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【ネタバレ】君たちはどう生きるか【継母への恋心】


完全ネタバレ有りの考察です。
【まだ見ていない人はブラウザバック推奨】

君たちはどう生きるか
遅ればせながら、友達の家で土曜日に鑑賞したんです。

最高。大作!

なんで話題にならなかったのか?テレビで宣伝しないのがジブリの広告戦略だったらしいけど、話題にならないってことは駄作なのかーって思ってた。ジブリ映画は基本的には見ているんだけど、今回のは宮崎駿の遺作って思うぐらい超傑作なのでは?

そしてナツコさんか好きだ〜!

上品で色気があってお美しい、儚いのに芯をもっている。
まさに日本のナウシカ!

映画を見てる間の既視感(オマージュ)も楽しくて、伏線も散りばめられすぎていて考察が止まらないの。まぁ私はそんなにぶっ飛んだ考察とかはできないので、とにかくここが面白かった〜ここに気づいた?ってところとかピックアップして感想を皆さんとシェアしたい!!
※記事を書き終わるまでに6回鑑賞済
※記事を書き終わるまで他の方のネタバレは極力
見ていないので解釈とか感想が間違っているところが多々あるかもしれないです。

※私はマヒトの恋の相手はナツコさんという体で話を進めていきます。ヒミではないので注意!



ネタバレ開始↓

母との死別

病院の火事で母と死別。
いったいなぜ火事が起きたのか。
戦争3年目、空襲なら真っ先に防空壕では?
てことは、この火事は空襲ではないはず。
結局火事の原因には一切触れないんだよね。
事故なのか?事件なのか?はたまた放火なのか?

そしてマヒトの母(ヒミ)は石の世界へ……

母の死から1年後、
父と東京を離れ、母の生家へ身を寄せる。

父ちゃん目がキラッキラ

声がハウル(キムタク)すぎる笑
11歳の子供がいるようには見えないおしゃれなイケメン父ちゃん。



継母は母の妹

優雅に日傘をさして人力車で登場
伏目すら美しい
マヒトの母となる決意の眼差し

父ちゃんは地主のヒサコ一家との結婚で、婿養子に入り飛行機工場(風立ちぬ?)の社長に就任している。
つまり政略結婚。
マヒトの母が亡くなってしまったから、その妹のナツコと結婚というのも、至極真っ当なのだけど。
マヒトからすると継母が母親そっくりで、母より一回り若い妹って心境複雑すぎるわ。

マヒト心の声 ※想像
「母ちゃんの妹とデキ婚?…親父、人の心ないんか!??」


そりゃ継母への対応もそっけなくなるよ。

それにさ、こんな若くて綺麗で色気すごくて美人な継母と急に仲良くなるのは無理だろ。
小学生男子なら恥ずかしがって当然だろーと思うわけです。
この映画でナツコがやけに色っぽいのは、マヒトの主観だからでは?
このマセガキ!!

一方ナツコは再婚についてかなり前向きに考えている。
父ちゃんには上品にあざとく、マヒトへもフレンドリーに話しかける。
若くて美人でお金持ち、あまり苦労したこともないんだろう。



困窮する旧家

ナツコさんの家って旧家の立派なお屋敷だけど、戦争中だし、かなり生活に困窮してるんだよね。

誰の出迎えもない ご立派な正面玄関
タンスやイスなどの家具がなにもない部屋
壁が剥がれていたりボロボロな内装

見栄っ張りなのか?
人力車を使ったり、わざわざマヒトを誰もいない豪華な正面玄関から入らせたり……

私の家ってお城みたいに豪華だし、元々お金持ちなのよというマウント(?)
※マヒトの母の生家でもあるのに謎

普段から父ちゃんが入り浸っているからか?
ばあやたちは勝手に荷物を開封しようする笑
このシーン好き
キリコさんだけ、挨拶してるの
後ろの2人だけ背筋が伸びているし、若いのかな?
キリコさんってポニョのトキさんに似てない?
みんなでワクワク開封
じいじズ

ここ気づいた人いる?
このじいじ達、多分兄弟だよね?
顔がそっくりだし。
これって、まさかヒミとナツコさんの関係を暗示している?

亡くなってしまったヒミ(寝たきりじいじ)とナツコ(元気なじいじ)の対比なんじゃないかな?
ナツコと元気なじいじは喫煙者って共通点もあるし、私はそんな気がした!

