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齊藤なぎさちゃん目当てで、アイドルオタクが「花束とオオカミちゃんには騙されない」を見た結果…

「齊藤なぎさは最強のアイドル」
アイドルの彼女を知るものは皆、口を揃えて語った。
大きな瞳が特徴の可愛らしいルックスに加え、ストイックな努力家。
ひたむきにアイドルを生きる彼女を応援するファンはどんどん増えていった。

そんな彼女がアイドルを卒業して初めての仕事が、恋愛番組「花束とオオカミちゃんには騙されない」への出演だった。


これを書いている私のスペックを念の為紹介する。
25歳女性(独身)で女性アイドルグループを代わる代わる好きになっている。
中学生の頃に初めて女性アイドルにはまり、ももいろクローバーZを好きになる。(推しは佐々木彩夏)
高校生の頃は乃木坂46が大好きで、卒アルにも色々書いていたくらいだ。(推しは白石麻衣)
大学生の頃は「=LOVE(イコールラブ)」が大好きで、初めて握手会やライブに参戦した。(推しは野口衣織)
=LOVEは齊藤なぎさが所属していたグループでもあり、握手会でお話した経験もある。

恋愛禁止とは、かわいいという才能をオタクたちにのみ発揮してくれるという保証

昨今の女性アイドルグループのいわば暗黙の了解とも言った「恋愛禁止」。
私の見解を結論から言おう。

女性アイドルの「恋愛禁止」とは、
かわいいという才能をオタクたちにのみ発揮してくれるという保証

だと思っている。

恋愛および、誰かを好きになるポイントは人様々だ。
学歴や仕事やお金、性格や才能や趣味・・・
それぞれの総合得点で優秀な人物がより多くの人から好かれるだろう。
その中でも容姿の良さは高ポイントになる人が多いだろう。

学生時代ならなおさら「容姿」の良いものが恋愛強者になるのは、皆が知っていることろだろう。

そしてアイドルになる基準に「容姿」は切っても切り離せないだろう。
(もちろん「容姿」以外にも歌やダンス、喋りの達者さや演技力や運など、アイドルになれる・アイドルとして売れるポイントは存在する)

「かわいいという才能」は、アイドルと恋愛の両面においてとても密接なのだ。

一方で、アイドルオタクはどうだろう。
多くは恋愛弱者ではないだろうか。
筆者も中学・高校と恋愛市場においては弱者で、美女の恋愛トークを聞かされるだけの立場だった。
高校の時なんて「別れました」の投稿を確認したらその場ではにやけるが、翌日に「投稿見たけど大丈夫?」と気を遣ってあげるまでがワンセットだった。あほくさ。
こんな人間が、恋愛にコンプレックスを抱かない方が難しい。

「容姿」の才能で人より簡単に恋愛できるだろうに、恋愛の才能が乏しいアイドルオタクに向けてのみ発揮する。
これが「恋愛禁止」のアイドルを安心して応援できるオタクの心情ではないだろうか。

恋愛弱者から見た「恋愛リアリティショー」

恋愛弱者が恋愛物のコンテンツを見て「きゅん♡」という感情を知っても、現実と比較して虚しくなるだけ。
なので私は基本的に恋愛物コンテンツを消費しない。
(逆に面白い恋愛映画とか教えてほしいくらいです)

そんな私でも高校の頃、一つだけ見なければいけなかった恋愛リアリティショーがある。
放送日翌日にはクラスメイトがその話題をするもんだから何回か試聴した。
「一つ屋根の下で複数の男女がシェアハウスする」
その中の人間模様や恋愛のいざこざを垣間見る番組だった。
しかしそこに映し出される人物は美男美女や、何かしらの才能を持っている人物である。
私たち恋愛弱者はカメラに決して映ることはない。
私が嫌いな現実となんら変わりなかった。

「花束とオオカミちゃんには騙されない」の恋愛以外の面白いポイント

まあ今作も恋愛番組なので、出演者は美男美女や才能持ちやインフルエンサーだったりする。
そんな恋愛強者の恋愛模様を見るということには変わりないが様々な仕掛けがあり、こんな恋愛弱者で恋愛物コンテンツ大嫌い人間でも面白がることができる。

