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内科専門医試験について⑤(2024年試験の合格率と振り返り)

先生方、日々の勉強本当にお疲れ様です。
今回は、2025年の内科専門医試験に関する初回の記事です。

●まずは、2024年の内科専門医試験を合格された先生へ

合格おめでとうございます!!!!

J-Oslerを乗り越え、さらにスケジュール的にも過酷すぎる内科専門医試験まで突破された道のりは本当に大変だったと思います。時代の変化により、医師の働き方にも様々な考え方や選択肢が増えてきた中で、内科学を専攻され、さらには本試験も見事合格されたことには敬意しかございません。本当にお疲れ様でした!!

これで内科学会お墨付きの「内科専門医」であることが証明されました。胸を張ってください!!これからは、各先生方の人生設計に沿って、羽ばたいていただければと思います。

本当に、おめでとうございました!!!!


ここからは、2025年の内科専門医試験を受験される先生への記事となります。

受験される先生には、ぜひ最初にお読みいただきたい内容です。実際に試験勉強を開始される前に、試験の概要を把握する(敵を知る)ことはとても大事です。過去の記事にもいろいろ書いておりますので、お読みいただければと思います。

まずは、ざっくりと内科専門医試験について書きます。
内科専門医試験は2021年が第1回で、すでに4回施行され、2025年で5回目の試験になります。ご存知の通り、内科専門医制度が刷新され、J-OSLERも導入されたことで、以前の認定内科医試験が廃止されて、新しく内科専門医試験が開始となりました。

ちなみに、現在も内科学会が実施している総合内科専門医試験は次回で第53回になります(2025年11月予定)。また、以前に施行されていた認定内科専門医試験は2021年の第36回試験で終了となりました。

2025年に内科専門医試験を受験される先生は完全なJ-Osler世代ですので、内科専門医試験を受けることが当たり前になっていると思います。ただ、長い歴史のある内科学会の試験の中では、今年で5回目という新しめの試験なのです。そのため、今後どのように推移していくのか、まだまだ予測しづらい部分もあったりします。

さて、先日、2024年の内科専門医試験の試験結果が内科学会のHPで公表されました。今回は、その振り返りについて書きたいと思います。

まず、2024年の全体の合格率は、「93.6%」でした。

また、これまでの合格率も載せてくれていましたので、過去に行われた全4回の結果をまとめて表にしました。

内科学会のHPより作成
(クリックで拡大表示できます)

この表からわかる事実が2つあります。

①受験者数は年々増加傾向にある。
②合格率は第1回から第3回で徐々に低下していたが、第4回で跳ね上がった。

ここからは、感想と考察です。

「①受験者数は年々増加傾向にある」

これついては、試験勉強をする上で、そこまで重要ではありません。内科医を志望した先生の数、J-Oslerが普及してきたこと、前年度の不合格者の再受験など、様々な要因が関与していると思います。全体として受験者数が増えていることは、内科学会としては「良いこと」と捉えていると思います(受験者数がどんどん減っているようでは学会としては困るはずです)。内科専門医試験も軌道に乗ってきて、盛り上がってきたという感じかもしれません。

「②合格率は第1回から第3回で徐々に低下していたが、第4回で跳ね上がった」

この合格率こそが、受験生にとって最も大事なことです。
当たり前ですが、試験を受ける上で、合格率は「試験突破の難易度」に直結します。そして、第4回の合格率はかなり大きなインパクトがあったと思っています。

実は、内科専門医試験は、第1回から第3回までじわじわと合格率が低下する流れで推移していました。第1回の合格率は94.5%と非常に高く、「初回のお試し、様子見、大盤振る舞い」かのような合格率の高さでした。しかし、そこから合格率は年々低下していきました。第2回では90.0%、第3回では85.2%と、毎年5%弱、合格率が低下していたわけです。

これは、「内科学会が意図的にハードルを高くしている」ようにも見え、「しっかり勉強するように受験生を引き締めにきている」という見方をされる先生も多かったです。私もそのように思っていました。

そんな中で、直近の第4回は93.6%と大きく跳ね上がったのです。
もともと「内科専門医試験の合格率は90%程度を想定」とされていましたので、総合内科専門医試験のように6-7割なんてことにはならないのはわかります。ただ、90%の前後5%(合格率85-95%)を許容範囲とするとすれば、しばらくは85-90%の低めの水準が続くのかと予想されていました。

第4回は大幅に合格率が上がりました。
私も含めて、多くの先生の予想が外れたというのが事実ですが、内科学会からの「締め付けすぎるつもりはない」というメッセージなのかもしれません。

一方で、内科専門医試験は絶対評価の試験なので、「受験生全体のレベルが上がっただけ」という可能性もあり得ます。試験に対する受験生の意識が上がったこと、しっかりと準備をされる先生が増えたこと、試験対策教材の充実により効果的な勉強ができるようになったこと、昨年不合格だった先生がしっかり勉強して再受験した(昨年は合格率が低く不合格者が多かった)、などの要因も関係あるかもしれません。内科学会の予想を超えて、受験生全体のレベルと得点率が高かったことで、結果的に合格率が上がった可能性はあります。

いずれにせよ、これまで低下するのみであった合格率が上がったことで、やはり「内科専門医試験の合格率は90%程度を想定」という当初の公表はその通りとなりました。過去4回すべてにおいて、90%の前後5%(合格率85-95%)で推移しています。

もちろん、2025年(第5回)も高い合格率になるかどうかはわかりません。また80%台後半に低下することだって全然あり得ます。ただ、第4回の結果は、今後受験される先生にとって、有益であったと捉えることができるとも思います。

内科専門医試験の試験対策方法などについては今後書いていきたいと思います。次回は、2024年の平均得点率や各科のデータについて書きたいと思います。

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