それにこの映画に出てくる喫煙者は4人だけ!
・ナツコ(部屋に残り2本になったタバコの箱)
・父ちゃん(鞄からでてきたしおそらく喫煙者)
・じいじ(自作したイタドリの葉のタバコ&マヒトからもらったタバコ2本)
・キリコ(父ちゃんの鞄に入っていたタバコをくすねる&マヒトからタバコをもらおうとする)

吸っているたばこの銘柄は「ヒカリ」。光があるところには、影がある。
4人は影があり、ヒカリを求めていると考えられる。

缶詰に大喜びばあや

お砂糖も缶詰も買えない。
裕福な家庭なのかもしれないけど、以前よりは下の生活水準ということがわかる。

ばあや
「お母さんにそっくりだよ。綺麗なお子だね。」

マヒト(美形)はヒミ似なのか。

実際住むのはお屋敷ではなく小さな一軒家
お金持ちの家には見えない子供部屋
マヒトの寝顔をみるナツコさん
ヒミ似のマヒト(美形)
ナツコさん何を思う
かげる表情

マヒトからのそっけない態度に、私がこの子の母親になれるのかしらと不安が出てしまったのかな?

それともマヒトに姉の面影を見て胸を痛めていたのかもしれない。

再婚にあたって、姉とマヒトへの罪悪感を感じていたのか?

本当は産みたくない。結婚したくない。と思ってしまったのか。

ナツコはとても賢い女性なのよね。
好きな男と結婚して子供を残して死んだ姉と、
子供を妊娠してまで姉の夫を繋ぎ止めて結婚しなければいけない自分を比べていたのかな。

私は夫を愛しているし愛されている、姉と夫の子供も愛せるはずと思い込まないと、こんな状況で自分を保てないよね。
序盤では確かに明るく前向きに考えていた再婚だけど、この時にふと不安がよぎったのかもしれない。



マヒトのトラウマ

夢の中でトラウマフラッシュバック
ハウルの戦争シーンぽさを感じる
母の死を乗り越えられないマヒト

そりゃ小学生にはつらいよ。
戦争時とはいえ、母は戦争で亡くなったわけではないわけだし。

切実に火事の原因を教えてほしい、気になって夜しか寝れない。

ミニトトロを追いかけてメイちゃんがトトロの隠れ家に迷い込んだ時のように
青サギを追いかけて塔の入り口へ

ばあや
「(塔を)埋めておいたのにの」
「連れ込まれるぞ」

本当は行けないはずの建物に道が繋がっているって、思い出のマーニーぽい

お美しいナツコさん
塔は大叔父のもの
大叔父は本を読みすぎて変になった
大叔父が行方不明になり、祖父が塔を封鎖した

納得できるようなできないような。
ここではじめて2人が会話するの。マヒトが言葉を発っさなすぎる。

(うたたねして夢の中で)トラウマフラッシュバック②
帰ってくるなり親のキッス
思春期には刺激が強い!

ナツコは帰宅した父ちゃんに擦り寄り、すぐさまおかえりのチュー。
これはマヒト大ダメージでしょ。

親の情事なんてさ、小学生男子なら隙間からドギマギしながらバレるまで覗き見してしまうけど、マヒトは冷静に部屋に戻っていくのよね。
少し違和感ない?

個人的には父親に男としての魅力で負けた絶望感から静かにその場を去った説を推したい。



マヒト転校初日

サイパンの戦い(1944年)の話をする両親
ここで戦争は太平洋戦争(1941年〜1945年)の話だったことが判明
(転校初日に車で学校に行くなんて嫌よね。でも)先生にお願いしているから大丈夫よ
転校初日に学校まで車で乗り付け
同級生の反感を買うマヒト
他の子がみんなツルツル坊主なのカワイイ
いじめのターゲットになってしまう

今でいう集団リンチに近い描写。
ジブリって喧嘩っ早い人多くない?

帰り道に石で自分の頭を殴る
出血死レベル

なぜ石で自分を殴ったのか。
現代でいうリスカ系の自傷行為に近いものを感じるのは私だけ?

