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【働く論考】仕事と労働 『労働』の定義

『働く』と発話した際に『仕事』と『労働』を意識的に分類して使用する人は少ないのではないだろうか。

しかし、この2つの言葉には明らかに印象として異なるものがあり実際にその中身は異なる。

この『仕事』と『労働』をしっかりと分けて考え、自分の時間をどのように何に使うのか、今の自分の仕事は何で労働とは何かを切り分けて取り組むことによって思考が整理される人も多いのではないかと思い、本シリーズを開始する。

つまり、多くの人が『働く』ってなんだろうか、自らのやりたいことが見つからず、やりたいことを仕事にできないとか、仕事のやり甲斐が見つからないとかに悩んでいるが、その悩みは言語の不確かさによって生じているのであって働くことそのものに悩んでも答えはそこにない。

まずは現状の検討を行おう。

労働という言葉から受ける印象について

問:『労働』という言葉からはネガティブな印象を受ける人が多いのではないか?

「仕事」や「働く」という言葉に比べて、「労働」という言葉がネガティブな印象を持つ理由にはいくつかの要素があります。

1. **言葉の響きとニュアンス**:
  - 「労働」という言葉は硬く、公式で厳格な響きを持ち、物理的な疲労や苦労を強調するイメージがあります。一方、「仕事」や「働く」はより日常的で、柔らかい響きを持ち、活動や役割を指す場合も多く、ポジティブなニュアンスを含むことが多いです。

2. **歴史的・社会的背景**:
  - 「労働」は歴史的に見ても、過酷な労働条件や搾取、労働運動などと関連づけられてきました。このため、労働という言葉はしばしば社会的不公平や困難を連想させます。

3. **メディアや文化の影響**:
  - メディアや文学などで「労働」が描かれる際には、しばしば苦労や困難を強調することが多いです。これが「労働」という言葉に対するネガティブな印象を強めています。

4. **個人的な経験**:
  - 多くの人が労働に関連するネガティブな経験(過労、低賃金、職場のストレスなど)を持っており、これが「労働」という言葉に対する感情を形成しています。

5. **言語的な使い分け**:
  - 「仕事」や「働く」という言葉は、幅広い文脈で使用され、例えば趣味やボランティア活動、家庭内の役割など、ポジティブな活動を指す場合も多いです。しかし、「労働」はより公式で具体的に職業的な活動や労働条件を指すことが多く、厳しさや義務感が強調されます。

これらの理由により、「労働」という言葉が「仕事」や「働く」という言葉よりもネガティブな印象を持つことが多いのです。

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言葉の響きである側面やメディアから受ける側面、漢字の並びから受ける印象というのは多いにあるが、今回は上記の5に着目してみる。
『労働』という言葉は、職業的であり義務感が強調された言葉であるという解説がある。

前段の『仕事』や『働く』にはボランティアや家庭内の役割などが含まれるということと対比すると『労働』は職業的であり義務的であると言え、これを金銭を稼ぐための活動として読み替えると言葉のニュアンスが伝わりやすくなるだろう。

つまり、『労働』とは金銭を稼ぐための行為であり、生きるための活動であるということが言えるだろう。
また、重要なこととして、この言葉自体にはネガティブな意味は全く含まない。

もしネガティブな印象がこの言葉に付帯するのであれば、労働そのものではなく労働以外の活動と比較した際の労働が持つ義務性によるものではないだろうか。

この義務性とは、生きるために必要な活動であるが故にそこから逃れられないことから生じているといえ、動物の生存に不可欠な活動自体の義務から来るものである。

つまり、『労働』とは生きるための活動であり、特に現代社会においては生きるために必要な金銭を稼ぐことを目的とした義務性を伴った活動であると整理できる。

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