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内科専門医試験について④(試験日が早いことは難点か利点か)

今回も内科専門医試験についてお話しします。

2024年の内科専門医試験は、5月26日です。この試験日、客観的に見るときついと思います。しかし、それはそれで利点もあるかもしれない。そんなお話です。


今年の本試験は5月26日。
通常、どの専門医試験であっても、それぞれの先生が合格するまでにどれくらいの勉強期間が必要なのかを見積もって、試験日から逆算して勉強を開始する時期を決めることになります。

その点で、この内科専門医試験は特殊な状況に遭遇してしまうのです。
まさにこれをお読みになっている先生はお分かりだと思いますが、受験される先生にとって大きな環境の変化がある2024年3月末が試験勉強期間に入るということです。

医師3-5年目を専攻医として勤務し、なんとかJ-OSLERを無事に終了させるわけですが、2024年の3月末から4月にかけて、大きく環境が変わる先生が多いです。専攻医というポジションから、いわゆるスタッフや後期専攻医になります。大学病院に勤務になったり大学院生になる先生もおられると思います。この時期は大きな節目であり、勤務する病院が変わる先生も多いです。

そんな2024年4月から大きく勤務環境が変わる状況であるのに、5月26日に内科専門医試験があります。バタバタして、少し落ち着いた頃には、もう試験まで1ヶ月ちょっとしかありません。かなり過酷だと思います。内科専門医試験こそ秋くらいにしてあげればいいのにと個人的には思ったりします。

しかし、試験日はすでに決定されており、今更変わりません。やるしかないのです。そうなると大きな節目である3月末から4月にかけての時期も、内科専門医試験のことは忘れてはいけないことになります。この記事を書いているのが3月中旬です。つまり、今からでも、もう2ヶ月半くらいしかありません。まだ勉強を開始されていない先生は、勉強を開始された方がいいと思います。

前回の記事で書きましたが、内科専門医試験の特徴として、ほぼ均一な受験生の年齢分布というものがあります。受験される先生は、専攻医が終わった6年目、年齢もほぼ同じです。ベースの知識は多少差があったとしても、年齢も同じくらい(記憶力の差は大きくない)、試験対策として使用する問題集もほぼ決まっています。そうなると、合否を分けるのは勉強時間しかありません。みんなが同じ状況にあるので、勉強を早くはじめるか、ギリギリ(もしくはそれよりも遅い)ではじめるかが勝負に直結するのです。

前回も書きました。

第1回内科専門医試験は合格率が94%。つまり、落ちたのは20人に1人。
第2回内科専門医試験は合格率が90%。つまり。落ちたのは10人に1人。
第3回内科専門医試験は合格率が85%。つまり。落ちたのは6-7人に1人。

総合内科専門医試験と比較すればこれでも合格率は高いですが、内科学会は意図的に引き締めにきているようにも思えます。少しずつ、合格しにくくなっているのは事実です。油断してしまうと大変なことになります。

一方で、ここで本試験の利点についても少し触れたいと思います。
本試験は準備不足になりがちな先生が一定数いるということです。それは上に書いたような試験の時期のためです。大きな環境の変化があることに加えて、専攻医の時から試験勉強を開始しなければならないという実感が湧きにくいこともあります。本試験は相対評価の試験であるため、ここは利用できる点でもあります。私の病院の専攻医には、この記事を書いている時点ですでに勉強している先生もいますし、まだ勉強を始めていないという先生もおられました。

総合内科専門医試験のような絶対評価の試験であれば、すでにdead lineが近く、準備不足は即不合格になります。ただ、相対評価である本試験においては、まだ一定数の先生が勉強を開始していないことを考慮すれば、1日でも早く勉強を開始することで合格は可能になるのだと思います。

少しずつ合格が難しくなってきていますので、1日でも早く作戦を立てて、十分な対策を取っていただきたいです。「まだ勉強を始めるのは早いだろう」と意図的に勉強をセーブする時期は過ぎています。ギリギリ合格を目指した勉強はコスパは高いですが、もし不合格になった場合のダメージは非常に大きいです。

まだまだ内科専門医試験についてはお話ししたいことがあります。
次回に続きます。

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