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総合内科専門医試験対策 コラム(いざ本番へ、ラスト数日の過ごし方と試験当日の心構え)

先生方、日々の勉強本当にお疲れ様です。

2024年の総合内科専門医試験まで、あと数日です。

まずは、これまでの長きにわたる試験勉強、本当にお疲れ様でした。毎日、仕事や家庭、さらには様々なイベントをこなしながら、これだけハードな試験勉強を続けて来られた先生方には尊敬と敬意しかありません。まだ試験は終わっていませんが、本当に本当にお疲れ様でした。

今回の記事が、2024年の総合内科専門医試験に関する最後のものとなります。

今回の内容は、試験を前にされた先生方に是非とも最後にお伝えしたい内容です。
2023年の試験直前に書いた記事と重複する部分も多いのですが、2023年の当時も私自身の体験をもとに先生方にお伝えしたかったことをできるだけ凝縮したつもりであり、その内容はやはり変わらないので同じような内容になりました。

いつもより長文ですが、ご容赦いただけますと幸いです。お時間のある時にお読みいただければと思います。


今回は、以下の3点について書かせていただきたいです。
・試験前数日の過ごし方
・試験前日の過ごし方
・試験当日(試験中)の心構え


①試験前数日の過ごし方

いよいよ残すところあと数日です。もうこの時期は、すべての勉強時間を「総仕上げ」に費やしてください。新しい問題を解く必要は一切ありません。「これまでやってきた教材の復習」「ご自身でまとめてきた勉強資料」などを、繰り返し見直してください。今まで勉強してきたことを徹底的に復習して、暗記する。これを試験前日まで何度も繰り返すことで、頭に叩き込んで、知識を強固なものとしてください。この最後の「詰め」をしっかり行うことが大切です。

ラスト数日ですが、まだまだ点数を上げることができます。
それは、新しく知識を詰め込むことではなく、これまでやってきたことを確実に点数に繋げられるようにすることです。先生方は、これまで多くの問題を解いてこられたと思います。実はそれで十分なのです。時間的に間に合わなかったこと(やりたかったけどできなかったこと)は、潔く忘れてもらって大丈夫です。それよりも復習です。最後の数日は、多くの先生が解けないような問題を正解することを目指すのではなく、むしろ「取れるはずの問題を確実に得点できる」ようにすることを目指してください。本試験は試験範囲が広すぎるので、勉強してきたことでも、抜け落ちてしまっていることがたくさん出てくるのが普通です。「やったはずなのに得点できなかった」という問題が多数にならないように(ある程度は仕方ありません)、しっかりと復習して知識を固めていくことが、最終的にはいい結果に繋がると思います。

あとでも書きますが、本試験の合格基準は「得点率6割以上」です。逆から見れば、200問のうち、80問まで間違えていいのです。これまで勉強してきたことをしっかり復習して、「取れるはずの問題を確実に得点する」。あと数日は復習や仕上げの見直しを行ってください。

また、繰り返しになりますが、過去問をまだやっていない先生がおられましたら、見ておいてください。もし過去問をじっくりやる時間がない場合でも、ざっと見ておくだけでかなり有用です。総合内科専門医試験は、完全に同じ問題が出ることはほとんどないのですが(一部はあります)、不思議なもので「200問全体」で見れば、毎年なんだかんだ似たような構成に見えてきます。私の数年分のまとめを見ていただければ、試験の全体像が見えてくるはずです。また、内科専門医試験の過去問にも新しめのいい問題が多いので見ておいてください(こちらも、気合いを入れてまとめた記事があります)。疾患を網羅的に扱っている問題集とちがって、内科学会が何を問いたいのかがわかってきます。

また、勉強以外の準備も並行して行ってください。勉強の休憩時間などを利用して、試験当日の準備をします。受験票、必要な筆記用具、時計などの持ち物は揃っているか、当日の服装はどうするか(寒暖差がある時期です)、試験会場までのルートや所要時間、昼食の確保方法など、前日にバタバタしないように何度か確認しておいてください。

そして、体調管理も大事です。数日前からは、無理をしすぎて極端な睡眠不足にはならないこと、風邪などを引かないようにすること、などの体調ケアは意識してください。また、万が一、試験当日に体調不良になった時のために「急場のしのぎ」としてロキソニンを準備しておくと安心です。


②試験前日の過ごし方

2024年の試験会場は横浜と大阪です。
全国で2カ所のみですから、多くの先生は試験前日は会場近くのホテルに宿泊されることになると思います。前日は新幹線や飛行機などで長距離の移動をしなくてはいけない先生も多いはずです。

そんな前日であっても、「最後の最後の詰め込み」はしっかりやった方がいいです。移動中の時間も利用して、復習をしていただきたいです。私も会場近くのホテルに宿泊しました。最寄駅が近づいてくると、ホテルに向かう総合内科専門医試験を受験されるのではないかという先生に遭遇するようになりました。地下鉄の中で、本やスマホ、タブレットなどで勉強している先生を多く見かけました。

