総合内科専門医試験対策 コラム(この試験が絶対評価であることの価値)
先生方、日々の勉強本当にお疲れ様です。
2024年の総合内科専門医試験まで、もうすぐ3週間となります。
今回は、勉強の息抜きになればと思いまして、雑談的な内容として、「この試験が絶対評価であることの価値」について書きたいと思います。
本試験を受験される先生方はすでによくご存知だと思いますが、総合内科専門医試験は絶対評価の試験です。「得点率60%以上で合格」という、合格基準は非常に明確なものとされています。もちろん、不適切問題の調整など、私たちからは見えない要素もありますが、不適切問題は受験生に有利になることがほとんどなので、とにかく「6割以上取れれば合格」と考えていただければ大丈夫です。
私は、試験まで3週間くらいとなったちょうど今頃、「この試験が絶対評価の試験であること」に、とても感慨深いものを感じた記憶があります。
私が総合内科専門医試験を受験する時、自分のまわりには、一緒に本試験を受験する先生がいませんでした。ずっとひとりで孤独な試験勉強をしていたのですが、そんな中で、X(当時はTwitter)でやり取りをしていた先生がいました。以前に私の記事でも少し書かせていただいたジャック先生もその一人ですし、他にも固定メンバーと言える何人かの先生がいました。SNS上で、一緒に愚痴り合いながらも切磋琢磨していた先生方は、会ったこともなければ、お互いの名前も知らないのですが、不思議なもので、自分の中ではもはや「戦友」だと感じていました。試験が近づけば近づくほど、この総合内科専門医試験という「とんでもない強敵」に向かって一緒に勉強している先生は、もう「仲間」でしかありませんでした。そんな時に、ふと「この試験が絶対評価で本当によかった」と思ったのです。
「絶対評価」も「相対評価」も、どちらも長所と短所があります。これはまさに、表と裏の関係です。
まず、絶対評価の短所は、「試験問題に左右される」ということです。
合格ラインが得点率6割以上と固定されている以上、試験問題の難易度によって合格のしやすさが左右されてしまいます。その年の問題が全体的に易しければ合格率は上がるし、難しければ合格率は下がる。これは受験生にとって大きな問題ですが、過去10年の合格率は6-7割あたりなので、それくらいだと思っておけばいいと思います。例外的に2023年だけ高かったですが、今年もそうなればいいなという感じでいいと思います。
一方で、絶対評価の長所は、「自分が得点率6割以上を取ればいいだけ」ということです。それはつまり、他人は関係なく、自分との戦いだけです。そして、自分が勉強すればするほど無条件に合格の可能性は上がっていくという、「上昇するのみの一方通行」とも言えます。
絶対評価には、「他の受験生との競争」はありません。
これがどれほど素晴らしいことか。
「相対評価で6-7割程度の合格率」となれば、それはまさに「壮絶な争い、さらには蹴落とし合い」となるのは必至です。
皆様が本当に必死で過酷な試験勉強をされているのに、「自分が猛勉強することで、他の先生が不合格になる」「自分が必死で勉強していたとしても、他の先生がもっと勉強していて不合格になる」、こんなことが当たり前に起こってしまいます。相対評価は、自分だけの問題ではないのです。そうなると、極限状態になれば、「有益な情報をできるだけ他人には知られたくない」とか「他の先生が失敗することを願ってしまう」なんてこともあるかもしれません。
これだけとんでもない試験で、「相対評価の合格率6-7割」の試験であったとすれば、このような「蹴落とし合い」すらも生じてしまうかもしれません。
一緒に勉強してきた先生が敵になってしまう。これはあまりにも悲しいことです。
総合内科専門医試験の試験勉強は、長い人生から見れば「たった数ヶ月」かもしれません。しかし、本当に「記憶に残る数ヶ月」です。皆様、医師になってそれなりの時間が経ち、すでに立派な一人の医師としてご活躍されていると思います。私は、まさかこの歳になっても、これだけハードな試験勉強をすることになるとは思ってもいませんでした。
私たちは小さい頃からこれまで、数えきれないほどの試験を受けてきたわけですが、ここまで必死で勉強するというのは、本当に「人生で最後」かもしれません。
「人生で最後」かもしれないほどの壮絶な試験勉強。
この総合内科専門医試験という、まさに「ラスボス的存在」に向かって、みんなで「仲間の蹴落とし合い」ではなく、「戦友として共に戦える試験」であることが本当によかったと感じました。
絶対評価とは、「一緒に全員で合格しよう」と言える試験なのです。
内科学会がそこまで考えてくれているのかはわかりません。ただ、こんなとんでもない試験に共に挑んでいる同志の先生を、「敵」ではなく「戦友、仲間」とさせてもらえたことは感謝したいと思うほどでした。総合内科専門医試験の勉強は、人生のたった数ヶ月でも、記憶にも思い出にも残る全力を注いだ期間だったように思います。試験3週間前、勉強をしながら、しみじみと、もの思いにふけってしまったことを今でもよく覚えています。
この時期は本当に大変で、先生方も、もう限界に近いかと思います。ただ、合格した暁には、あとから振り返って「いい思い出」となるのは間違いありません。どうか悔いの残らないように最後まで全力で走り切っていただければと思います。
今回は完全に雑談でした。
あと3週間、いよいよ直前の総仕上げも意識しつつ、勉強頑張ってください!!
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