引っ越しや新しい継母への不安感からの自傷行為ではなく、
学校に行きたくない・親(ナツコさん)に心配して欲しいっていう子供からの主張というか。

つまりナツコさんの気を惹きたいかまちょ。
そんな感じがした。
ま、あとは父ちゃんへの当てつけだよな。父ちゃんのせいで(車登校)いじめられてるし。

ナツコさんとばあやが応急処置
父ちゃん「誰にやられたんだ?仇を打ってやる」

マヒトの心の声 ※想像
「自分でやったんだよ」

マヒトを溺愛するがあまり暴走する父ちゃん。
このシーンのナツコすこし顔つきが強張っている。

マヒト心の声 ※想像
「ハァ…。父ちゃんのせいでいじめられてんのに、
復讐とか、こいつズレすぎだろ……。」
マヒトのトラウマの真似をして「マヒトタスケテ」
&う○ちもかます
青サギの煽りスキル高すぎ笑
お見舞いナツコさん
ナツコさんとの密着

わざとかな?
初対面でお腹触らせてきたり、後ろから密着して窓を開けたり、色々と距離が近い。
あざとい。かわいい。

はじめは子供相手になぜこんなに色気を出すんだろうと思ったけど、この映画そういやマヒトの主観だったわ。
美人ママを色っぽく見てしまうのは仕方ないことか~。
父ちゃんの再婚相手じゃなかったら、マザコンのマヒトからしたら、ママそっくりなナツコに恋しちゃう。てかもう好きだろ完全に。



空想の世界へ

ばあや寝ずの看病(無事爆睡)
天井を歩く青サギの足跡で目覚めるマヒト
違和感に気づいたマヒトは水を飲む
青サギとタイマン
武器は木刀
粉々になる木刀
キモすぎる

意図的に気持ち悪い姿で描かれてるよね。
青サギって、現実で生きてる人(マヒト)にとっては、空想の世界に連れて行く死神的な役割。
「人間以外のなにか」を意識させるには気持ち悪くする必要があったのかも。
鼻が大きいキャラクターって悪役っぽい。

青サギ
「死んじゃいませんよ。あなたは母君のご遺体を見ていないでしょう。助けを待っていますぞ。」

潜在意識では母の死を乗り越えられず、いまだに母は生きていると思ってしまうマヒトの心が反映されている。

青サギが召喚したカエル
もののけ姫のタタリのように飲み込まれて行く
完全にポニョ「おいでくだされ」
マヒトを探しに来るナツコさんと7人のばあや

ここで気づいたけど、7人の小人って白雪姫のメタファーだわ。
ナツコはやはりプリンセス?

しかし全ては想像の世界(夢の中)での出来事ーーー
水が引いていくのは現実へ戻ってきたということ
ジブリの水って、もったりしてるよね



ズレてる父ちゃん

夢から覚めるマヒト
犯人はきっと捕まえてやるからな
学校に300円(物価指数で85万円)も寄付してきた
ろくに勉強もしてない学校なんて行かなくていい
ハゲが残るか心配する
ナツコに心配をかけるなよ
言いたいことを言うとスタスタ出て行く

やはりどこかズレてる父ちゃん。
大ケガを負った息子より寝込んでる若妻優先。
経営者ってこんぐらい思い込み激しい方がいいのかしら。
mbtiは、ENFJ(主人公タイプ)じゃない?
正義感が人一倍あって空回りする感じ。

マヒト
「便所」
ばあや
「おまるがあるのに…」
マヒト心の声※想像
「おまる…!??」

トトロのさつきちゃん&めいちゃんの「夢だけど夢じゃなかった」現象
空想の世界で何か起こすと、現実にも影響が出る
戦闘機のパーツを家に待ってくる父ちゃん
怪我した息子に、心労で寝込んでるナツコさんのお見舞いに行けというズレっぷり
しかしこの映画を6回鑑賞した私は知っている。
ナツコさんはこの父ちゃんのせいで寝込んでいるに違いないのだ!



ナツコさんをお見舞い

元気な方のじいじはイタドリの葉の自作タバコで一服
ばあばに促されお見舞いへ
インテリアが千と千尋の湯婆婆の部屋のセンス
もしくは若干アリエッティ
ナツコさんは実際に弓を持っていた

父ちゃんのジャケットがなぜかここに!?
妊娠中でつわり真っただ中のナツコさんに性交渉をさせたのか???
寝込んでる一番の原因は父ちゃんのせいに違いない!
この時期は絶対に体を気遣ってあげるべきなのに、なぜこうも性欲に忠実なんだ…ハァ

やつれていてもお美しい
またもやスキンシップ
戸惑いつつ受け入れる
こんなことされたらドキドキしてしまうわ〜
美人の泣き顔
部屋にあったナツコさんのタバコをくすねる
妊婦だから心配なのかしら