私は、移動中も、夕方にホテルについてからも、ずっと復習をしていました。前日になっても「受かる気が全くしなかった」からです。ただ、最後まで勉強はするけれど、明日に向けて肩の力を抜いて、リラックスして、メンタルを整えていくように意識はしていました。もうできることは限られているので、残された「ラスト数時間」で「せめて自分にできることはやっておこう」という感じでした。

ただ、実際には想定通りにいかなかったりもします。
多くの先生が、試験前日は早めに勉強を終えて、ゆっくり休もうと考えておられると思います。それが正しい判断です。私も、本来の予定では、前日は21時で勉強を終了するつもりでした。「やりたいことが終わらなくても21時まで。あとは、身体も気持ちも落ち着けて、しっかり休んで、当日に備えよう」と思っていました。しかし、結局はそうもいかず、復習が終わらず勉強時間はどんどん延長してしまい、最終的には24時に「もう寝ないとダメだ」と、強制終了する形となりました。そして、そのあとも興奮して眠れず、結局4-5時間の睡眠となってしまいました。

これは悪い例だと思います。ただ、実際には同じような先生も多かったのかもしれません。前日深夜になってもX(当時はTwitter)には「ヤバい、終わらない」という書き込みが複数ありました。以前から書かせていただいていますが、総合内科専門医試験はとんでもない試験ですので、前日の夜になっても「もうこれで大丈夫」と試験勉強が完了することはありません。「やり残したことがたくさんある、復習すらもまだ終わらない」、これが普通です。受験生全員がそうなので大丈夫です。

前日の夜は、早めに勉強を切り上げて、十分な睡眠時間がとれるように意識してください。試験本番は長丁場で、集中力を持続させなければなりません。最後は睡眠と体調を優先して、寝不足で試験を迎えないようにした方が点数も上がると思います。しかし、そうは言っても、現実的には、前日はあれこれ気になってしまったり、気持ちが高ぶっていて、なかなか寝付けないものです。それでも勉強は早めに終わりにして、横になって目を閉じて休む方がいいと思います。


③試験当日(試験中)の心構え

いよいよ当日、試験本番です。
あとは、これまで勉強してきたことをぶつけるのみなのですが、ここで是非とも意識していただきたいことがあります。実力を出し切って、少しでも得点率を上げるために、「試験本番中のイメトレ」を事前にしておくことが重要です。ここは冷静かつ戦略的にやっていただきたいところです。

本試験は、朝から夕方まで(110分が3限)のとてもハードなスケジュールです。1日がかりの長丁場です。そして、この試験は最後の最後まで受験生に試練を与えてきます。体力的にもきついのですが、それ以上に、何度も何度も受験生の「心」をへし折ろうとしてきます。試験中はメンタルコントロールがとても大事で、これにより点数が結構左右されてしまうのです。

メンタルを維持して、最大限の得点を取るために、
・試験中は何度も心が折れそうになる、それが普通だと知っておくこと
・キツい時には200問のうち80問間違えても合格できると思い出すこと

この2点を「本番中に思い出せる」ように、事前にご自身に言い聞かせておいていただければと思います。

1つ目は、「試験中は何度も心が折れそうになるけれど、それが普通だと知っておくこと」です。

総合内科専門医試験は難易度が高い問題が並びます。どれだけ勉強していても、サクサクと気持ちよく正解を重ねていけるような試験ではありません。1問1問が骨のある問題であり、そんな中に「どう考えてもこんなの知らんだろ問題、疾患の本質とはかけ離れたどうでもいい悪問、解釈不能なクソ問、1問目を間違えたら芋づる式にやられそうな連問」が混ざってきます。試験中に、何度もこちらの心をへし折ろうとしてきます。さらには、やったはずなのにド忘れしてしまったり、2択までは絞れてもそこから選べない問題が続いたり、自分の実力が足りないのではないかという微妙なラインをついてくる問題にも多く遭遇します。

ただ、解けない問題が続いたとしても、もはやそんなことはどうでもいいです。ここで焦ってペースが乱れてしまうことの方が弊害です。「わからない問題、自信がない問題、なんじゃこれ問題」に何度もぶち当たるのが普通です。それでも、焦らず、動揺せず、ひたすら耐えて耐えて、冷静に淡々と進めていく。試験中は、知識だけでなく、「メンタルの強さ」を問われる部分も大きいです。適度の緊張感は持ちつつも、焦らずに冷静を保ち、淡々と新しい気持ちで1問1問を解き進めていくことが大事です。

最近では、1回限りの措置的受験になって状況は変わりましたが、以前は、2限目、3限目と進むに連れて、さっきまで会場にいた受験生がいなくなっていくという現象があちこちで起こっていたようです。これは、試験中に心が折れてしまい、合格は無理だろうとあきらめて、途中で帰ってしまったということです。

