修了考査の期待値分析(令和4年度・経営実務)

どうもこんにちは、KKです。
前回の税金実務

に続いて令和4年度の経営実務の試験問題を解いた感想をまとめます。
配点と難易度も自分なりに予想してみたので、もう受験された方はエンタメとして、これから受験される方はいかにして総得点の60%を稼ぎ出すかの参考としてご覧ください。
※本記事の内容は全て筆者の私見です(配点と難易度に至っては妄想に近いです)。参考程度に留めていただけると幸いです。

総評

・去年よりも難化し、ここ6年の中でも難しい回だったと思います。
・第七問の経営分析パートは通常なら得点源になるところですが今回は難しかったです。特にTwitter等で「付加価値額」の算出に悩んだコメントが散見されました。
・ITは近年「リモート環境における注意事項」「ITの教養的な問題」などこれまでの型にはまらない問題が増えていましたが、今年は業務処理統制、全般統制などクラシックな論点に回帰しました。

期待値分析

易:87点
中:90点
難:23点
期待値:119.2点(易×0.8+中×0.5+難×0.2)
経営は難しめ。ITは普通という感じでした。経営は得点源になるはずの経営分析の難化が痛かったですね。

第七問

問題1
問1 経営分析
予想配点:2点×12箇所 予想難易度:(1)(2)(3)易、(4)(5)(6)難
・・売上高営業利益率、人件費率、従業員一人当たり売上高は容易ですが、「付加価値額(加算法)」が悩ましかったです。これを誤ると付加価値率と労働生産性も連鎖的に誤ってしまうため点を取りにくい問題でした。
・・「付加価値額(加算法)」は減価償却費を含めるか含めないかなど指示が一切ないですが、資料に減価償却費の数字がないことから算出方法を判断することが可能でした。

問2 経営分析
予想配点:6点×2箇所 予想難易度:①易、②中
・・②は何も書けないということはないですが、問1の(4)(5)(6)に引っ張られて正確な解答が難しかったと思います。

問題2
(1)デュー・デリジェンス
(2)(3)(4)(5)企業価値評価
予想配点:(1)3点×3箇所(2)5点(3)5点(4)5点(5)4点×2箇所
予想難易度:(1)難(2)易(3)易(4)易(5)易
・・(1)は補習所テキスト(デュー・デリジェンス(2020年度時点))からの出題ですが細かいので難しかったと思います。(2)以降は企業価値評価で対策した所だと思うので正解したいです。

問題3 コーポレートガバナンス
予想配点:(1)8点(2)8点(3)8点(4)8点
予想難易度:(1)中(2)中(3)中(4)中
・・問題3は会長が絶対的な権力を持つ会社において経営者不正が発覚した事例において、経営者の姿勢、コーポレートガバナンスの状況、内部統制の状況と、監査役としてどうするべきだったかを問う問題でした。一応コーポレートガバナンスに分類されると思いますが、補習所テキスト(2020年度時点)には具体的な記載がなかったので、現場の思考力と作文力を問われる問題だったと思います。ここにコーポレートガバナンスの基本事項や監査役の役割などテキストで学習した内容を絡められるとさらに高得点という感じですかね。

第八問

問題1
問1 ITの基礎
予想配点:2点×3箇所 予想難易度:①難②中③中
・・クラウドサービスに関する穴埋め問題。補習所テキストの「ITの基礎知識」又は「企業におけるIT環境とITに関する保証業務」(申し訳ありませんがどちらかは忘れてしまいました、またテキストは2020年度のものです)に記述があるのでテキストを読み込んでいれば対策できましたが、初見では難しかったと思います。想定されている解答は①から順に「インターネット」「ソフトウェア」「IaaS」ですが、令和の時代に「インターネット」は一般的な用語過ぎて逆に出てこないですね。
・・ITは補習所テキストの穴埋めがよく出るので一読しておくことをお勧めします。他にテキストから出た例としては令和2年度の問題3が挙げられます。

問2問3 ITの基礎
予想配点:6点×2箇所 予想難易度:中
・・クラウドサービスの利点とリスクを解答する問題。これもテキストからの出題ですが初見でも何かは書きたいです。

問4 監基報420
予想配点:2点×5箇所 予想難易度:易
・・監基報420の穴埋め問題。無勉強でも解答できるほどではないですが、タイプ1タイプ2など基本的なことを知っていれば解答は容易だと思います。

問5 監基報420
予想配点:4点 予想難易度:中
・・「再受託会社」の用語を問う問題。覚えようと思って覚えてきた人は少ない気がしますね。

問題2
問1 業務処理統制
予想配点:2点×3箇所 予想難易度:易
・・アクセス権に関する選択式穴埋め問題。これも業務処理統制のテキストからの出題です。

問2 事例問題
予想配点:6点×2箇所 予想難易度:易
・・アクセス権について問題文から読み取れるリスクとそれに対応する仕訳テストの抽出基準を問う問題。いかにも怪しいところがあるので書きやすかったと思います。

問3 事例問題
予想配点:6点 予想難易度:易
・・問2とは少し異なった状況で、仕訳テストの抽出基準を問う問題。これも分かりやすかったと思います。

問4 業務処理統制
予想配点:8点 予想難易度:中
・・アクセス権の業務処理統制テストにおいて、入手したユーザー一覧の信頼性を確かめるために実施する手続を問う問題。実務でよく問題になりそうなところですね。

問題3
問1問2 事例問題
予想配点:問1→4点、問2→8点 予想難易度:問1→易、問2→中
・・情報の網羅性に関する手続を問う問題。実務的なので監査法人出身者が有利な問題だと思います。

問3 業務処理統制
予想配点:2点×4箇所 予想難易度:易
・・これも業務処理統制のテキストからの出題でした。インターフェイス処理の検証に用いる手法を問う問題でした。

問4 全般統制、業務処理統制
予想配点:6点×2箇所 予想難易度:中
・・事業費の配布計算のシステムについて、配布計算の正確性を担保するのに有効なIT全般統制と業務処理統制を解答する問題。簡単ではないですが、実務を思い出して記述しがいのある問題でした。

問5 事例問題
予想配点:4点 予想難易度:中
・・マスタの設定について心証を得るための手続を3択から選ぶ問題。「システム導入時の初期設定内容が記載されたシステム設計書」「監査人立会のもとでマスタ設定画面を表示」で迷いますが、前者は「初期設定内容」という点で適合性に欠ける気がするので、後者が想定された解答だと予想します。

おわりに

以上が令和4年度の経営実務でした。得点源になるはずの経営分析が難しかったことで、やや得点を伸ばしにくい回だったと思います。
次はラストの職業倫理です。それではまた。

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