いまマヒトが1番触れて欲しくないだろう亡くなった母について言及してるくるの、ちょっと性格悪いなぁ。
さらに畳み掛けるように女の涙。

そして妊婦なのにタバコ吸ってるんかい。
しかも残り2本までしっかり吸ってる笑

ん~まあさ、個人的には同情しちゃうとこも多いんだけど。
ナツコが思い描いていた前向きな再婚とは、この時点でかなりギャップがあるんだよね。
赤ちゃんが生まれてきて、姉の子供も懐いてくれて、旦那に愛されてって幸せな結婚を夢見ていたと思うよ。

現実は政略結婚で旦那はほぼ家におらず仕事ばかり。
夜には赤ちゃんがいるのにお構いなしに性交渉をしにくる。
寄り添ってくれるタイプでもなく、自分の中にある正義感だけは強い。さらに成金思考で喫煙者。

姉の子供は一向に心を開いてくれない。
亡くなった姉の面影があり、罪悪感を持ってしまう。
転校初日の学校でいじめのターゲットにされて一生残る傷跡ができてしまった。

お嬢様育ちで苦労したことがないナツコにとっては、相当のストレス。
守らないといけないお腹の赤ちゃんすら、真剣に考えられないぐらい。

タバコを吸って気を紛らわせたり、心労で寝込んでしまったり、すぐに涙があふれて感情的になってしまったり、マタニティーブルーもありそうだね。
かなり病んでる。



不登校児の過ごし方

青、、サギ、、?(誰)
武器は短剣
タバコ2本でじいじ買収 刃物の研ぎ方を教わる
時代は弓でしょ
ほぼ、どんぐりを集めるめいちゃん
ほぼアシタカ
森に入るナツコさん

いつもお着物をビシッと着こなして髪も綺麗に結い上げているナツコさんなのに、この服。
ほぼ死装束。
フラフラと石の世界(墓石)へ。

「大きくなったマヒトくんに 母」
母さん……涙(マザコン)



塔の中へ

ナツコさんが行方不明に
完全にメイちゃんの通り道と一致
絶対に罠だと確信しているヒサコ

ヒサコ
「行っちゃならん。塔の主の声はお屋敷の血をひくものにしか聞こえねえんだ」
マヒト
「ナツコおばさんを取り戻さなきゃ」
ヒサコ
「あなたはナツコお嬢様がいない方がいいって思ってるでしょ。それでも行くなんておかしいよ」

この会話かなり違和感があるの。
ヒサコは塔の入り口が絶対に罠だと確信しているのね。
他のばあやより若いのに、なぜか他のばあやより塔に詳しすぎ。
なんなら塔の主がだれかわかっているかのような口ぶり。

それにマヒトはナツコさんがいない方がいいと思っているなんて、なぜこんな発言をしたのか。

それはこの映画がマヒト主観だからではないだろうか。(メタ失礼)

本音:ナツコさんを助けに行きたい
建前:塔には死んだ母親がいるんだ

この建前を言い訳に使うために、このヒサコの「ナツコがいない方がいい」発言があったと考えたら辻褄が合うんだよ。

塔の中は大叔父の本棚で埋め尽くされている
青サギと横たわるマヒトの母
たしかにナツコさんに似た美人
母さん……涙(マザコン)
触れると溶けるフェイク
振り向き方はグランマンマーレ&溶け方はハウル

結局、母の姿を模したフェイク。
マヒトを塔に呼ぶための撒き餌だったわけだ。

青サギはおっさん妖精みたいなキャラに変身
攻撃的で狡猾に見える人の中身は別に大したことないおっさんってオチ
完全に美女と野獣オマージュ
下の世界へ(塔の主は上にいるのに)

下の世界は石の世界。
石とは墓石、つまり死の世界。
生きていながら死んでいる。
生と死が同じものとして扱われている。
ナツコさんはなぜ死の世界へ行ったのか。

上に天国・地上・下に冥界という考え方があるように、
上には塔(世界を作る、世界をつなげる隕石)があり、
赤ちゃんが生まれる地上があり、
下には石の世界がある。
すべての世界は、世界観や考え方によって別のものに見えているだけで実際はつながっていて同じものなんだと思う。

下の世界は悪意がない。
しかし外界から来たものは、業に縛られている。


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