1話目のみの視聴段階、ということを念頭に置いて読んでいただきたい。
また他の「オオカミ」シリーズは未視聴である。

その①恋愛をしない(という設定の)“オオカミちゃん”なる存在が紛れている

番組メンバーは皆、恋愛をする気で出演しているが、女性メンバーの中に1人以上オオカミちゃんと呼ばれる「恋をしようとしない者」が紛れている。
男性メンバーはオオカミちゃんの誘惑に騙されずに、意中の相手と上手く恋愛することが求められる。

さらにこのシステムの面白いところは、視聴者の投票により「オオカミちゃん」と思われる女子メンバー1人を脱落させることができるのだ。
この投票があるおかげで、ただの観客ではなく「恋愛ゲーム参加者の一部」になることができる。
そのため残りの女子メンバーも“ただ恋愛をすればいい”というわけではなく、視聴者や意中の男子メンバーにオオカミちゃんと思われないようにすることが求められる。
(アイドルファンとしては、齊藤なぎさちゃんがオオカミちゃんだと嬉しいわけだが…)

その②誰が誰を好きかを可視化するアイテム

ここからは1話の内容に言及するので、できれば視聴してから読むか、次の章まで飛んでほしい。
https://abema.tv/video/title/90-1772
(Abemaで無料で見れるので)

リアルな恋愛では誰が誰を好きか噂話でしか知ることができない。
この番組では演出で面白く仕立てている。

全員でのお食事会のあと、男子メンバーが気になる女子メンバー1人に一輪のバラと男子メンバーカラーの“イヤリング”を渡す。
渡された女性は気になる男性のイヤリングを次回の収録の際に着用する。
このアイテムが、視聴者にわかりやすく相関図の矢印を示してくれるのだ。
しかも次回の収録が雪山で、帽子や髪の毛でイヤリングが簡単には見えないという演出も。
男子メンバーも視聴者も、女性メンバーの矢印の行方にドキドキハラハラする。

また「花束ルール」というものも存在する。
オオカミちゃんが2人きりで花束を渡された時は“一切の嘘をついてはいけない”というものだ。
まだこのルールを使用したメンバーがいないためどうなるかわからないが、面白い演出には間違いないだろう。

こういった演者に任せっぱなしのストーリーだけでなく考えられた演出のおかげで、恋愛番組大っ嫌い人間かつ映画大好き人間の私が、エンタメとして少し面白がって見ることができるのだ。

アイドルから女優になるということ

齊藤なぎさはアイドル時代から女優や声優としての仕事をこなしてきた。
特に彼女を有名にした作品と言えば「明日、私は誰かのカノジョ」の“ゆあてゃ”役だろう。
ホス狂と呼ばれる、ホストに依存し大金を貢ぐ女性を熱演した。
(個人的には担当ホストのハルヒにブチギレてるシーン全般が大好き)
この作品ではキスシーンを角度によってキスしているように見せる演出だったが、いつまでも通用するとは限らない。
恋愛リアリティショーに出演するというのは、我々ファンの目線を「アイドル・齊藤なぎさ」から「女優・齊藤なぎさ」にチェンジさせる役割もあるだろう。

また、俳優業と縁もゆかりもない人間からすると、お芝居をどう構築しているかよくわからないのが現状だろう。
一番有名な演技法として「メソッド演技」というものがある。
役者の過去の体験から感情を引っ張り出し、役の感情を理解して演じる方法だ。
(齊藤なぎさの演技法がこれを用いて行なっているかは定かではないが)
齊藤なぎさは小中と女子校出身で、父親以外ではマネージャーとしか男性と話したことがないという。
そのため恋愛をしたことがないとインタビューで語った彼女が、これから恋愛の感情を表現するのは難しいかもしれない。
女優になるということは、(倫理に反することは除き)自身の感情の引き出しを増やし、それを表現するということだ。

「花束とオオカミちゃんには騙されない」の出演を通して、女優としての表現の幅が増える可能性は多いにあるだろう。
(まあアイドル時代からのファンからすると、オオカミちゃんが彼女だったというオチが一番いいのかもしれないが…笑)

最後に

「花束とオオカミちゃんには騙されない」の出演発表時は私もかなり動揺した。
しかし、恋愛番組に出演するならアイドルを卒業した直後が一番話題になるし、ライブで色々な発表が行われているようなものだと思ってもっと気楽に考えてもいいかもしれない。

最後に私は「見た者だけが文句を言う資格がある」と思っている。
見てから文句を言いましょう。
私はたぶん最後まで視聴します。

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