修了考査の期待値分析(令和4年度・職業倫理)

どうもこんにちは、KKです。
前回の経営実務

に続いて令和4年度の職業倫理の試験問題を解いた感想をまとめます。
配点と難易度も自分なりに予想してみたので、もう受験された方はエンタメとして、これから受験される方はいかにして総得点の60%を稼ぎ出すかの参考としてご覧ください。
※本記事の内容は全て筆者の私見です(配点と難易度に至っては妄想に近いです)。参考程度に留めていただけると幸いです。

総評

・簡単だった去年よりも難化し、ここ6年の中では普通くらいの回だったと思います。
・違法行為への対応に関する指針がまとまって出たのが特徴でした。あまり出ない基準で対策が手薄になりがちなので、これが全体の難易度を押し上げたと思います。
・去年に引き続き問題数の多いセットでした。4、5年くらい前と比べると問題数が倍増しているため、1ミスが命取りにならない分、足を切りにくくなったと言えそうです。

期待値分析

サービス問題:8点
易:40点
中:38点
難:14点
期待値:61.8点(サービス問題×1.0+易×0.8+中×0.5+難×0.2)
易しい問題が多かった反面、難問がそれなりにあるので、足は切りにくいが高得点も取りづらいセットだったと思います。

第九問

問題1
問1 倫理規則
予想配点:5点 予想難易度:易
・・精神的独立性の意味を問う問題。倫理規則注解11の暗記問題でした。

問2 独立性に関する指針
予想配点:3点×2箇所 予想難易度:易
・・問題文の状況において独立性に対する阻害要因を解答するお馴染みの問題。独立性に関する指針の220項が参考になると思います。

問3 監基報900
予想配点:1点×8箇所 予想難易度:サービス問題
・・監基報900の選択式穴埋め問題。職業倫理用に暗記した人は少ないと思いますが、ダミー選択肢も少なく易しい問題でした。

問4 倫理規則
予想配点:5点 予想難易度:中
・・監査計画時点に経営者が出した資料と説明に疑念を持った場合に、誠実性の原則に照らしてどう対応するか。個人的な予想では、倫理規則の第3条に従って関与をやめるというよりも、注解3に従って経営者が確実に修正してもらう方が想定解答な気がします。

問題2
問1 違法行為への対応に関する指針
予想配点:3点 予想難易度:易
・・違法行為への対応に関する指針1項の暗記問題。出題頻度が低いため飛ばした人も多いと思いますが、違法行為への対応は何に資するためでしょうという問題なので、「資する」と言えば「公共の利益」と連想して解答できた人もいたと思います。

問2 違法行為への対応に関する指針
予想配点:2点×4箇所 予想難易度:難
・・同指針の構成について穴埋めで解答する問題。解答は①から④の順に「会計事務所等」「財務諸表監査業務」「財務諸表監査業務以外」「上級の職」ですが、厳密な記述しか許されないのであれば解答はかなり難しいと思います。

問3 違法行為への対応に関する指針
予想配点:5点×3箇所 予想難易度:中
・・問題文に示された対応の適否を解答する問題。それぞれ違法行為への対応に関する指針の14項、5項、30項が想定解答と思いますが、根拠はともかく適否は分かりやすいので、暗記していなくても何かしら書けるのではないでしょうか。

第十問

問題1
問1 公認会計士法
予想配点:2点×3箇所 予想難易度:易
・・公認会計士法の第1条の2の穴埋め問題。お馴染みの語句のため、対策をしていなくてもひねり出せたのではないでしょうか。

問2 倫理規則
予想配点:2点×3箇所 予想難易度:易
・・基本原則を直接解答する問題。これは易しいと思います。

問3 倫理規則
予想配点:2点×3箇所 予想難易度:易
・・公認会計士法にある「知識及び技能の修得」に関係する基本原則と、その基本原則で求められる事項2つ。倫理規則の第5条が想定された解答だと思います。

問4 公認会計士法
予想配点:2点×3箇所 予想難易度:中
・・CPE制度の目的、法的位置付け、基本原則との関係を解答する問題。最近のニュースと絡めている感じがしますね。

問題2
問1 独立性に関する指針
予想配点:2点×4箇所 予想難易度:阻害される事項・・中、阻害要因・・易
・・監査業務で担当者が長期間関与する場合に阻害される事項2つと阻害要因2つを解答。独立性に関する指針の150項が想定されている解答と思いますが、阻害要因は易しいものの「阻害される事項」は何を解答していいか分かりにくかったと思います。

問2 独立性に関する指針
予想配点:2点×2箇所 予想難易度:易
・・問1の阻害要因への対応事項2つ。

問3 独立性に関する指針
予想配点:2点×3箇所 予想難易度:難
・・独立性に関する指針の付録からの出題。①から③の順に「大会社等」「外観的独立性」「客観性」が解答ですが、厳密な記述しか許されてないのであれば解答はかなり難しいと思います。

問4 独立性に関する指針
予想配点:1点×5箇所 予想難易度:中
・・監査業務における関与可能期間とインターバル期間を解答する選択式問題。「X年」と「X会計期間」も区別して解答しなければならないため少し難しい。

問5 その他
予想配点:3点 予想難易度:中
・・社会的影響度が特に高い会社の監査業務において、10年間継続関与した監査補助者がパートナーに昇格した場合の検討要否を問う問題。監査実務ハンドブックにも載っている会長通帳2020年1月が元ネタです。

おわりに

以上が令和4年度の職業倫理でした。
全科目見ていきましたが、去年と比べると会計はやや易化、監査は難化、税務はやや易化、経営は難化、倫理は難化という感じでした。去年は監査と倫理が易しかったので、全体的に普通くらいの難易度に落ち着いた+税金は少しマイルドになった感じですかね。
何はともあれ、修了考査お疲れ様でした!

今後は令和4年度含めた過去7年分の出題分野分析の記事をリリースする予定です。過去問解いてみたシリーズは一旦これで最終回ですが、要望があれば令和3年度以前にも遡って書いてみたいと思います。
それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?