要な要素としては、
・社会的な役割や人間関係の構築
・自己実現
・満足感や達成感による成長の機会
などのキーワードではないだろうか。
これらは特に現代の社会人が『働く』ことに求めていることに一致するように思える。
現代において多くの場合は『仕事』(と自らが呼んでいる活動)によって収入の機会を得ている人も上記の社会的な意義や役割を感じるための活動に加えて『労働』が担っている生きるための金銭を稼ぐという意味も含んで使用している人も多いだろう。
この際に重要な観点としては、もし金銭的な収入を得られないとしても自己実現や満足感を得られる活動であればその『仕事』を続けるか?というものであるだろう。
このシリーズで解いていきたいのは、
『労働ではなく仕事をしましょう』ということではなく、『働く』は『労働』と『仕事』に分かれるということである。
つまり、その仕事は本当に仕事であると言い切ることができるか。
もし、その2つの意味を内包した『働く』ことをしていたとしても、混同するのではなく意識的に2つの意味が合わさっていることが明確な状態で活動しているのか。
つまり、仕事とは金銭的な収入を得る目的とは異なり、社会への参加や交流を目的とした自己実現的な意味合いの強い活動であり、活動自体によって達成感を得ることができるものと定義できるのではないだろうか。
それらが明確化することによって、多くの人が抱える『働く』ことについての問題設定を誤ったことによる消えない悩みが少しでも消えることを願う。