まずは「これくらいハードな試験」と事前によく知っておくことが重要です。過去の合格者の先生も、試験中にボロボロになりながらも、結局は合格されています。「手応えがなくて落ちたと思っても、結局は合格していた」、こんな感じの試験だと知っておいてください。ですので、途中で「もうダメかも」と思っても、あきらめてはいけません。心が折れないように、とにかく「最後まで踏ん張るんだ」というイメージをしっかり持って試験に臨んでください。絶対にメンタルで負けてはいけません。

2つ目は、「200問のうち80問間違えても合格できると思い出すこと」です。

総合内科専門医試験の合格基準は得点率6割以上です。つまり、80問まで間違えても合格です。試験中にきつくなった時は、この言葉を必ず思い出してください。正解の自信がなくても、最後の2択が絞れなくても、結局正解していることはあります。80問間違えるという状況は、試験中の体感的には半分は自信がないという感覚です。これは試験中に「イケる、受かった」という手応えはなく、むしろ「落ちた」という感覚に近いです。メンタル的にかなりしんどい状況であり、帰りたくもなります。ただ、実際にはそれでも合格しているのです。いくらしんどくても最終的には大丈夫なので、わからない問題があってもそれを引きづらずに、また新しい気持ちで次の問題に進んでください。満点をとる必要なんて全くありません。8割もいりません。6割でいいのです。

1限目の第1問目。サクッと解ければ少し気が楽になりますが、1問目にたまたまわからない問題に遭遇するかもしれません。内科学会が意図的に第1問目にヘンな問題をぶつけてくるかもしれません。そこまで想定しておいた方がいいです。第1問目から解けないと動揺してしまいますが、間違えてもたった1問です。いきなり焦ってしまいそうですが、冷静さを維持してください。

自分の2022年を振り返ると、第1問目の記憶はもうないのですが、1限目の数問目、循環器としては初めての問題で心電図が読めませんでした。正直焦りました。「あれだけ勉強してきたはずなのに、1発目から心電図が読めない。診断すらできない」。結局、間違えたと思います。ただ、そこはもうイメトレ済みであり、「さあ次だ、次」という感じで進めました。さらに、そのすぐあとには、めまいの5連問が出てきて、これもパニックになりかけました。めまいの問題なんて、総合内科専門医試験の対策としては勉強していませんでした。焦るどころか、問題作成者に怒りすら感じました。「なんで、めまいに5問も使うんだ」。5連問すべて間違えたかもという感じでしたが、とにかく冷静に次の問題に進みました。

特に、総合内科の分野では意味不明の問題が連問で出たりします。連問を落としそうになると、結構メンタル的にやられます。でも、それはみんな同じなのです。「自分がわからない問題はみんなわからない」というくらい、たとえ根拠がなくても自信満々でいる方が試験中は有利になります。結局は余裕で合格していましたし、こんなものなのです。わからなかった問題は強く印象に残りますが、80問まで間違えて大丈夫です。このことを忘れないでください。

最後にもう一度言わせていただきたいです。
試験中も非常にハードです。解けない問題に何度もぶち当たります。ただ、「それくらいキツい状況が普通であり、それでも結局は合格できる」と知っておくことが大事です。そして、「80問も間違えていい」わけです。試験中に手応えがなくても、80問も間違えていないので大丈夫です。1日がかりの長丁場ですが、メンタルを維持して、とにかく「耐えに耐えて」、最後まで走り切っていただければと思います。


④最後に(お礼)

これまで、私のnoteをお読みいただきまして、本当にありがとうございます。
さらに、フォローしていただいた先生、有料記事をご購入いただいた先生、直接メールをいただいた先生、いいねやメッセージをいただいた先生、サポートをいただいた先生、本当にありがとうございました。noteの性質上、私自身が思うことを一方的に書き綴る形になってしまい、申し訳ないとずっと思っていました。そんな中でも、最後までお読みいただいた先生に感謝を申し上げます。私自身、とても励みになりました。本当にありがとうございました。

私のnoteにたどり着いておられる先生は合格できると思っています。それは、私のnoteの内容がどうこうというわけではなく、常にアンテナを張って積極的に情報を集めにいくという姿勢をお持ちだからです。先生は情報戦で優位に立っていますし、そもそも、その意識や思考を持っておられること自体が合格できる先生にしかないものです。是非とも自信を持ってください!!


これまでのハードな試験勉強、本当に本当にお疲れ様でした。あと少しです。これが終われば全てから解放されます。勉強の成果をぶつけてきてください!!

先生の合格を心の底から願っております!!
まさに「ラスボス」である総合内科専門医試験を受験される先生は、戦友であり仲間でしかないと私は思っています。これまでの先生のご苦労は痛いほどわかりますし、そんな中で本試験を受験される先生を本当に尊敬しています。

総合内科専門医試験、いよいよです。
思いっ切り、ぶつけてきてください!!思う存分、やっちゃってください!!

先生の吉報を心よりお待ちしております!!!


ヒント@総合内科専門医試験


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