英検1級2次対策(フィフ過ぎ挑戦記)
こんにちは、ゆるゆるです。今回は英検1級の面接試験(2021年第1回)に対し、私が行った対策を紹介いたします。私の合格には運やマグレがかなりの部分を占めていますが、ここで書いていることもやらずに試験を受けていたら間違いなく落ちていたと思います。マグレで受かるにしてもこれぐらいやる必要があった、という観点で参考になればと思います🐢
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私は1次試験の不合格を確信していたので、1次試験の復習をしながらのんびり過ごしていました。
ところがまさかの合格。試験日は最後のC日程。
急いで面接用の参考書(旺文社)を買いました。
私はどちらかと言うと気合いや根性論で走る方です。なので、このときも面接本のセリフを無理やり覚えてやろうと思っていました。力ずく作戦です。
しかし、それはムリだとすぐわかりました。
・面接のテキストで扱われているテーマがあまりにも自分の興味の対象から外れている
・模範解答の内容を読んだけど、差し障りのない文章であって自分の考えとして力強く伝えられるものではない
この上記2条件が重なっている時点で、私得意の力ずく丸覚え術はムリだと感じたのです。
そこで、次の方針で進めることにしました。
(1)教材は過去問に絞る
(2)対策は自分が関心を持っている分野に絞る
(3)スピーチ原稿は自分で作る
(4)上記(3)を何度も時間を測りながらスピーチ
(5)Q&Aは出たところ勝負?
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もう少し詳しく書きます。
(1)教材は過去問に絞る。
もうこれは残された時間からそう判断せざるを得ませんでした。旺文社の過去問集が確か6回分。それぞれ2パターンあるので12パターン。1パターン5テーマあるので、何と全部で60テーマもある。
十分です🐢
(2)対策は自分が関心を持っている分野に絞る
私が英語を使う場面は、仕事(科学技術、環境・エネルギー)がメイン。関心がある分野も限られている。皆さんもそうだと思います。
なので英検1級レベルの議論は、自分の関心のある分野で話が出来れば良いと割り切りました。だから各回で5テーマもあるんだ。(ですよね?英検協会のみなさま🐢)
さて、まずは、過去問の各テーマに対する分野の振り分けです。
旺文社の面接本の序章あたりに分野分けと出題頻度を説明している節がありましたので、分野の分け方はそれに倣いました。
下の画像がその一部です。
上の画像のように過去問で答えられそうな(少しは関心のある)問題を抽出しました。5テーマのうち最低一つは選ぶようにしました。私の場合、抽出されたのは25テーマでした。
(3)スピーチ原稿は自分で作る
上記で抽出したテーマに対しスピーチを作成していきます。下の画像のようなものです。
スピーチには意見を支える具体例を話す必要があります。スピーチを作成しながら調べた事実を整理して自分の意見を形成させておきます。この辺りの作業はやっていて楽しかったです。
下の画像にその一部を示します。
(4)上記(3)を何度も時間を測りながらスピーチ
必要に応じて推敲しましたがほどほどで良いと思います。骨子が固まっていればOK。即興スピーチを時間を測りながら何度もやる事が大切です。
(5)Q&Aは出たところ勝負?
正直、Q&Aに特化した練習はしていないです。
とはいえ上記の情報収集と意見形成がなかったら厳しかったと思います。
最後の一週間は、旺文社の面接本からダウンロードした動画を使って何度もシミュレーションをしました。その画像には面接官が指示を出してきてスピーチをさせてくれる段取りが作り込まれていて、面接官の目を見て話す練習にしました。
そして試験本番を迎え、これ以上ないほど順調に進み合格。(本番の様子は別記事に紹介してあります。読んでいただけると嬉しいです🐢)
以下、本番で話した内容です。
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〜以下、問題用紙を裏返してからの1分〜
No. 1 日本はエネルギー自給できるか?
エネルギーについて自分はかなり詳しい方だと思う。けど、自給難しいと思っているだけに避けたい。
No. 2〜5.: どのテーマも馴染みない。
あれ、やばい。
この時、焦りで心臓がバクバク。相手に聞かれるんじゃないか、ってぐらいバクバク。
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結局、面接試験で1番緊張したのはカードを見てからのこの1分間でした。
1分間の中で、カード記載の5テーマからトピックを選んで、話の骨子を組み立てるトレーニングは必須です。
私はそのトレーニングをやってなくて緊張でズタズタになるところでした。
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30秒ぐらい経過。だめだ。No. 1でいくしかない。
1つは再生可能エネルギーを増やす。日本の技術力でなんとかする。
2つ目には原子力しかない(私は推進派ではないので後ろめたさを感じながら英検優先で)。
当時読んだニュースで、アメリカが小型原発の開発を強力に進めているという記事(①出典忘れました)を読んだ。小型原発を使って安全性を担保する。
英文の言い回しを考える余裕はないです。上記ぐらいのザクっとした骨子を出すので精一杯でした。
しかし骨子さえあれば沈黙する事はありません。ゆっくりでもいいから話す事は出来ます。
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「では、始めてください」
「私はNo. 1を選びました。」
テーマ: 日本はエネルギー自給できるか?
