見積り好きのMさんが来た。 ブレーキランプなどの電球一個交換するだけでも最低3社の見積りをする人だ。 Mさんに対しては過去5回ほどなんだかんだと見積りをしたが、今回初めて当方で1万円ほどの仕事をすることになった。 「3社見積りして僅かながら一番安かったです!はい!」 なんでも馬鹿正直におしゃべりするMさんだ。 それにしても「安いが正義」には程度というものがある。Mさんは人間関係を構築したがらない方であるので、事業所を「一番安い」か「そうでないか」でしか判断しない。それでも
小規模自動車整備工場を営んでるセキと申します どうにも愚痴っぽくなってます。でも思い返すと普通のやり取りよりおもしろかったりします。 ご容赦下さい 20年以上前、念願の自社自動車整備工場を建てた。 基準最小とは言え国が定める認証基準に適合させるためには油水分離槽設置等々、地中から上物まで隅から隅まで費用がかかるものだ。 出来上がった自工場を見上げた。これから一生をかけて莫大な借り入れを返さねばならんのか・・。 「タダ」とは何か 「ちょっとくらいのサービス」も全部有償にし
小規模自動車整備工場を営んでいるセキと申します 車を通じて「人」に焦点を当てます Aさんは個人事業主として長らく整備工場を営んでいたが、高齢になり数年前廃業した。世代的にも機械整備全盛期の人であり、電装系、制御系がちんぷんかんぷんで、やれと言われた作業は出来るが不具合原因を特定する故障探求が出来ない人だった。 だがAさんには多くの顧客がついていて、皆から頼りにされていた。 覚醒準備 さて現役当時、Aさんは自分が出来ない整備、分からない整備は外注に出していた。時にディーラ
顧客のYさん(女性・推定40代)がお友達(女性・推定40代)を連れてきた。利用しているディーラー対応に不信感を抱いているらしく、他所の意見を聞きたいとのこと。 「奥さん」は奥の人 初めに名前を伺った。私としては会話のつまづきを防ぐために予め聞いておきたい。二人称が定まってないと気持ち悪い。 一般的に「奥さん」「奥様」でもいいのだろうが、既婚者であるかもわからない。今時は「奥さん」の呼び名を嫌がる人もいると言う。 「お名前教えてくれませんか」 しかし返事は「え・・いやいや
零細自動車整備工場を営んでるセキと申します 車を通じて「人」を書きます 今回は数十年前の20代前半ディーラーサービスマン時代、ある日の出来事を書きます 朝から30代先輩営業マンが落ち着かない様子だ。 どうやら「車の不具合が多い」と顧客からクレームを受けたそうで、今日謝罪に行く予定だという。だから気が気でなく騒いでいる。 「サービス部の誰かも一緒に行ってくれ!」 その迷惑な一言で入社3か月の私も一緒に謝罪に行くことになった。今から思えばこのような状況で新人を矢面に立たせ
有難いことに顧客から紹介を受けることはよくある。 だが法人客を紹介してもらうのは、ちょっとばかりその「赴き」が違うこともある。そんな事例。 なんでも、仕事で使うトラックの整備の依頼先を探しているそうで、先ずは挨拶に行くことにした。それが紹介の仁義! 前以て聞いた話だと随分古いトラックだそうだが、そんなことは別にいい。一番知りたいのは「今まで付き合ってきたであろう整備工場と何故縁が切れたのか」だ。よくよく聞くとどうやら金額面で揉めて新たな整備工場を探しているらしい、
自動車整備工場を営んでいるセキと申します。 事業所規模は最小認証、これまで多くの方と出会ってきました。 「星の数ほどある整備工場で、貴方のところに来てあげた」 25年~30年前だったと思う。スーツ姿にハット、蝶ネクタイのいでたち、なんともハイカラ年配方が訪れた。身なりには随分気を使っているようだが・・・乗ってきた車はボロボロだ。古い国産車だがメンテナンスをしている車とそうでない車は見て大体当たる。洗車さえしてない風でフロントガラスは汚れて前が見えないほどだった。 こ