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I agree with the idea that Japan will be able to become energy self-sufficiency in the future.
I have two reasons to support my opinion.
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出だしはカードを読みながら話しました。私は対策の時から本当に余裕がなかったので
This is a very controversial issue.
とか、そういう前置きを話すのは早々に諦めていました。とっとと本論に行く。今でもそれで良いのだと思っています。
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First of all, renewable energy, such as solar power, wind power, geothermal power can provide some part of energy demands. Those energies are not practical enough in terms of price and scale as of now. But I believe that Japanese technology allows us to be able to solve those challenges in the near future. This is the first reason.
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はい。中身ゼロです。
この辺り気の利いた例を話す余裕はなかったので一気にいきました。無理やり何か足すと多分ハマった事でしょう。時間をかけなかったので、気持ちに余裕ができました。
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And second reason is that we have nuclear power technology. Everyone knows the disaster of Fukushima, and I’m not enthusiastically in favor of nuclear power.
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ここまではスムーズ。
「私は熱心な原子力支持者ではない」
は、海外の討論番組(②https://charlierose.com/videos/13431)を観て頭に残っていた表現。
この次、一瞬、沈黙しかけたけど踏ん張る。
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But I think it’s too quick to say we abandon the zero carbon emission technology right now.
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このセリフも同じ討論番組(②)で同じ人が話していた表現。
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As I mentioned, renewable energy is not practical yet. Under such circumstances, I think Japanese power system needs to be resilient.
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弾力性 resilient という表現も同じ番組(②)で聞き覚えのあった単語。
再生可能エネルギーとか原子力どちらかで決め打つのではなく、色々カードを持ってエネルギー政策に弾力性を持たせるべきというこのメッセージは、スピーチで重要なキーワードとなりました。
ここからは、最初に考えた骨子を言い切る。
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And now, if we can develop small scale reactor, and also if we set the regulation identifying the upper limit of the scale in each reactor, we can significantly improve its safety. As a result, we can achieve the best-mix of nuclear power with renewable energy.
In conclusion, I think that Japan will become energy self-sufficiency in the future.
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時間余っているよ、と言われて
アメリカですでに開発が進んでいる事(①)を伝えました。
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Actually, America already started developing small scale reactor. We can learn a lot from that technology.
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Q1: 再生可能エネルギーがコストの点で石油に優ることはあるか。
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えらい厳しい質問きたな。
無理に決まっているじゃないですか。。
あっ、そうだ。石油はいずれ枯渇する(③確か旺文社の英作本)。これでいこう。
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A1: Good question. It’s not easy. It’s not easy. But fossil fuels are finite resources. Experts say fossil fuels will run out within 50 or 150 years. So the price should be reversed some day. I think this is inevitable fact.
Q2: 経済と環境とどちらが大事か?
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気持ちとしては環境が大事と言いたい。
でも大した事言えない。。
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A2: In my thought, environment is more important.
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過去問の中で、芸術の意義について論じる練習をした。戦後の日本は経済一辺倒でやってきたが現代は価値が変わりつつある事について述べるところを使う。オチが思いつかないが、まずはそれを話そう。
(④最初の表現はシャドーイング教材から引用、国井、橋本、KH-System入門編)
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Since world war 2, Japan has built itself up as the one of the largest economy in the world. During that period, we have placed emphasis on price and quality for our products. But nowadays, values are changing. People buy iPhone and iPad which is the most expensive product in that category.
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オチ思いつかない。強引にまとめる。
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We need to create new values and I think that’s not economic growth, but eco-friendly must be one kind of new values.
Q3: 環境のためにあなたは何が出来るか?
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うーん。大した事思いつかない。
とりあえず、先日のNHKでジャックアタリ氏が使っていた表現から入るか。。
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A3: At first, I think of myself not as a spectator but as a player. There are a lot of things to do. For example we can contribute to suppressing consumption of energy sources by gathering family member into one room when using air conditioner. I think that kind of life style changes are quite important. Technology is the second important.
Q4: 再生可能エネルギーのコストを下げることはできるか?
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出来ると言い切る。
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A4: Yes, I believe so. Key is new material for solar cell. Japan is good at developing new material and material processing. I expect that Japan will soon achieve it.
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ここで終了
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みなさまお気づきの通り、難しい表現は一切使っていません。英検1級の1次試験を合格された方は、おそらく、これまで多くの表現をインプットされているはずです。それを使えば良いと思います。
私もそうでしたが(今もそうですが)インプットしたものを引き出しにしまい込んで、引き出しから出す訓練をしていないだけなんです。多分。
みなさまもたくさん引き出しを持っておられると思います。即興のスピーチを何度もやるうちにだんだん引き出せるようになってきます。
エネルギーは要りますが、数週間訓練する事で必ずレベルアップできます。
少しでもお役に立てれば幸いです。
応援しております📣🐢